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〜 第4話 名前のないあなた

 新児(豊川悦司)を尾行中、呼び出しを受けた有季子(藤原紀香)は、再び「都屋スーパー」のことを単独捜査していることをとがめられ、上司の大沢(中丸新将)から、「都築勇三の死によって終わった事件だ」と言い渡される。それでも食い下がる有季子。
 そんな一部始終を見ていた先輩刑事の野々村(モロ師岡)は、捜査に芽がありそうかと暗にその頑張りを認めるそぶりを見せるのだった。
 その頃、新児は「都屋スーパー」の支店長たちとも対面。いよいよ社長としての存在を社内にアピールしつつあった。その様子を見た綾子(余貴美子)は、「そろそろうちで一緒に暮らしてはどお?実の母親と同じようにあなたに協力する準備はありますから」と言う。
 だが新児には、警視庁の人間だとわかった有季子が、まだ会社の外で常に自分を見張っていることが気に掛かかっていた。側にいるちひろ(篠原涼子)は、優しく声を掛けてくれたかと思えば、急に突き放す、新児のことを計りかねていた。
 そんな中、ちひろにもう一度会うため、都屋ビルにやってきた鷹男
(稲垣吾郎)は、そこに有季子の姿を見つけた。「たとえ刺し違えても、あいつを落としてやる」と言った言葉は本当だったのだ。
 そこへ新児が姿を現した。雨の中、傘もささずに一人通りを歩き出した新児を有季子は慎重に追った。だが、しばらく行くと新児が有季子の前に立ちはだかった。観念して立ち止まった有季子に新児が尋ねた。 「あなたは、誰なんです?」。
 刑事であること。愛人と嘘をつき騙して自分に近付いてきたことを問いただそうとしたのだ。
 有季子はそれらをすべてを認めた上で返した。
「…父親が亡くなってもその罪が消されるわけではないわ。混ぜ物のワインで儲けたお金を横領。そのために経理部長が死んだこともね」。
 これは、初めて聞くことだった。新児は、自分を追いかけていた理由を知りホッとすると同時に、結局有季子も、都築雄一郎に興味を持っていたことを知り、「都築雄一郎は絶対に掴まりませんよ、誰にも」と冷ややかにいい、静かに立ち去っていった。
 その後、新児は仁美(床嶋佳子)を病院に尋ね、娘の墓参りにはいけそうにないと一万円を手渡し、東京を離れようと思うと告げた。
 突然のことに何かあったのかと心配する仁美。その様子をそっと伺う鷹男。そして新児は、タクシー会社にも退職を願い出たが…。


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