内容紹介
第7回「包囲網」 1999年11月23日 OA

 主婦たちの犯罪を知ってしまった十文字(哀川翔)に頼まれ、死体解体を引き受けてしまった雅子(田中美佐子)とヨシエ(渡辺えり子)は、鋸を買いに行ったり、つい包丁でものを切る仕草をしてしまう。ヨシエは娘の美紀(岡本綾)に「短大に行っていい」など唐突に語り掛け、美紀に不審がられる。一方、雅子は新聞で、自分たちの身代わりになった形の佐竹(柄本明)が証拠不十分で釈放されたことを知り、ヨシエに注意を促す。
 釈放された佐竹は、歌舞伎町の自分の店に向かっていた。背後には則子(飯島直子)や上原(なすび)ら刑事が尾行している。佐竹はすでに店を処分していた。残っていた店員は、暴力団「豊住会」が近くに賭博店を出すため、目障りで佐竹を陥れたのでは、と語るが、佐竹を見るその目は、殺人の前歴を知ったためか怯えている。その時、テレビのワイドショーが、バラバラ事件の続報を放送した。その画面には、雅子が映っている。怒りで凍り付く佐竹。その足で佐竹は、ホステスの安娜(小田エリカ)のもとへ足を運んだ。「愛してくれないなら私も殺して」と懇願する安娜に金を渡し、佐竹は「別れだ」と言い捨てる。
 外に出てタクシーを拾い乗り込む佐竹の姿を見て、刑事たちは一斉に尾行を始めようとする。則子一人が、様子がおかしいと、残ろうとするが、同僚たちに無理矢理車に乗せられる。その車が過ぎ去るのを待ち、ビルから現れた佐竹は雑踏の中に消えて行った。店員を身代わりに仕組んだのだった。
 その数日後から、雅子や弥生(原沙知絵)の周辺に不審な人々が現れるようになった。家族の様子や行動をチェックしているようだ。パート先の弁当工場の控え室で、弥生に注意を促す雅子だったが、弥生は、支払われた保険金で身ぎれいにするなど自覚がなくなってきていた。
 佐竹に逃げられた武蔵大和署では、捜査体制の立て直しが図られた。相変わらず佐竹を追う方向である。捜査方針に不信感を抱き始めた則子は会議の声も耳に入らない。渡された書類に目を通すわけでなく、早速、単独で佐竹の店で働いていた店員に聴取する。店員は、豊住会に疎まれたのではないか、と供述する。忙しくなると感じた則子は、恋人の真山(細川茂樹)にデート出来ないことを連絡する。
 デートをすっぽかされた真山は不機嫌そうにバーのカウンターに戻るが、横で顔に見覚えのある若い女がはしゃいでいる。その女は弥生であった。真山はふと弥生に声をかけてしまう。
 則子は豊住会の曽我(笹野高史)がやっているパブに向かった。佐竹の店員が話した通り、カジノバーを歌舞伎町に出すと言う。その時、雅子の息子、伸樹(石川伸一郎)が店に現れた。逃げ出す伸樹。則子はすぐに後を追った。
 雅子のもとに十文字がやって来た。解体の死体が一つ出たと言う。ヨシエに因果を含める雅子。その足で弥生の家に行くが、最近親切にしてくれた近所の女が突然姿を消したと言う。雅子は自分たちの周辺に何者かが迫っていることを確信した。雅子の懸念通り、その不審者たちは、佐竹が雇った探偵たちであった。
 十文字が死体を運び入れ、処理代200万円も持って来た。静かに山分けする雅子とヨシエ。「解体」も自然に進む。ダンボールに詰め終わったころ、十文字が死体を回収に来た。車が走り去ったその時、突然、則子が現れた。
 則子は、伸樹について話を始めた。ショックを受ける雅子。と、その時、伸樹が帰宅する。伸樹の胸倉を掴んで何か言おうとするが声にならない。夫、良樹(段田安則)も帰って来た。伸樹が言う。「人のこと言うなよ。自分だって警察に疑われてるじゃないか」。それを聞いた雅子は則子に向かって叫んだ。「汚いよ。もう、家に来ないで」。しかし、則子は悲しげに答える。「私、来るよ。友達だもん」。雅子はそれを聞き、いたたまれず、車で飛び出した。
 弁当工場の近くのどぶ川のほとりまで来ると雅子は車を降りた。そこにカズオ(伊藤英明)が現れた。カズオは、隠し持っていた健司のキーホルダーを返してきた。雅子はそれを受け取ると、どぶ川に捨て、カズオにブラジルの家族のことを聞いた。大家族で楽しそうな生活の様子を聞き、ついあこがれを口にする雅子だった。
 その足でパート先の工場に向かうと新しい警備員が立っている。挨拶して進む雅子を警備員の目が追う。その人物とは・・・。
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