フジテレビジュツの仕事
BACK TO SCHOOL!
2019年10月〜2020年3月
毎週水曜日 22:00~22:54
- 美術プロデューサー
- 三竹 寛典
- アートコーディネーター
- 谷元 沙紀
- 大道具
- 浅見 大
- 大道具操作
- 藤井 雅人
- アクリル装飾
- 鈴木 竜、稲垣 雄二
- 装飾
- 門間 誠
- 電飾
- 荻島 彩実
- メイク
- 山田かつら
デザインのヒミツ


ー最初にディレクターからあったセットデザインの要望は?
杉山
この番組は「芸能人が学生時代にやり残したことを一度だけ学校に戻って体験する」という内容の番組で、ディレクターからは「MC3人が落ち着いた空間でVTRを見て語り合うので、賑わしくない、シンプルな作りのセットにしたい」と言われました。
そこからイメージしたのは学校の「倉庫」。大人になった卒業生が学校を訪れて、かつての思い出に浸るためにこっそり足を踏み入れる、学校裏の倉庫のイメージです。“大人の秘密基地”という感じでしょうか。それをイメージしながら、簡素なセットを目指しました。バラエティーのセットでここまで造形物を省いたものは新鮮ですね。
セット自体の色も非常にシンプル。フローリングに白系の壁です。あとは至る所に置く小物で赤、黄色、青などの色を差していくようにしました。
番組のロゴも私が作りましたが、セット同様、極めてシンプルにしました。“青春”を連想させる青い空の色をベースに、文字はゴシック体の白抜きにしています。


ー置かれている小物も学校関連のものですよね?
はい。絵の具、本、ペンなど学校で使う物をたくさん置いています。中でも目立つところの壁に時計をいくつも掛けているのは、「タイムスリップ」、「学生時代の限られた時間」、「時間軸を超えるストーリー」という意味合いを込めたものです。小物以外では、トーク中の温かい空気感を演出するために、MCの後ろに昔ながらの裸電球を20個ぐらい吊るしています。ゲストがタイムスリップするVTRを見ながらMC3人が語らう「くつろぎの空間」もコンセプトの1つなので。

ーそのほかにデザイナー側から提案したものはありますか?
窓の外の色です。ゲストが学校を訪れるVTRを流す前には“朝日”のさわやかな白色系の光を照明で当ててもらって、VTRを見終わった後は“夕焼け”のオレンジ色の光を天窓から差し込ませています。VTRとスタジオセットが連動していると、出演者のテンションも上がってくるんです。


ー苦労した点は?
たくさんの小物の配置です。飾った後でMCの画(え)の映りを見ると、意外と後ろがうるさすぎるな、とか、吊るし電球の位置をもう少し下げた方がいいかな、とか、いろいろとやり直しが出てきます。飾りのあんばいを見る時は、最初は多めに飾って、そこから画を見ながら引き算をしていきます。いまだに毎回、画を見ながらベストな配置の仕方を探っています。



ーこだわったポイントはありますか?
小物でいくつかこだわりのものを置きました。MCの杉原アナの後ろの「タリアセンランプ」、昭和時代の小学校の教室に置かれていた石油ストーブ、川島MCの後ろに置いた黒板アートなどです。

ー視聴者に見てほしいところは?
杉原アナの背景の画変わりでしょうか。デッサン人形のポーズが毎回違っていたり、前の週には置いていなかったシンバルを打つサルの人形があったりと、毎回、小物の置き位置を変えています。私や装飾スタッフの“遊び”なので、毎週の変わり具合を見て一緒に楽しんでいただけると嬉しいですね。
(2020年1月)

