内容紹介
第9回「崩壊」 1999年12月7日 OA

 邦子(高田聖子)の死体を「解体」し、送り出したばかりの香取家の浴室に、雅子(田中美佐子)、良樹(段田安則)、伸樹(石川伸一郎)、それに雅子の身を案じてやって来た則子(飯島直子)が揃ってしまった。「あの荷物は何だ」と迫る良樹。「邦子さんが失踪した。あなたの身も危ない。話して」と説得する則子。その時、雅子に電話が入る。佐竹である。「仕事は終わったか。次は、師匠か、お前か・・・」。青ざめる雅子は「家族なら信じて」とその場を切り抜ける。雅子は、十文字(哀川翔)に「なぜ伸樹があなたのことを知っているのか」と問い質す。何と、あの「邦子の死体」を運んだのが伸樹であると知り、運命を呪う雅子だった。
 則子が武蔵大和署に戻ると、担当を窃盗事件に変えられていた。「被害妄想じゃないの」とからかう上原(なすび)や木島(湯江健幸)に、「私は暴走します。これは信念です」と捨てセリフを残し、則子は独自捜査に向かった。
 雅子がパート先の弁当工場に着くと、駐車場に邦子の車が止まっている。逃げるように工場へ向かうと、警備員室の前に不気味な雰囲気の佐藤の名を借りた警備員の佐竹がいる。じりじりと雅子に近づく佐竹。その時、カズオ(伊藤英明)がエスコートに現れた。雅子はほっとして工場に入った。
 ヨシエ(渡辺えり子)は、「みんな邦子に見える」と怯え、車の話をしても恐怖に震えている。作業中、雅子は、佐竹の電話の声と、警備員・佐藤の声を比べていた。似ている。別の警備員に「佐藤」の住所を尋ねると、邦子の住んでいたマンションと同じである。雅子は佐藤と佐竹は同一人物であると確信した。そのことをヨシエに告げ、逃げた方がいいとすすめる。その足で弥生(原沙知絵)の家へ向かう。
 そのころ、弥生の家に、死んだ夫の友人と偽って、佐竹が上がり込んでいた。佐竹は「旦那さんとは新宿のカジノバーでの知り合いでね。あなたが旦那さんを殺したおかげで潰れましたがね」と正体を明かした上で、弥生の首を絞めた。
 雅子が到着すると弥生が抜け殻のように座り込んでいる。「保険金5000万円をすべて取られてしまった」と放心している。
 則子は佐竹の店のホステスだった安娜(小田エリカ)に協力を求め、やくざと警察との繋がりを探る。十文字の店にも足を運び、情報を要求する。その直後、雅子を心配する良樹が十文字の店を訪れる。署に戻った則子は、さらに安娜からの電話をもとに元警察官のやくざにあたる。その男は現役時代、木島(湯江健幸)らと共にやくざの曽根に押収品を横流ししていたと証言した。それには上層部も関与していると言う。
 弁当工場に雅子が到着すると、再び佐竹がにじり寄ってくる。身の危険を感じて後ずさりする雅子。その時また、カズオに助けられる。ヨシエはバッグに入れた包丁を見せ、雅子に「やられる前にやっちまおう」と言い出す。しかし、雅子は、佐竹をけん制するために十文字を使うことを思いつく。偽の借金の保証書を作り、佐竹を保証人に仕立て、やくざに脅しをかけさせるのだ。が、この作戦は、佐竹の怒りに油を注ぐ結果となった。
 良樹は家に帰ってきた雅子に「覚悟は出来ている。何でも話してくれ。助けたいんだ」と泣いて懇願する。雅子の気持ちも揺らぐ。が、雅子は決して話そうとしない。ただ良樹は雅子の捨てた「偽借用書」のごみくずを見つてしまった。
 独自捜査を続ける則子が家に帰ってくると、制服がズタズタに切り裂かれていた。木島たちのせいに違いない。悔し涙があふれてくる則子。傷心の則子は、恋人・真山(細川茂樹)の部屋に向かう。ドアを開けたら、女物の靴がある。慌てて出てきた真山の後ろのベッドには何と弥生が寝ている。互いの顔を合わせ愕然とする則子と弥生だった。
 弥生が帰った後、則子は真山を問い詰めた。「彼女、事件のこと言っていなかった」。「君はこんな時まで仕事か・・・」と真山。則子は激昂した。「そうでもしないと、やってられない。惨めでしょう」
 則子は、その足で雅子の家に向かった。ちょうど帰宅した雅子に則子が声をかける。「今なら雅子さんの気持ちが分かる。失望したのね。私、友達としてここへ来ているの」  たまらず、視線を泳がせる雅子。その視線の先に奇妙な荷物があった。凍り付く二人。その荷物は・・・。
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