フィナーレはこの時季にふさわしく『きよしこの夜』。ステージと客席が一体となった。アンコールを含め全15曲。耳に馴染んだ曲に新たな感動・発見もあった密度の濃い2時間半はあっと言う間だった。
「世界のこどもたちの笑顔のために」。今年度のFNSチャリティコンサートは12月17日(水)19:00から東京・墨田区の「すみだトリフォニー」で開催された。あいにくの肌寒く小雨の交じりの天気の中、会場にいらした1500人を超えるお客さまの年齢層は実に幅広く、下は生まれて間もない乳児から、上は80近いご夫婦、それに制服姿の中・高生の姿もあり、このコンサートを象徴しているようだった。
今回実現したシンガー・ソングライターのイルカと新日本フィルハーモニー交響楽団(新日本フィル)の初のコラボレーションの相乗効果はかなりのものだった。
「オーケストラのサウンドに足元から包みこまれ、すごい迫力でした。いつもと全く違う雰囲気の中で歌えました。新たな発見ですね」
『なごり雪』『真冬の天使』『いつか見る虹〜モルダウ〜』などの珠玉のナンバーを、新日本フィルをバックに披露してくれたイルカはやや興奮気味に語った。
これまでにもフォークや演歌系の歌手のバックでオーケストラを振った経験を持つ指揮者の梅田俊明も、
「思った以上に素晴らしい仕上がりでした。青春時代に口ずさんだ曲を、イルカさんご本人とご一緒できて感激です」
そして、コンサートマスターの崔文洙は満面の笑顔で、
「ぜひまたやりましょう。声をかけてください」
フォークとフルオーケストラのコラボレーションは、ステージ上のアーティストたちにもいつもと違う感動をもたらしたようだ。
また新日本フィルが披露してくれたクラシックの名曲の数々も、演奏の合間にマエストロの梅田が曲の特徴などを分かりやすく解説してくれて、普段のクラシックコンサートとは一味違う解けこみやすい雰囲気になった。
進行役を務めたフジテレビの佐々木恭子アナウンサーはコンサート当日が誕生日。イルカからはアカペラで新日本フィルからは演奏で『ハッピー・バースデイ』をプレゼントされ思わず涙ぐむハプニング演出などもあった。
あっと言う間に過ぎた2時間半の至福の時。FNSチャリティキャンペーン事務局長・田中亮介は、
「お出でいただいた多くの方と出演者の方の全てにお礼を申し上げたいと思います。そう遠くないうちに、また違う形のコンサートをお届けすべく企画中ですので、楽しみにお待ちください」
と語る。
果たして次回のFNSチャリティコンサートはどのようなものになるのか。お楽しみに!!
今回のFNSチャリティコンサートに出演していただいたイルカさん、指揮者の梅田俊明さん、新日本フィルハーモニー交響楽団の皆さまにこの場を借りて心より感謝いたします。
そして、「デュオ ジャパン」「すみだトリフォニー」、FNS各局の関係者をはじめコンサートの企画制作・運営にご協力いただいた多くの皆さまにもお礼を申し上げます。