内容紹介
第4回「発覚」 1999年11月02日 OA

 夫を絞殺し、雅子(田中美佐子)や師匠ことヨシエ(渡辺えり子)らパート仲間にその死体をバラバラにしてもらった弥生(原沙知絵)は、通常の生活を装うため警察に捜索願いを提出に行った。窓口の生活安全課で受け付けたのは、雅子の友人の刑事・則子(飯島直子)であった。うろたえる弥生は、手を震わせ、願い届の記入欄を間違えるなど動揺を隠し切れず、犯罪を見抜かれたのでは、と不安にかられる。家に帰った弥生は、すぐに雅子に電話をかけて公園に呼び出し、「すべて見透かされている気がする。これでよかったのかしら」と泣き言を言う。「大丈夫。ちゃんとごみ袋はトラックが持って行ったんだから。いまさら何を言うの。私や師匠はどうなるの」と叱咤する雅子。しかし、二人が座るベンチの横のごみ箱には、いい加減な邦子(高田聖子)が、大量に捨てた死体入りのごみ袋が、まだそのままになっていたのだった。
 ヨシエの家では、家を捨て駆け落ちした長女・和恵(逸見愛)が息子・一生を連れて突然帰ってきた。夫に捨てられたのだ。「職を探すから金を貸してくれ」と虫のいいことを言う和恵に、つい、なけなしの金を渡してしまうヨシエ。
 そのころ、邦子は、サラ金店長の十文字(哀川翔)に、雅子から借りた返済金で自分の借金を返していた。十文字は「旦那さんに家出されて、今後どうやって金を返すのか。新たに保証人を立てろ」と迫ってくる。邦子は承諾してしまう。
 その足で、邦子は弥生の家へ向かった。「あんたの旦那は細切れよ。嫌な思いして、あんたの尻拭いしたんだから、もっとお金をくれ」と嫌味を並べて脅しつつ交渉。了解させたうえ、さらに保証人の用紙を出し記入させる。
 雅子の家に則子がやってきた。前庭では、夫の良樹(段田安則)が、枯れかけたキンモクセイに薬品をまいている。則子は弥生のことを聞きに来たのだ。「普通、ちゃんと探してくれるのか、と聞くのに、彼女は聞かなかった・・・」と話す則子。絶句する雅子。そこに良樹が顔を出し、則子にお追従を言おうとするが、雅子は「向こうに行って」と追い払う。その殺伐とした様子に則子は「何かあったの」と訊ねるが、雅子は「人の家のことに口を挟まないで」と一喝する。その時、弥生が雅子に電話してくる。
 弥生は「邦子さんがひどいことする」と泣いている。雅子は則子に勘付かれないように電話を切り、則子を冷たく追い払う。則子は前庭のキンモクセイに薬容器を叩き付ける良樹を見てしまい、暗い気持ちで、その場を立ち去るのだった。その時間、雅子の息子・伸樹(石川紳一郎)は、十文字の知人の競馬のノミ屋の取り立てのバイトをすることを決心していた。
 ヨシエのアパートでは騒ぎになっていた。「あの女は家を捨てたのよ。こんな子ども、誰が面倒見るのよ。なぜお姉ちゃんだけお金が貰えるわけ。私も家出すればいいの」。わめき立てる二女の美紀(岡本綾)。その声で一生が起きて泣き出す。寝たきりの姑・キヨ(冨士真奈美)までが、「うるさい」と怒鳴り出す。ヨシエは「うるさきゃ耳ふさげ!どいつもこいつも文句ばっかり」と仁王立ちで怒鳴りあげる。ヨシエの部屋には、こんなすえた空気が漂っていた。
 風俗店を仕切る謎の男・佐竹(柄本明)は、また中国人ホステスの安娜(小田エリカ)が「お兄ちゃん、私、普通の女の子になりたい」と駄々をこね、仕事をしないのにてこずっていた。
 また、雅子たちのパート先のアルバイトで日系ブラジル人のカズオ(伊藤英明)は、雅子がどぶ川に捨てたはずの弥生の夫のキーホルダーを、弄んでいた。
 一方、雅子の不可解な対応に一抹の引っ掛かりを感じる則子は、恋人の真山(細川茂樹)とデートをしていた。真山は指輪を取り出し、突然プロポーズする。困惑しながらも則子はまんざらでもなかった。
 店が終わった佐竹は、ある女の後ろ姿を追い求め街に出る。それを安娜が追う。佐竹は女を絞め殺すイメージを見る。心配な安娜。
 パートを終え、雅子とヨシエは、邦子の団地の部屋を訪ねる。欠勤した邦子の寝込みを襲い、弥生を脅したことを反省させるためだった。「勝手なことをするな」。叱責する雅子。「ごめんなさい、生活費もなくて・・・」。わびる邦子。「互いに命綱を握っているのよ。絶対に乗り切ろう。刑務所に行きたくない」と結束を固める誓いを立てる3人だった。
 真山とベッドインしていた則子の携帯が鳴った。同僚の上原刑事(なすび)である。「人間のバラバラ死体が見つかりました」 ・・。
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