内容紹介
第3回「罪と罰」 1999年10月26日 OA

 雅子(田中美佐子)の家の浴室では、バラバラにされた弥生(原沙知絵)の夫の死体が多くののごみ袋に分けられていた。雅子とヨシエ(渡辺えり子)、邦子(高田聖子)が、“廃棄”の方法を算段していると、玄関のチャイムが鳴る。警察官の友人・則子(飯島直子)が立っていた。あこがれだった刑事就任を報告に来たのだ。
 慌てた雅子は、とにかく外へ出て、近くの喫茶店で話そうと持ち掛ける。雅子は、ヨシエに返り血を拭いてもらい外へ出る。
 喫茶店では、則子が刑事課に配属されたこと、しかし、広報誌の取材を受けることが初仕事だ、など、とうとうとおしゃべりするが、雅子は上の空。則子は、その様子をけげんに思いながらも、署からの呼び出しで、その場を去る。
 雅子が家へ帰ると、邦子が「刑事が友達だなんて聞いてない。まだ、何もやってないから、やめる」と言い出す。「もう遅い・・・」と自分に言い聞かせるように説得する雅子。邦子は「じゃ、お金をちゃんと下さい」と念を押し渋々了承するのだった。
 「一線を超えちゃったね」。ヨシエの言葉をかみしめながら、3人は袋を分配する。血のりのついた浴室や包丁を洗い流しながら、つい涙が出てしまう雅子だった。
 家に帰ったヨシエは、姑のキヨ(冨士真奈美)の嫌味に腹を立て、「あんたなんか、死ねばいいんだよ。バラバラにして、生ゴミで捨ててやる」と罵る。が、我に返り、「今は金がないけど、そのうち引っ越そうか・・・」と、今の生活を呪うように独り言。
 また、弥生は、会社に電話し、夫がいなくなったことを、素知らぬ振りで確認し、さらに雅子に「解体」の様子を聞く。雅子は、平気で食事しながら電話する弥生にあきれながらも、ヨシエや邦子に渡す金の工面を頼む。妙に明るい弥生の様子は、雅子を少し苛立たせる。
 一方、夫殺人のきっかけとなったカード賭博場のオーナー・佐竹(柄本明)は、ホステスの安娜(小田エリカ)が、無断欠勤しているため、彼女のアパートへ出向き、男といる安娜に冷たく「無断欠勤だけはするな」と言い渡す。実は安娜は佐竹を慕っていたのだ。彼女は、すぐに男を追い出してしまう。
 パートの時間になった。3人は各々、ごみを持ち出し、あちこちの集積所に小分けし捨てていく。しかし、邦子だけは違った。まとめて捨てようとして、近所の主婦に見つかってしまった。慌てて取り戻して、公園のごみ箱に無造作に捨てていってしまったのだ。
 パート先の弁当工場に着いた雅子は、死んだ健司のキーホルダーがポケットに入っていることに気付き、近くの小川に投げ捨てる。それを雅子に思いを寄せる日系ブラジル人のカズオ(伊藤英明)がじっと物陰から見詰めていた。
 パート仕事は、またカルビ弁当だった。3人は吐き気をこらえながら作業を続けるのだった。
 翌朝、ごみが回収されていく。だが、公園のごみ箱だけは、そのままである。そのころ、雅子はパートから自宅に戻る。台所では夫・良樹(段田安則)が、死体をさばいた包丁で料理をしようとしている。「やめてよ」。「いつもそうだな」。いさかいが始まる。「会社をリストラになったが、新しい会社を見つけたんだ」。「あ、そう」。情けなくなる良樹。「僕は二人のこんな関係を修復したいんだ」。無視して着替えを始める雅子を後ろから抱きしめようとするが、拒む雅子。「別れようか」。力なく吐き捨てる良樹。息子の伸樹が部屋の外で聞いている。伸樹はそのまま戸外へ飛び出し、悪仲間に「家を出たい」とほのめかす。
 弥生は、雅子に「調子に乗るな」と釘を刺されつつ、警察に捜索願いを提出しに出かけた。そこは則子のいる署である。則子はお茶くみや書類と格闘している最中であった。書類の中に生活安全課のものが混じっており、返しに出かける。その時、弥生が入って来た。仕方なく則子が応対する。書類に記入するうち夜勤パートの弁当工場の名を見て、則子が反応した。「私の友達も働いているの。雅子知りません?」。つばを飲み込む弥生。「失踪はおとといの夜?」。なにか思案する則子の様子に、不安がよぎる弥生だった。
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