支援国 | シエラレオネ共和国 | ||||||||||||||||
プロジェクト名 | ケネマ地区の子どもと妊産婦への保健サービスのアクセス向上〜村落診療所再建とコミュニティ啓発プロジェクト〜 (Improving Access to Health Services to Children and Pregnant Women in Kenema District: Support to the Rehabilitation of Peripheral Health Units and Community Sensitization.) |
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資金額 | 331,700米ドル | ||||||||||||||||
活動年 | 2010年 | ||||||||||||||||
目的 | 質の高い基礎保健サービスを提供することにより、ケネマ地区の子どもと妊産婦の死亡率を削減する。 | ||||||||||||||||
重点分野 |
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対象エリア | ケネマ地区 | ||||||||||||||||
対象者 | 妊産婦の女性と5歳以下の子ども | ||||||||||||||||
パートナー | 保健衛生省、県保健管理チーム、県議会 | ||||||||||||||||
背景 |
<概要> 10年以上にわたる内戦によって、シエラレオネ国内の社会的インフラは大規模に破壊され、経済は悪化しました。国民は、適切な保健サービスを利用することが難しく、国内の子どもの死亡率と妊産婦死亡率が高まりました。内戦が終結した2002年以降、シエラレオネの状況は、人道緊急支援の段階から復興・開発支援の段階に移行・前進しており、2007年には、大統領選挙と議員選挙が平和的に実施されました。 しかしシエラレオネは、いまだに社会的・経済的な問題で深刻な課題を抱えています。保健システムは、インフラ、医療機器、基礎的な医薬品や備品、医療従事者の確保など整備が進んでいません。また、保健行動(個人が行う健康の維持や病気の予防のための日常生活上の行動)がほとんど実行されていないため、病気や栄養不良を予防する足かせとなっています。 子どもと妊産婦の死亡率の高さは、家族に悲しみを与えるだけでなく、貧困の悪循環を招き、シエラレオネの長期的な発達の障害となっています。 2010年4月、5歳未満の子どもと産前産後の女性への医療を無料提供する『フリーヘルスケア』が始まりました。特に、貧しく弱い立場にある人びとが平等に適切なヘルスケアを受けることができるようになります。 このたびのご支援で、ケネマ地区の保健施設や病院などの保健インフラの再建と保健サービスに関するコミュニティの啓発活動を行います。 <状況> 国連開発計画が公表する人間開発指数によると、シエラレオネは下位ランクにあります。2008年の人口保健調査によると、子どもの死亡率は1,000人出生あたり140人、そして妊産婦死亡率は10万人出生あたり857人で、それぞれ減少傾向にありますが、それでも数字は依然高く、子どもと女性が最も厳しい状況にあります。 10年間続いた内戦によって、国内では大規模な社会的インフラの破壊と経済悪化が起きました。国民は、適切な保健サービスを利用することがほとんどできませんでした。2002年の内戦終結以降、村落診療所の再建とネットワーク拡大を目指し、より一層の努力が行われてきました。現在、国内には1,150の村落診療所がありますが、人材不足、設備不足、インフラ整備の遅れという悪条件が重なり、緊急産科ケアと新生児ケアサービスを行うには不十分な状況です。各地区5ヶ所の村落診療所において、緊急産科ケアと新生児ケアサービスを提供できるよう機能を改善することにしました。そのためには、インフラの再建、医療設備や医薬品の提供、医療従事者の能力開発が必要になります。 シエラレオネ政府は、ユニセフをはじめとする主要な保健関係のパートナーのサポートを受け、2010年4月、5歳未満の子ども、妊婦や産後の女性への医療を無料提供する「フリーヘルスケア・イニシアティブ」を導入しました。このイニシアティブは、経済的に困窮しヘルスケアを受けるお金がない人びとに対し、基礎的な保健サービスを広める画期的なイニシアティブです。 