あらすじ
<第4回> <第5回> <第6回>

<第4回> 「運動会」
 その朝、勝男(江口洋介)は、「相談にのって欲しい!」と突然押しかけてきた真太朗(トータス松本)と健太(二宮和也)によって起こされた。朝一番のトイレは良太(神木隆之介)に先を越され、ただでさえ機嫌の悪い勝男は、珠美(内田有紀)の気持ちをそれとなく聞いて欲しいという真太朗の頼みも、その場にいた珠美にストレートに伝えるなど冷たい対応。「次は自分の番!」とやってきた健太のこともサラリとかわしてしまう。
 だが、ここにもう一人、悩みを抱えしょげる者がいた。良太だ。そして珠美も咲子(いしだあゆみ)もその落ち込みようを心配するほどの悩みというのが・・・近くに迫った運動会にあった。
「康太(辰巳雄大)はリレーの選手だけど、良太は万年ビリらしい・・・」。少し前に聞いていたと雄一郎(いかりや長介)が皆の前で打ち明けるのだった。
 その日、珠美は会社の面接に行って帰る途中、真太朗に会った。今朝のことを詫び、勝手に面接がうまくいかなかったと決め付けて励ます真太朗に、怒りをあらわにする珠美。それでも二人肩を並べ歩いていると・・・「いいか! 短距離は腕の振りと足だ!」突然勝男の声が響いてきた。そばには良太がいる。どうやら運動会に向けての良太の特訓が早速始まったのだ。
「急にやっても無理じゃない?」珠美たちの言葉など、勝男が聞くはずもなく、日々特訓は続けられた。
 そんな様子を見て、健太は「努力したって無理なものは無理」だと冷やか。来る日も来る日も、現場の掃き掃除しかさせてもらえない状況に、健太自身が苛立っていることもあるらしかった。
 そんなある日のことだった。新たな騒動が、村田工務店に持ち上がった。工務店に出入りしている左官屋の田中(酒井敏也)が、街で偶然、咲子と若い男が談笑しているところを目撃。着飾っていつもと違った咲子の様子に、「おかみさんが不倫!?」と判断。勝男、真太朗に耳打ちしたのだ。
 「ああ、ちょっと不細工なばかりに・・・」、雄一郎に同情しきりの勝男たちだったが・・・・・。
 ーいよいよ運動会の日がやってきた。
 天気は最高! だが良太の気持ちは、「・・・またビリで笑われるかな・・・・」と不安一杯で晴れない。だが、そんな良太に健太は言った。「大丈夫だ。お前は一人じゃない。お前が辛いと俺も辛い・・・だから、頑張れ!みんなで応援してる。家族だもんな」。
 そして良太は、勝男たちの声援を背にスタートラインに立った。

