STORY

人に尽くすことを生き甲斐として生きてきた女子大生、三枝美芳。ある日自由奔放な姉が蒸発したことをきっかけに大学中退も視野に入るほど崖っぷちに!そんな時とことん優しい大学生の先輩・爽&生意気男子高校生・隼斗の小野塚兄弟に出会い、家事代行屋として彼らの家で働くことになる。

ひょんなことから住み込みで働くことになった美芳。優しく思わせぶりな態度を平気でとる鈍感ド天然の爽と、女の子をたぶらかしながら計算で生きる毒舌策士の隼斗。

正反対な二人に振り回され、男女3人の同居生活はドタバタハプニングばかり!

美芳は穏やかで優しい爽に好意を寄せるようになっていくが……爽には幼い頃から片思いしている相手がいた。初めは美芳を毛嫌いしていた隼斗は、次第に人のために行動する美芳を放って置けなくなっていく。実は忘れられない初恋相手が美芳だったことも発覚し、兄への対抗心だった美芳への思いは次第に恋心へと変わっていく。

一途に爽を思う美芳、美芳が隼斗を好きだと勘違いする爽、美芳への思いを抱えながらも素直になれず毒づく隼斗。3人の関係は徐々に歪な三角を描き始める。

爽は“小野塚家の実子でない”ということに誰にも言えないコンプレックスと孤独感を抱えていた。「誰にでも優しく生きていれば、みんなに好きになってもらえる」「一人きりで寂しい思いをせずに済む」その思いから人を甘やかす性格になった爽は、今の自分を好きと言う美芳を「本当の自分はこんなじゃないから」と遠ざける。

一方多忙な親に甘えられなかった寂しさと完璧な兄に対する劣等感から生意気に成長した隼斗だったが、美芳への思いと真剣に向き合うことで、根底にある優しい性格が垣間見えるようになっていく。

爽はずっと隠してきた本心と初めて向き合ってくれた美芳を徐々に大事に思うようになっていくが、隼斗の美芳への思いに気づき身を引こうと決心。家を出ていくことを決める。心が近づく度、離れていってしまう爽に戸惑いながらも「爽君が決めたなら」と受け入れようとする美芳。

『大事な人のために自分の気持ちは我慢する』そんな似たもの同士の二人に隼斗は苛立ちを覚える。このまま放っておけば美芳は自分のものになるかもしれない。でもこんな形で手に入れたって気持ち悪い。今まで自分優先に生きてきた隼斗は初めて、自分の感情ではなく二人の感情を優先することを選び、二人の後押しをして……。