しかし、無料で質の高いヘルスケアを提供するためには、物資調達とサプライ・チェーンの管理、インフラ整備、人材管理、モニタリング・評価、コミュニケーション、コミュニティへの啓発活動などへの取り組みが必要で、政府は支援パートナーからのより一層のサポートを求めています。 <ケネマ地区> ケネマ地区は、人口55万2,078人の人口密度が二番目に高い地区で、シエラレオネ東部に位置するおよそ6,355平方キロメートルの地区です。同地区には16チーフダムがあり、病院が2ヵ所と村落診療所が114ヶ所あります。ケネマ公立病院は、東部州の基幹病院です。 ケネマ地区では、他の地域と同様に、マラリア、急性呼吸器感染症、貧血、下痢性の病気や栄養不良、早産などによる新生児の障害などが子どもの死亡の主な原因となっています。また、隣接するボー地区同様、ケネマ地区は、致死の病気である風土病・ラッサ熱の流行地域でもあります。保健インフラの大半は、修復が必要な状態です。 <保健サービスの構成> 保健サービスは、下記のとおり、3段階あります。なお、県保健管理チームは、保健所長が主導し、地域保健サービスに関する計画立案、保健プログラムの導入、調整、モニタリング・評価のすべてにおいて責任を持ちます。 ① 村落診療所*一次医療の提供 ② 地区病院 *二次医療 ③ 地域病院と国立病院 *三次医療 「フリーヘルスケア」を展開する上で、質が高く適切なサービスを確実に提供できる保健インフラが不十分な状況です。ケネマ地区では、基本的な産科ケアを行うため、地域病院の小児病棟と特定の5ヶ所の村落診療所の修繕と医療設備の整備が必要です。修繕作業に加え、コミュニティ内の意識啓蒙を行います。また、コミュニティの保健行動(たとえば、完全母乳育児、殺虫剤処理を施した蚊帳の下での睡眠、専門家立会いのもとでの出産など)を改善するための啓発活動を行います。 <ユニセフの活動:保健分野全般> ユニセフは、シエラレオネの人々がサービスにアクセスしやすい環境をつくるため、保健サービスを向上・拡大し、また、母子の生存に関わる包括的なアプローチに重点を置いて活動しています。具体的には、以下のとおりです。
大規模な再建活動として、ユニセフは、ケネマ地区、コイナドゥグ地区、コノ地区の3地区で産科診療所の建設支援を行ってきました。産科診療所は、妊産婦や産後の女性のための病棟、術後や子癇患者のための病棟、手術室、研究所、薬局を備えています。そして現在、プジェフン地区の産科診療所の建設・整備が進行中です。 産科診療所は、包括的な緊急産科ケアと新生児ケアを提供する重要な保健インフラであり、国内の妊産婦死亡率の削減に大きく貢献する役割を担っています。第一次照会医療施設として、村落診療所では対応できない帝王切開や輸血などの高度な救命サービスを必要とする妊産婦への処置を行います。 ユニセフは、「フリーヘルスケア」の立ち上げに携わり、主に物資やロジ、コミュニケーション、インフラの向上、給水設備のサポートを行いました。 |
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プロジェクトの 目的と概要 |
今回ご提案する支援プロジェクトは、ケネマ地区で、適切で質の高い保健サービスの利用を拡大し、妊産婦と子どもの死亡率の削減を目的とします。 目的: ① ケネマ地区の新生児、乳幼児、妊産婦の命を守るため、保健施設のキャパシティを向上させること。 ② 「フリーヘルスケア・イニシアティブ」の保健サービスを効果的に実施するため、コミュニティのキャパシティを向上させること。 プロジェクト概要:
1)ケネマ地区の5ヶ所の村落診療所の修繕と医療設備の整備。 <場所> Joru、Tongofield、Baama、Levuma、Gefbwema <修繕内容>
2)ケネマ公立病院小児病棟の修繕・適切な医療設備の整備 3)保健や保健行動に関するコミュニティへの啓発活動 人びとがより健康的に行動し、基本的な予防と治療サービスの拡大を促進し、伝染病による死亡率の削減が高まるよう、コミュニティ・リーダーを通じたコミュニティの啓発活動を行います。 啓発活動には、保健員の存在が必要不可欠であるため、各コミュニティの保健員へのトレーニングを行います。 |
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予測される成果 |
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必要資金 |
US$331,700 <資金内訳>
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