内容紹介
第2回「浴室で」 1999年10月19日 OA

 弁当工場のパート仲間である弥生(原沙知絵)から「夫の健司を殺した。どうしていいか分からない」と電話を受けた雅子(田中美佐子)は、車で弥生の家へ向かった。弥生は家の外でネコを探していた。殺すところを見て、逃げだしたのだと言う。玄関に入ると、健司(逸見太郎)の死体が転がっている。
 「ぶちっと切れたの。頭の中で音がした。気がついたら首を絞めていた。いや、死んじゃえと思ったの」とその時のことを説明する弥生。「自首はしたくない。こんな男のために、人生台無しにしたくない。死体を捨てるから車を貸して」とさばさばした表情で雅子に頼む。雅子は自分が自宅で捨てたのと同じ「結婚記念日カード」が落ちているのを見て、夫の良樹(段田安則)とうまくいかない自分と、どこか共感するものを感じ、引き受けてしまう。
 そのころ、まさこの友人の則子(飯島直子)は恋人の真山(細川茂樹)に刑事課異動の話をしていた。真山は結婚の申し入れをするつもりだったのに、当てが外れ、表情を曇らせる。
 また、弥生の夫・健司が通っていた、カードクラブ「パルコ」では、オーナーの佐竹(柄本明)が健司の忘れていったコートを捨てていた。
 一方、雅子たちは、疑われないように、いつも通り弁当工場に向かうことにする。車のトランクに健司の死体を押し込み、雅子はそのまま工場に向かう。幸せそうな弥生はつい表情に表れてしまう。駐車場で車を降りると、雅子は突然後ろから襲われる。トランクの口が開いたままだ。慌てる雅子。暴漢は、仕事仲間の日系ブラジル人カズオ(伊藤英明)だった。適当にあしらいカズオを安心させ、急いでトランクを閉める雅子だった。
 工場では、師匠ことヨシエ(渡辺えり子)や邦子(高田聖子)らがいつものように仕事をしている。が、ヨシエは、雅子と弥生の様子がいつもと違うことに気がついた様子もみえる。浮かれ加減の弥生は、弁当のおかずのカルビを見て「こうなっちゃ、分かんないね」と他人事のように言う。さすがに気分を悪くした雅子は、トイレに飛び込むが、窓の外の生ゴミ置き場を見て、ある計画を思いつく。
 作業が終わり、雅子はヨシエに声をかけた。「弥生が旦那を殺した。私は助けるから、師匠も手伝って」。一度は断るヨシエだったが、「あなただってお姑さんを殺したいと思ったことあるでしょ。私からお金借りてるでしょ」と言われ、ヨシエも反論できない。「どうするの」と聞くヨシエに対して、雅子は「バラバラにして生ゴミに捨てるの」と言い放ち、弥生にはアリバイ工作のため家にいるように指示する。
 家へ帰りついた雅子は、朝食の時、いつになく話し掛けてくる良樹が煩わしい。息子の伸樹と良樹が出ていった後、ヨシエに電話し呼び出す。
 そのころ、邦子の部屋にサラ金の取り立てで十文字(哀川翔)がやって来る。現金のない邦子は一緒に銀行に行くが口座に残金もない。姿を消した内縁の夫に持ち逃げされていたのだ。
 ヨシエがまさこの家へやって来た。しり込みするヨシエ。「運ぶだけ」「服を切るだけ」と説得しながら、雅子は、浴室まで死体を運び込む。解体を嫌がるヨシエに、雅子は「ビジネスで考えよう。弥生からお金をもらおう」と提案する。二人は解体を始めた。
 そこへ、邦子が訪れた。雅子に「金を貸してくれ」と言う。断っても諦めない邦子に根負けし、雅子は浴室に招き入れる。驚く邦子だったが、ヨシエに「あんたも手伝いなさいよ。お金貰えるよ」と言われ、仲間に入ることになる。
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