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〜 第11話 さらば愛する人よ

 新児(豊川悦司)は都築雄一郎ではなかった。
 有季子(藤原紀香)と鷹男(稲垣吾郎)は、ほぼ同時にこの事実にたどり着ついた。でもそれで終りではないのだと鷹男は有季子にいう。そして鷹男のいうことを裏付けるように有季子のもとに梅本管理官(小木茂光)から呼びだしがかかった。都屋スーパーの秘書・若林ちひろ(篠原涼子)の絞殺死体が発見されたのだ。有季子が、都屋をそして都築雄一郎という男のことを調査していたことを知っていた梅本は、今一度捜査に加わるよう命じる。
 有季子は、捜査会議の中心に立ち、魚住新児が都築雄一郎になりかわっていたこと。それを知るきっかけになったのは、経理部長の自殺に雄一郎が絡んでいるらしいという事実を掴んだことだったと報告した。
 「・・・つまり魚住新児は都築を演じることによって若林ちひろを殺害という新たな犯行に至った疑いがあり、期せずして都築雄一郎の殺人容疑をもあぶりだしてしまったのです」。
 さらに有季子は続けた「彼は・・・魚住新児という人生を自ら捨て、都築雄一郎という人生も失いました・・・死ぬ覚悟をしていると思います」。
 「まず第一に魚住の身柄確保だ!魚住を死なせるな」。梅本は勢いよく立ち上がると、大沢(中丸新将)を一瞥しながらこう指示した。
 その直後、有季子のもとを亡くなった経理部長の息子・宮部暁(山下智久)が訪ねてきた。暁は、父の自殺について警察が捜査を開始したことを聞くと、持ってきた一枚のフロッピーを有季子に渡した。父が亡くなる前預かったというそのフロッピーの中には、都屋の裏帳簿と都築雄一郎と会ったとされる記述がしっかりと残されていた。
 一方鷹男は、病院を辞めることになった仁美(床嶋佳子)と会って、新児の行きそうな場所に心当たりはないかと尋ねていた。ちひろが命を落としたことの自責の念に駆られる鷹男には、新児を見つけることこそがちひろへの弔いとでも思っているようだった。しかし仁美は、「私が知っているのはあの人が私や娘には優しかったことだけ」というのだった。
 新児が偽者だったと知り「都屋」内は騒然となり、大沢は狂ったように新児の行方をつき止めようとしていた。そして有季子も・・・。だが依然と知れない新児の行方・・・。
 しかし新児は、以外な場所に現れた。双葉会病院の雄一郎の病室に何はばかることなくやってきたのだ。正面から堂々と・・・。新児を見て雄一郎は、「今までのことはすべて水に流してやろう」とゲームの終焉と自分の勝利を告げた。だが新児は、経理部長の事件が発覚し、雄一郎の逮捕が確実だと話すと、人の人生を生きてみてわかったことがある、「人生はたった一つ、かけがえのないものだ。そのかけがえのないものを奪ってしまった俺は絶対に許されない・・・お前にもいつかわかる」と言い残すと、その場を静かに去っていった。
「都築雄一郎さんですね?」。病室を出た新児を何者かが呼び止め・・・。


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