被爆地にたつ孤児収容所~2千人の父、上栗頼登~<Wナイト>
前回の放送日時 2021年8月18日(水) 26:50~27:45

生きるためにはこうして盗るか、人を殺してお金を盗って食べて行くほかはないと僕は考えていた」原爆に家族を奪われた1人の「原爆孤児」が吐き出した思いとは。

放送内容詳細

76年前の原爆により一瞬にして焦土となった広島。その廃墟の中で終戦からわずか2カ月後、26歳の青年・上栗頼登(かみくり よりと)が孤児収容所「広島新生学園」を自費で開設した。施設は原爆孤児や戦災孤児、引き揚げ孤児…戦争で身寄りをなくした子どもたちでいっぱいになった。原動力は自身の被爆体験だった。1945年8月6日。力尽きて倒れた人たちのうめき声、息絶えた母親にしがみついて泣き叫ぶ赤ん坊。上栗は苦しむ人を目の前に何もできなかった後悔の念を生涯にわたって抱き続けることになる。広島新生学園で育った引き揚げ孤児の白石春雄さん(86)が、これまで語ってこなかった自身の生い立ちを教えてくれた。戦時中、日本統治下の台湾で白石さんの両親は4人の子を残してマラリアに倒れた。縁もゆかりもない焼け野原の広島へ兄弟で引き揚げてきて港で立ち尽くしていたところに声をかけてくれたのが上栗だった。誰もがその日暮らすのに困っていた終戦直後。施設の環境は決して良いものとは言えず、苦難の連続だった。かつて焦土にあった施設の知られざる歴史を辿るとともに、多くの子どもたちが戦争に翻弄されたこと、そして現在につながる平和への願いを伝える。
閉じる
もっと見る

出演者

【ナレーション】
小林克也

【朗読】
吉永小百合

スタッフ

【プロデューサー】
黒川陽央

【ディレクター】
深井小百合

【構成】
松石泉

【カメラ】
馬越芳哲

【編集】
高山祐一