フジテレビジュツの仕事

  • 『バイキングMORE』2020年9月〜

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  • 『バイキング』2019年4月〜2020年9月

  • 『バイキング』2019年4月〜2020年9月

  • 『バイキング』2019年4月〜2020年9月

  • 『バイキング』2019年4月〜2020年9月

    バイキング

    2014年4月〜 
    毎週月~金曜日 11:55~13:45

    • バイキングMORE
    • バイキング

    放送期間 2020/09/28~

    • 美術プロデュース
      古川 重人
    • アートコーディネーター
      (隔週 月曜日担当)石田 博己/徳永 法子、(隔週 火曜日担当)三上 貴子/堀内 信武、(隔週 水曜日担当)太田 菜摘/鈴木 あみ、
      (隔週 木曜日担当)平山 雄大/伊藤 則緒、(隔週 金曜日担当)谷元 沙紀/大村 光之
    • 大道具
      清水 愛
    • アクリル装飾
      髙橋 瞳、桃原 皐月
    • 装飾
      門間 誠

    放送期間 2014/04~2020/09/25

    • 美術プロデューサー
      平井 秀樹
    • アートコーディネーター
      内山 高太郎、三上 貴子、鈴木 あみ、平山 雄大、谷元 沙紀
    • 大道具
      浅見 大
    • 大道具操作
      瀬名波 康之
    • アクリル装飾
      鈴木 竜、高橋瞳
    • 装飾
      門間 誠
    • 電飾
      伊藤 伸朗
    • 植木装飾
      後藤 健
    • 幕・造形
      西村 怜子
    • マルチ
      野崎 裕康
    • メイク
      山田かつら

    ビジュツのヒミツ①

    キーカラーとデザインで統一感

    「生ホンネトークバラエティ」としてすっかり定着した
    『バイキング』。
    毎日の番組なので、美術セットは“見飽きられても”マズイですが、インパクト重視で“落ち着かない”のもいけません。

    地味じゃないけどある程度の統一感を保つために、
    この番組にもキーとなる色とデザインがあります。

    まずは色。青・白・赤のトリコロールを少しズラした3色に、
    「木目調」の茶色を加えた4つの色で
    美術セットのほぼ8割がまとめられているんです。

    フランス国旗は「自由・平等・博愛」を表すと言われますが、
    それをちょっとズラシた3色に、どんな意味合いがあるのかは
    皆さんそれぞれで感じていただきます。

    そして、キーとなるデザインはストライプ。
    お気づきの人も多いと思いますが、セットの各所で
    使われています。

    出演者の頭上のパネルもストライプ。
    テーブルももちろんストライプ。

    装飾アイテムも、さりげなくストライプデザインを
    主張しています。少しズラした色の引き出しのデザインも様々。
    雑然としているように見えて、実はウラでは統一感を意識して
    おります。

    今回のリニューアルでは、デニムの手触り感、木目の凹凸
    などなど、それぞれの色に“質感”という演出が加わりました。
    さらに、ストライプの解釈を広げた組木細工やパッチワーク
    デザインも。

    椅子もデニムの端切れを組み合わせてこんなカンジに。
    詳しくは
    「デザイナーインタビュー」にあるので是非ご覧ください。

    2019年4月

    ビジュツのヒミツ②

    情報探しの冒険へ!装飾とキャラ

    世界中の話題、あらゆるジャンルの情報をキャッチ。
    ホンネで徹底的に深掘りする番組。
    セットの中の装飾も「世界」を意識しています。

    激論を包み込むセットの背景には、数々の建物オブジェ。
    そういえばモスクワの聖ワシーリー寺院も、カラフルストライプですね。

    装飾スタッフの遊び心が、空間の性格づけに影響します。
    情報探しの冒険はジャングルの中まで?
    色とりどりの鳥たちが出迎えています。

    ジャングルの中に古着のジーンズがしっくり溶け合う
    妙な空間もあります。

    「HIGH NOON TV VIKING!」と描かれた文字の上には、
    波をかき分け、雲を追い抜きながら
    スタジオ全体を覗いているキャラクターの影が。

    もちろん、ヘルメットはキーカラーのストライプデザイン。
    真昼の決闘よろしく、ホンネトーク炸裂のスタジオを
    ニヤッとしながら眺めているんです。

    番組ロゴの中でも、世界中の情報を探す冒険を継続中。
    手に「マイクと望遠鏡」を持った好奇心のシンボルです。

    ちなみにこのキャラクター、まだ正式な名前がないらしいので、
    スタッフはそれぞれ、好き勝手に呼んでいるとか。
    例えば・・・、ま、紹介するのはやめておきます。

    2019年4月

    デザインのヒミツ

    ースタジオセットが今週から新しくなりましたが、変える際のディレクターからの要望は?

