内容紹介
第11回「自由」 1999年12月21日 OA

 木島(湯江健幸)と上原(なすび)の二刑事が撃ち合いで死んだ事件に絡み、則子(飯島直子)は、逮捕された。しかし、恋人の真山(細川茂樹)を通じて、木島や課長(平泉成)らによる警察不正の証拠書類が、雅子(田中美佐子)に渡って公開され、則子は自由の身になった。が、則子は、報復人事として、交通課の勤務を言い渡された。怒りの収まらない雅子は、さらに不正を暴くと警察幹部を脅し、佐竹(柄本明)を殺人罪での指名手配に持ち込んだ。
 雅子に、田舎に移った弥生(原沙知絵)から電話が入った。「何か生まれ変わったみたい。雅子さんのおかげよ、有り難う。ここは天国みたい」と元気な様子を見せる。しかし、弥生の後ろの鴨居には首を吊るための縄が掛けられていた・・。
 また、ヨシエ(渡辺えり子)は、キヨ(冨士真奈美)を老人ホームへ入れようとしたが、キヨに「ホームに入るくらいなら死ぬ」と頑なに拒まれ、マッチを渡し、「死ぬなら死ね」と言い放つ。
 そんなころ雅子は、則子と遊園地へ行く。則子は雅子の思いを探ろうとするが、明るく振る舞う。が、観覧車から下を見ると、佐竹がいる。則子に気付かれないように平静を装う雅子だった。
 弁当工場に行った雅子は、カズオ(伊藤英明)に何の説明もせず、金の入った封筒を渡す。さらにヨシエと話し始めた時、ヨシエの家が火事だと連絡が入る。しかし、ヨシエは「とうとう、ばあさんを殺しちまったよ」と諦めきった表情である。そんなヨシエに雅子は、別れを告げる。「この数ヶ月は忘れられないよ。地獄で会おうね」と去るヨシエ。
 則子のマンションに伸樹(石川伸一郎)が現れた。「おふくろをを助けてくれ」と言って、バラバラ事件の全容を話し始めた。
 雅子が弁当工場から出ようとすると、ヨシエが呼ぶ声がする。声の方に近づくと、いきなり佐竹に襲われ、クロロホルムで気を失ってしまった。佐竹が運転する邦子の車に押し込まれる雅子。そばに置かれたラジカセからは、ヨシエが雅子を呼ぶ録音が流れるのだった。邦子の車が走り去るのをカズオは怪訝な顔で見ていた。駐車場にやって来た則子はラジカセを見つけ、慌てた。雅子が事件に巻き込まれた危険性がある。伸樹に雅子の留守を確認した則子は、署に緊急配備をかける。また、カズオも、雅子の様子がおかしいため、もらった封筒を確認すると大金が入っている。あの車は、雅子の安否と関係していると確信したカズオは、包丁を手に車の走り去った方向へ駆け出していく。
 雅子は、工場の廃屋に寝かされていた。傍らの佐竹は「俺の目的はお前を殺すことだ」と言いながら、ネクタイを外し雅子ににじり寄る。「さあ、ゲス野郎と言え」。雅子は従う振りをして、十文字から貰ったスタンガンを佐竹の首筋に当てる。吹き飛ぶ佐竹。しかし、佐竹は逃げる雅子からスタンガンを奪い、こう言った。「もっと抵抗しろ。俺と同じにお前は壊れている」。雅子は「私は普通よ。普通だから、自分たちを救いたいからやったのよ。あんたとは違う」と言い返し、まったく抵抗しない。
 鼻白んだ佐竹は「おもしろい話をしてやる」と切り出した。「良樹は録音テープの後も生きていたんだ。雅子、助けられなかった。済まないと、言い残した。お前の亭主は、お前を愛していたんだ。くだらん」。そう聞いた途端、雅子は、鉄パイプを掴み、佐竹に殴り掛かった。しかし、反撃もそれまで。佐竹は鉄パイプも奪い、雅子にのしかかる。ネクタイで首を締め上げる佐竹。が、その時、カズオが飛び込んできた・・。
 
出 演 者
 
香取雅子田中美佐子
 
井口則子飯島直子
 
吾妻ヨシエ渡辺えり子
山本弥生原沙知絵
 
真山努細川茂樹
宮森カズオ伊藤英明
 
香取伸樹石川伸一郎
吾妻美紀岡本綾
山本貴志泉澤祐希
 
吾妻キヨ冨士眞奈美
 
木島刑事湯江健幸
 
柳沢課長平泉成
署長菅田俊
 
高野刑事高橋正宇
藤崎ヒロシ林光樹
 
香取良樹段田安則
 
佐竹光義柄本明
 
ス タ ッ フ
 
原 作桐野夏生「OUT」(講談社刊)
 
脚 本前川洋一
 
演 出星田良子
 
プロデューサー川上一夫
石坂理江子
 
主 題 歌福山雅治「HEAVEN」
(BMGファンハウス)
 
挿 入 歌松田聖子「哀しみのボート」
(マーキュリー・ミュージックエンタテインメント)
 
音 楽溝口肇
 
制 作フジテレビ 共同テレビ
戻る

著作権について