<第5回> 「約束」
 その朝、勝男(江口洋介)はアメフトのヘルメットをかぶって真太朗(トータス松本)の枕元に正座した。悩みがあると決まってこの格好をするという勝男は、早朝から真太朗のアパートを訪れ、昨日、康太(辰巳雄大)の担任のエリ子先生(池端絵美子)から「会ってお話ししたいことが」と電話があった。愛の告白かもしれないけど、どう返事をすれば?と深刻そうに打ち明けたのだ。
 真太朗は、咄嗟に「康太のことだろう」と思った。そして、その直感通り、直後に村田工務店を尋ねてきたエリ子先生は、近々授業参観があることを隠しているのでは・・・?と聞き、家族をテーマにした作文を白紙で提出したことや工務店に世話になっていることを友達には「建築事務所にいる」と嘘をついてる康太の様子を勝男に知らせるのだった。
 「誰にメシを食わせてもらってと思ってるんだ!」憤慨する勝男。
 だが、かつて自分も雄一郎(いかりや長介)が参観することを恥ずかしく思い、やってきた父を無視したこともある珠美(内田有紀)は、康太の気持ちもわかるといい、「ガキはガキなりに複雑なんだって」と勝男に康太の気持ちも思い計ってやるよう促した。
 この騒動の中、桃(上戸彩)は一人、中間テストの勉強に追われていた。だが、三日後の数学の試験を控えて勉強は思うようにはかどらない。
 勝男も珠美も、こればかりは・・・と尻込み。だが、そこで家庭教師をかってでた真太朗が、思わぬ能力を発揮、見事に難問を解く様を見た、一同は「一体何者?」と真太朗を見直してしまうのだった。
 一方、兄弟を気にしつつもマイペースな健太(二宮和也)は、雄一郎からもらった初給料を手に、長野にいる母にマフラーを送り、ガールフレンドの麻衣(椎名法子)には、ネックレスを“いろいろありがとうそしてごめん“の意味を込め手渡した。
 それから数日後・・・授業参観日。前日、相変わらず自分を避ける康太に、
「先輩とお前たちの面倒を見ると約束した以上、授業参観には行く!」と言った勝男は、滅多に着ないスーツを着込み、いざ学校へ向かおうとしていた。
 だが、その時、勝男のお得意様の一人である、文子ばあちゃん(原ひさ子)から雨漏りしているとの電話が入ったのだ。
 「代わりに行こう」という真太朗を、「あの家は俺の家だから」と制して、勝男は文子おばあちゃんの家にスーツのまま向かった。降りしきる雨の中、勝男は必死に作業をした。おばあちゃんのため、そして康太の参観の時間に間に合わせるため・・・。
 その頃、康太のクラスでは、生徒たちが書いた『家族』の作文が順番に読み上げられていた。後ろに立つ父母たちのことを噂する生徒たちの中で、落ち着かない様子の康太。
 と、その時だった、激しい足音と共に誰かが教室に駆け込んできたのだ。「うわっ、誰のお父さん?」ざわつき始める生徒の視線の先には、濡れて泥だらけの勝男が立っていた。
「・・・!」。そしてその時丁度、固まって後ろを振り向くことができない康太が作文を読む番が巡ってきたのだった。

<第6回> 「恋の嵐」
 ある日のこと、勝男(江口洋介)は康太(辰巳雄大)の家庭訪問で、担任のエリ子先生(池端絵美子)を迎えていた。だが勝男は、康太の進路のこと生活状況のことなどを熱心に話すエリ子先生の言葉も上の空、なんとかデートの約束を取り付けることに必死で、康太も呆れ顔。
 ところが帰り際、意外なことにエリ子先生の方から「今度の土曜日ゆっくりお話ししたいことがあるので・・・」と申し出てきたのだ。もちろん即座にOKする勝男。これで、恋の成就のあかつきに熱烈なキスを!と密かに競いあっていた健太(二宮和也)に一歩リ〜ドと得意満面。
 一方、健太も雑誌に掲載されているデート必勝法マニュアルなどを熟読し、麻衣(椎名法子)との“公園キス”を画策していた。そんな二人のことを村田工務店の面々はそれぞれのやり方で手助けしてくれる。 
「話に詰まったら占いのことでも話せばいいよ」と勝男に本を差し出す康太。手塚(トータス松本)は、あまり役には立ちそうもない経験談を健太に話してきかせ、咲子(いしだあゆみ)も雄一郎(いかりや長介)とのなれ染めなどをおノロケ半分で打ち明ける。はたして、どれが二人の恋に貢献するのか?? 
 そんな中、雄一郎は、
「手作りのプレゼントは案外効く・・・。母さん口説くとき、これでいろんなものを作った」と健太に使い込んだ古い小刀を渡し、
「お前も職人の端くれなら、これで心意気見せてやれ」と粋なアドバイスをしてやるのだっだ。
 そして日曜日。勝男はエリ子先生との、健太は麻衣との約束の日がきた。勝男は、喫茶店のテーブル越しドギマギしてエリ子先生からの話を待っていた。だがエリ子先生からの話というのは、なんと「来月結婚するので・・・」という酷な報告。ショックで唖然とする勝男・・・。
 同じ頃、健太は公園で麻衣を待っていた。今日は麻衣の誕生日。手にはプレゼントの手製のストラップ。工務店では、珠美や咲子が腕によりをかけた特製ディナーを作り二人のことを待ってくれているのだ。
 健太は、麻衣が来るのを待った。・・・・・・やがて麻衣は公園にやって来て・・・。


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