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〜 第5話 あなたはニセ者!

 ある日、新児(豊川悦司)の運転するタクシーに綾子(余貴美子)が乗り込んで来た。新児は突然のことに驚き、「都屋スーパーへ」と告げられた行き先も「道を知らない・・・」ととぼけようとした。だが「このまま警察に行ってもいいのよ」と綾子の勝ち誇ったようなことばに車を発進させるしかなかった。綾子は、新児の目的、雄一郎との関係を問いただしてきた。
 しかし、これに一切答えようとしない新児に対して、これからはタクシー運転手・魚住新児を捨て自分の指示通りに動いてもらうと言い放つのだった。だが、この時新児は綾子が自分を味方にして、都屋での自分の地位を守ろうとしていることに気付くのだった。
 その頃、鷹男(稲垣吾郎)は、出版社にいた。
『女刑事が、都屋スーパーの社員にセクハラ容疑をきせられ、捜査を中止に追いやられた』そんなスクープを売り込みに来たのだ。有季子(藤原紀香)と男性社員が写った証拠写真を持ち込んで・・・。もちろんそれは、有季子も了解の上のこと。先に火の粉を撒き騒動を起こし、都築雄一郎を炙りだす策略だった。
 鷹男は、刑事として女として有季子がこういった形で世間の注目を浴びることを懸念していた。有季子の決心は鷹男が思う以上に堅いように感じられてもいたのだが・・・。結局鷹男は、この時「セクハラ」のことを切り捨て、都屋のワイン疑惑だけで原稿を書くことを決めた。
 新児は、社長室に綾子を迎えた。ちひろ(篠原涼子)から、元は銀座のホステスで、金のためなら男を利用するような女だと綾子のこと聞かされた新児は、その場で綾子と強引に関係した。綾子は、この時新児が雄一郎(石黒賢)を殺したことを察し、「これで本当に引き返せなくなったわよ・・・」と薄笑いを浮かべ言った。
 その時だった。都屋内部の不正を暴いた原稿を買って欲しいと鷹男が乗り込んできたのだ。狼狽し、金で解決しようとする副社長。だが新児は、「本当の目的は何ですか?」と鷹男と正面から向い会ってみせたのだ。
 「明日まで待つ・・・」。そう言って帰っていった鷹男を見送った後、新児は有無をいわさず、店頭のワインをすべて引上げさせるという手段に打って出た。そして事の正否に関わらず、疑惑の持ち上がった商品を排除し店としての誠意を見せようという新児の策は世間に受け入れられ、危機を救ったのだった。
 「俺たちが動いてることの牽制か・・・?」。有季子は、ネタの出所に不審感を抱く野々村(モロ師岡)の言葉にドキリとした。新児が立ち寄ったという病院にも手掛かりは見つけられない。もちろん瀕死の状態で運び込まれ、身元不明で横たわる男に不審の目を向けてはみたものの、都築雄一郎との接点は考えつくはずもなく・・・。


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