フジテレビジュツの仕事
ナインティナインのシンデレラデート
2020年3月26日(木)22:00~23:34
- 美術プロデューサー
- 三竹 寛典
- アートコーディネーター
- 西嶋 友里
- 大道具
- 大川原 祐也
- アクリル装飾
- 川満 貴志
- 電飾
- 後藤 祐介
- 装飾
- 高祖 朋代
- 生花装飾
- 山寺 由美
- 特殊装飾
- 西村 玲子
デザインのヒミツ

ーこの番組セットのデザインコンセプトは?
西出
タイトルにもあるように「お姫様的な要素を取り入れたい」との要望だったので、最初はお城のエントランスのような華やかで奥行きのある空間にしようと思いました。しかし実際の番組内容は、MCとゲストの計5人が椅子に座ってVTRを観るという形になったので、コンパクトにする必要が出てきました。そこで、セットの幅はそこまで広げない代わりに、奥行きを感じられる空間にしようと考えました。
また、制作からは「お城といっても絢爛豪華というものではなく、自然な華やかさが感じられて少し高級感のある空間にしたい」というリクエストがありました。このイメージを重要なポイントと考え、今回のセットの雰囲気づくりに活かしてデザインしました。

ーデザイナーから番組サイドに提案したアイデアは?
セットを全体的に花で飾ることを提案しました。自然な華やかさを出すにはどうしたらいいかと考えていた時、演出スタッフがセットの色味のイメージを示すために雑誌を見せてくれたんです。その表紙に花が飾ってあって、「これだ!」と思いました。セットに色を入れるのにも、花を飾ることで自然と空間に色が入ります。最初は豪華すぎるのではと言われたシャンデリアも、花でアレンジすることで、「豪華さ」というより「洒落た」雰囲気になると思い、この考えを提案しました。


ー個人的にこだわったポイントは?
セットで使用する色味は、「淡く優しいピンク」を使いたいという指定があったので、特に意識しました。セットの上部に飾ってある布のドレープ幕や、床に敷いてあるピンクカーペット、そして所々に飾る花の色については、発注時に予め資料を作ったり、事前に美術スタッフにサンプルを用意してもらったりして、検討を繰り返すといった作業を行いました。あとは、空間の雰囲気を崩さないようにピンクと合う色を決めて、セット全体の色を決めて行きました。


ー最も苦労した点は?
建物の高さ調整や物の置き位置を決めるのが、今回特に大変でした。実際に椅子に座っている人に対して、上に垂らしてあるドレープ幕がいい高さにあったとしても、カメラの画面に映っていないと意味はないし、じゃあ低い位置に垂らせばいいのかといえばそういうわけでもありません。ドレープの奥にはメインの飾りとも言える「花のシャンデリア」があって、空間の奥行きを感じさせなくてはいけないので、画面の中で全てがちょうどいいバランスの空間を作るために、ドレープの大きさを調整したり、高さの位置を現場で慎重に見て決めたりしました
(2020年6月)

スタジオ平面図