title
東ティモールは、オーストラリアの北方600キロに位置する島です。国土は1万9,000平方km、長野県とほぼ同じ大きさの国で、約85万人の人々が生活しています。
photo1999年8月の東ティモール独立を問う住民投票で独立賛成派が圧倒的な勝利を納めた後、独立に反対する民兵とそれを支援するインドネシア国軍の破壊と殺戮行為などが行われて、東ティモールは騒乱と無政府状態に陥り、大量の破壊や人権侵害が起きました。多くの子どもや女性を含む約1,000人もの命が失われ、人々の心に残された深い心理的な傷を癒すための支援を必要とされています。騒乱により、実質的にすべての経済活動と基礎社会サービスが停止したために、以前から困難な状況にあった東ティモールの子どもたちは、さらに劣悪な状況に置かれることになりました。
1997年の小学校への純就学率は男女それぞれ84%と81%と報告されています。学校では、教材や設備、有資格の教員が不足しており、教育は建前上無償となっていますが、本や筆記用具、制服、通学のために家庭内での出費が嵩みます。
photoこれらの問題に加え、子どもたちの栄養や健康状態が悪いために学習が妨げられ、結果的に不登校になったり、学校から「退学」させられたりする事が多いようです。1995年に小学校あるいはそれ以上のレベルの学校を卒業した15〜19歳児の割合は半数に達しませんでした。現在は中退率、落第率が高く、46%の子供が一度も学校に通った経験がありません。小学校を修了する割合の低さに加え、多くの公務員が国外に避難したことにより、東ティモールは現在、熟練した人材が慢性的に不足しています。
東ティモールの乳児の死亡率は出生1,000人当たり85人と高率で、妊婦の栄養不足、熟練した助産婦の不足、特に農村部の医療機関で職員や設備が整っていないことが原因とされています。妊産婦死亡率も出産10万回当たり830人と非常に高率で、これを上回るのはアフリカの4カ国だけです。
5歳未満の子供の45%が低体重児で、ビタミンAや鉄分などの微量栄養素が欠乏しています。
また、農村部では住民の20%しか安全な水を入手できず、10%しか清潔なトイレを使用できません。


ティモール地図
東ティモール基礎データ(2001年)
総人口 750,000人
年間出生数 20,000人
平均余命 49歳(日本は81歳)
5歳未満児年間死亡数 2,000人
5歳未満児年間死亡率 124/1,000人
乳児死亡率(1歳未満) 85/1,000人
(2003年「世界子供白書」)
BACK
コピー禁止 フジテレビホームページに掲載されている写真はすべて著作権管理ソフトで保護され、掲載期限を過ぎたものについては削除されます。 無断で転載、加工などを行うと、著作権に基づく処罰の対象になる場合もあります。
『フジテレビホームページをご利用される方へ』のページもお読み下さい。
copyright