あらすじ
<第1回> <第2回> <第3回>

<第1回> 「最悪の出会い」
 東京地検城西支部の検事たちは、刑事部部長 牛丸豊(角野卓造)の指揮で、海王建設と岬代議士(清水省吾)の黒い癒着事件の強制捜査に踏み切った。「午前八時着手」。牛丸の命令に、検事、事務官たちは、報道陣が詰めかける建設会社本社や岬宅での家宅捜索を開始。岬代議士の身柄確保を手際よく進めていった。岬は、雨宮舞子(松たか子)中村美鈴(大塚寧々)に両側をガードされ、車の中に。

 一方海王建設本社では、芝山豊(阿部寛)、末次隆之(小日向文世)、遠藤賢司(八嶋智人)が証拠品を押収していた。  こうした間も、検事、事務官たちの関心は、この度青森から赴任してくる新任検事のこと。どんな奴が来るのだろう・・・。上昇志向の強い舞子は自ら担当事務官に立候補する。

 果たして翌朝、ラフな格好の久利生が登頂してきた。 みずから担当事務官になるとは言ったものの舞子は、久利生の格好に、そのうえ、いわば中卒で、司法試験を取り、検事になった彼の経歴を聞いて唖然とする。

   久利生は下着泥棒を担当。「犯行時間、家でテレビを見ていた。ビデオも撮った」と主張する被疑者。久利生は、犯人が逃走途中に自転車を乗り捨てた現場や、被疑者宅を再検分したり、被害者の女性達を呼んで事情を聞いたり。こんな小さな事件に、執拗に取り組む久利生の行動に牛丸も警察の領分を侵すなと注意をする。舞子は担当を外して欲しいと頼むが、他に久利生の担当をする事務官はいない。他の検事や事務官も久利生公平の行動が理解できない。しかし次席検事の鍋島利光(児玉清)だけは久利生に期待を寄せているようだが・・・。

 そんな折、久利生は、舞子をヨットハーバーに連れていく。岬代議士は、家族とクルーザーで写した写真を基にアリバイを主張していた。その写真を見ていた久利生は、確認の為にヨットハーバーに舞子を連れていったのだった。そして、そのアリバイを主張する写真が、不可解であることに気づく久利生だったが・・。

<第2回> 「帰れないふたり」
 「検事は悪者で、弁護士は人権を守る正義の味方」。東京地検城西支部では、検事の芝山(阿部寛)や美鈴(大塚寧々)、事務官の遠藤(八嶋智人)らが、そんな話をしていた。江上(勝村政信)の部屋から被疑者の女性が泣いて訴えているのが聞こえ、芝山らは、なにかむなしくなるのだった。

 舞子(松たか子)は江上からK1に誘われるが「恋人ではないことを確認しておきたい」と一応、釘を刺すのだった。  舞子が、久利生(木村拓哉)の部屋に入っていくと、久利生は通販で買った腹筋トレーニングマシンで、トレーニング中。そんな姿に舞子は「ン!もう」とウンザリ。

 その久利生の前に連れてこられたのは、すれ違った男性に、いきなり十発も殴られたという高井戸謙介(大柴邦彦)21歳。顔は青あざだらけ。殴ってきた男は、謙介が身をかわしたはずみに、階段を転落、死亡してしまった。傷害致死罪などが想定されるが、謙介は「正当防衛」を主張していた 。

 謙介と一緒にいた二人の友人から聴取した警察の調書は、謙介の主張を裏付けていた。久利生が、謙介の取り調べを始めるとほぼ同時に、謙介の身柄引き取りに、大物弁護士の坂ノ上(神山繁)が牛丸(角野卓造る)を訪ねてきた。坂ノ上は、代議士である謙介の父親の顧問弁護士でもあり、鍋島次席(児玉清)の友人でもあった。牛丸は、恐縮しきりだが、久利生は、謙介の完全黙秘から、何かを感じ、街に飛び出していった。慌てる舞子。牛丸に、「ついて行け」と命じられ、舞子は久利生を追った。

 久利生が本来処理する仕事を回され、それぞれ予定があった芝山や江上、美鈴や遠藤は、渋々と処理し始める。

 久利生は、正当防衛を裏付けた証言をする謙介の友人に会った。さらに、殴った男の務めていた和菓子店にも現れた。黙々調査する久利生。

 日も暮れ「迷惑な奴」と芝山たちは思うが、納得するまで久利生は捜査を止めようとしない。手を大切にする菓子職人が、いきなり人を殴るか?K1選手でもないのに、十発も連続して殴れるか?。久利生の中で疑問が広がる・・・・。

<第3回> 「恋という名の犯罪」
 行きつけのバーで、江上(勝村政信)と舞子(松たか子)が話しているそばで、久利生(木村拓哉)は、テレビを見ていた。すると、店の隅のテーブルで男女が言い争う声。ふと見ると、女性から別れ話を持ち出されたらしい男性が逆上、次第に暴れ出し、近くにあったステーキナイフを手にして女性に切りかかろうとしていた。久利生が男性に飛びかかり、事態を治めた。

 翌日、久利生の前に引き出された加害者の男性・宮川雅史(宮迫博之)はシュンとしておとなしい。「なんであんなことを」という久利生に、料理を作ってくれ、そのうえ「生まれ変わっても一緒になろうね」と その女に言われたと情けなく話す。

 一方被害者の女性・島野紗江子(森口瑤子)は料理研究家として最近注目されていた。久利生には「彼への気持ちがさめたんです」とそっけなく話した。取り調べが終わり、久利生の部屋から出てきた紗江子の美貌やスタイルに事務官の遠藤(八嶋智人)や末次(小日向文世)はうっとり。そのうえ、美鈴(大塚寧々 )が不格好にむいたリンゴを見つけた紗江子が鮮やかにリンゴをむき、「さすが」と感心する。舞子も仕事に打ち込みたいという紗江子を尊敬のまなざしで見る。

 ところが、紗江子の身辺を調べると、結婚詐欺で複数訴えられていた。宮川同様、料理を作ってくれ「生まれ変わっても一緒になろうね」と同じ殺し文句を紗江子は男たちに話していた。

 結婚詐欺は、男女の気持ちが底流にあり、犯意の立証が難しいのが常識。それを理解している久利生は難しい事件の前に消極的。反対に舞子は「リングに上がる前、引き下がるK1選手」ときっぱり。

 久利生は、宮川をたきつけ、詐欺の被害届をださせるのだった。訴状を手に久利生は紗江子のキッチンスタジオに向かうのだった・・・。

戻る

バックナンバー
[第1-3回] [第4-6回] [第7-9回] [第10-11回]