内容紹介
第5回「逮捕」 1999年11月09日 OA

 公園でごみ袋に入ったバラバラ死体が発見された。邦子(高田聖子)が面倒くさがってまとめて捨てた弥生(原沙知絵)の夫・健司の死体である。刑事になったばかりの則子(飯島直子)は同僚の上原(なすび)とともに現場へ向かった。上原の説明では、カラスがつついている人肉に清掃係が気付いたのだという。則子はごみ箱を探すうち、不審なごみ袋を見つけた。中には、またバラバラの死体が・・・。
 警察署にはたくさんのマスコミが詰め掛け、騒然となっている。その中、捜査会議が始まった。則子は本庁のベテラン刑事・衣笠(近藤弐吉)とチームを組むことになった。図々しく横柄な男である。
 そのころ、雅子(田中美佐子)は、邦子が弥生を脅して無理矢理サインさせた保証書を取り返しに、十文字(哀川翔)のサラ金に向かっていた。雅子は以前、信用金庫に務めていた経験から、十文字のやり口は無効であることを知っていた。十文字を厳しく問い詰めるうち十文字が笑い始めた。有能だった10年前の雅子を知っていると言うのだ。「あなたじゃかなわない」と書類を渡す。その時、テレビが「バラバラ死体発見」のニュースを告げた。「発見されたごみ袋は全部で20個。身元の割り出しを・・・」。雅子は邦子の手をつかみサラ金から急いで飛び出した。
 そのニュースは、ヨシエ(渡辺えり子)も、弥生も息を呑んで見つめていた。
 雅子は邦子を問い詰めた。「あんたみたいないい加減な女見たことない。これから私の指示に従いなさい」。しぶしぶ応じる邦子だった。十文字はその姿を階上から怪訝な表情で眺めていた。
 ニュースを見つめていた弥生の家へ、突然、則子が現れた。失踪届が出された家庭の捜索である。則子はバラバラ死体は、指紋も削られ、頭部も見つかっていないとし、掌紋を調べるのだと言う。怯える弥生。則子たちが帰ると、すぐさま、雅子に電話を入れた。「頭はどうしたのよ」。錯乱し泣き喚く弥生。困惑する雅子は思い付きのその場しのぎに「身元が分かると保険が入る。だから、ばれないようにして」と懇願する。弥生は、その言い逃れのような説得に、笑みを浮かべ「頑張る」と泣き止むのだった。
 パート先の弁当工場に集まった雅子、ヨシエ、邦子の3人。「身元が割れても証拠はない。いつも通りに振る舞うように」という雅子の言葉を確認する。が、雅子は、捨てたはずの健司のキーホルダーを日系ブラジル人のパート仲間カズオ(伊藤英明)が持っているのを見つけた。休憩時間にカズオを問い詰める。「返しなさい」「あなたはこれ捨てた」。丁度その時、休憩室のテレビがバラバラ事件のニュースを始める。緊張する3人。カズオは静かにキーホルダーを見つめる。
 翌朝、寒々とした雅子の家庭の朝食が始まる。夫・良樹(段田安則)は、しきりとバラバラ殺人のニュースを気にしている。初出勤だと言うが、雅子は気にも留めない。息子の伸樹(石川紳一郎)はバイトは午後だと言って朝食をとらない。
 そのころ、則子と衣笠は、弥生に事情聴取していた。弥生は健司がギャンブル好きであったことを話す。衣笠は、弥生の反応を見ようと死体の写真を見せる。弥生は泣き伏し、衣笠は「芝居じゃないな」と納得する。
 雅子は買い物に出かけるが、心ここにあらずで、かごいっぱいの食品を詰め込んでしまう。そこを聴取の帰りの則子に見られ呼び止められる。
 弥生の家庭について「夫婦仲はどうだった」「弥生に男はいなかった」としつこく訊ねる則子が、雅子には鬱陶しい。
 夕刻になって良樹が帰宅した。雅子は離婚届を見せる。が、良樹も届を持っていた。「じゃ、俺が出て行くから」「いえ、私が出る」。またも言い争いを始める二人。
 衣笠らの調べで、健司は、不明になった晩、佐竹(柄本明)が経営するカジノでトラブルを起こしたことが分かった。佐竹が捨てたはずの健司のコートを手に入れ、衣笠たちは佐竹を逮捕に出かけた。衣笠らが佐竹に疑いを持ったのは、それだけではなかった。佐竹には、“快楽殺人”の前科があったのだ・・。
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