    鈴木 賢太

    鈴木

    「今までのセットの基本路線は保ちたい。その上で、毎日の帯番組なので視聴者、出演者にとって飽きの来ない、日々新鮮な印象で見てもらえる、出てもらえるようなセットにしたい」というのが1つでした。加えて、出演者が気持ち良く過ごせるスタジオ――椅子であれば、見た目だけ豪華にするのではなく、手触りや座り心地を大切にしたセットにしたい、という注文でした。

    ーその要望に応えるためのアイデアは?

    これまでのセットにより手を掛けた、“もてなしの空間”に仕上げたいと考えました。細部の質感を際立たせて、さらに洗練された雰囲気の空間にしたいなと。そこから考えた手法として、セットの形はそのままで、インテリアや色のコーディネートを駆使して、新たな仕上げを施していくスタイルにチャレンジしました。“お色直し”ですね。

    ーつまり、セットの基本の部分は変えなかったということですか?

    はい、骨格も色味も変えていません。
    あくまでも、コーディネートのスキルでもう一段階グレードアップさせた形です。

    before/after

    ー「質感を際立たせた」デザインとは、具体的には?

    たとえば、床や壁に使っていた白い塗料や白大理石の部分は、全て白い木目に替えました。色を変えずに質感を強めて、木が醸し出す温かい空気感を作っています。逆に、鮮やかな木目柄を使っていた所は、組み木模様や同系色の幾何学模様に変えて、同じ「木(モク)」でもより手の込んだ、職人が仕上げた印象を強めました。
    床は、白い面にピンクとブルーの直線が入ったデザインだったのを、同じ3色を使った、錯覚して見える立方体柄に変えました。「毎日見ても飽きの来ないものに」というディレクターの意向を考慮して、トリックアートで深みを持たせています。

    ひな壇の後ろの白・ピンク・青の柱も3色別々のやり方で質感を上げています。白は床の柄とリンクさせてモノトーンの立方体柄にして、ピンクは柄のエンボス(浮き彫り加工)だけを金色に塗っています。青は古着のジーンズのパッチワークを取り入れました。スタッフがはいていたものもたくさん使ってます。文字通り“スタッフの汗”が染み込んだセットなんです(笑)。

    before

    after

    ー小道具や装飾の“お色直し”はどのように?

    ひな壇のゲストが座っていた椅子は、以前はサイドテーブルと一体型のものだったのですが、今はアーム付きでおしゃれなデザインの椅子と、一人一人に小さめのサイドテーブルを置いて“おもてなし感”を出しています。
    モニター奥のソファーも、子ども用の小さなものから大人用のゆったりサイズのものに置き換えました。番組がここまで成長してきた、という意味を込めて。

    before/after

    before/after

    それと吊りブラ(ケット)。以前は1つの型の既製品を色とりどりに塗ったものでしたが、今のセットではさまざまな種類を集めています。東南アジアのランタン風、北欧っぽい雰囲気のもの、傘が伸び縮みするユニークタイプ、ヴィンテージ感のあるエジソンバルブ……どんな人にもお気に入りが見つかる、多様性の世界を表現したものです。

    before

    after

    随所に散りばめた植栽も、これまで以上に緑を濃くして量も増やして、“生命力の強い緑”を印象づけることで、セット全体にパワーアップ感を持たせました。

    ー通常の番組セットのリニューアルではあまり見られないスタイルですが、このような手法を選んだ理由は?

    「番組セットを扱う」と言うと、大きなものを一から作る、大掛かりな作業をイメージする人がほとんどだと思います。でも今回のセット作りは言わば、一般家庭の模様替えのスケールアップ版、です。テレビ屋がいつも大仰なことをしているわけではなく、こんな風にインテリアコーディネートの手法からセットを作り上げるスタイルもあり、という例を作ってみたかったんです。
    テレビ作りにルールはありません。作り方は無限大です。いろいろな角度から、多くの人に、テレビのセットデザインに興味をもってもらいたいですね。

    (2019年3月)