番組紹介

 湖面を優雅に滑る白鳥=スワン。

 「白鳥の湖」の旋律のように、なんとも美しい動きである。しかし、その白鳥、目に見えない水面下では水カキつきの足をバタつかせ、みっともないほど必死にもがいているのだ。

 さて、人間様の社会。惑うことがなくなるといわれる40歳を迎えた男。それなりの地位も与えられ、それなりの稼ぎもあり、それなりに大人になった男。子供や学生からはもちろん、20代や30代のヒヨッコどもから見たら、ちょっと格好いい。家族を養い、部下たちの面倒を見、人生に余裕すら感じられる。

 しかし、そんなおじさん、目に見えない水面下ではみっともないほどもがいている。給料は妻に持っていかれ、人には言えないくらいの少ない小遣いで生きている。実際の統計では、20代の小遣いは5万円、30代は4万円、40代は3万円だという。下手したら、部下どころか、バイトしている学生たちよりもお金がないかもしれないのに部下たちからは、ごちそうしてもらえるものだと思われている。だけど、そんな不条理な格差への不満はみじんも見せない。大人として、男としてのプライドで、格好良く見せなくてはいけないのだ。だから人は陰でささやく。「スワンの馬鹿」・・・と。

 このドラマは、そんな格差の悲哀を共有する大人の男3人が、サラリーマンとしての日常にもがき、勝ち組のIT関連会社若手エリートとぶつかり合い、そしてマドンナとの恋を夢見て必死で努力しているさまを描きつつも、最終的には家族の大切さや素晴らしさを再認識していくというハートウォーミング・ラブコメディーです。

 この世知辛い世の中、金で恋も幸せも手に入るかもしれないが、もしかしたら金がなくても心の優しさで恋もできるのではないか……とばかり、“小遣い3万円”でも必死に夢見る男たちのつかの間のプラトニック・ラブ。そんな姿に、「バカだなぁ…」と笑いつつ、「でもわかるよね~」「頑張ってんじゃん!」と共感し感動するポイントが満載です。
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楽曲紹介

■主題歌
 「夢を誓った木の下で」
  ハラフウミ(原由子×風味堂)
 (Taishita Label & Speedstar / Speedstar Records)