花いくさ~京都祇園伝説の芸妓・岩崎峰子~
2007年11月23日(金)放送終了

放送内容詳細

 昭和29年。京都祇園。4歳の政子(三浦三奈)は、父・徳次(田中健)に連れられ、置屋「岩崎」の門をくぐった。出迎えた女将の春婆(白川由美)は、政子の愛らしさを褒め、跡取りとなる決意をして「岩崎」にやって来てくれたことを喜んだ。
 そして大勢の女衆の中にいた梅千代(名取裕子)を母親代わりとしたのだった。
 わけも分らぬまま放り込まれた見知らぬ世界。戸惑いを隠せない政子。
 するとそこにいる者たちを一瞬のうちに緊張させる人物が姿を現した。芸妓の紗江子(戸田菜穂)である。22歳の紗江子は、「岩崎」一番の売れっ子。しかしその日のお座敷は客が気に入らなかったと、早々に戻ってきたのだという。慌てふためく春婆を気にも止めない。
 そこにいた政子を紹介されても見向きもせず、冷やかな表情を浮かべるのだった。
 翌日から、踊りに習字、三味線と早速政子改め「岩崎峰子」の置屋での修行が始まった。
 しかし4歳の峰子には、まだまだ辛く苦しいことばかり。しかし負けん気の強い峰子は歯をくいしばって、日々の教えに立ち向かうのだった。
 そして6年後。10歳になった峰子(沢木ルカ)は、春婆の教えを守り、あらゆることをテキパキと上手にこなすようになっていた。改めて、「岩崎」に残るか、実家に戻るかという選択を迫られた峰子は、泣きはらした顔ながら春婆と梅千代に「芸妓はんになる」と決意を伝えた。
 舞妓・峰子(井上真央)の誕生を目前に春婆が死去。新たに女将となった梅千代は、店出しをする峰子を涙を浮かべながら励まし送り出した。
 峰子、15歳の春のことだった。
 程なく峰子には、佳枝(邑野みあ)という仲間もできた。そして2人の憧れの存在と言えば、寿々乃家のあや子姐さん(葉月里緒奈)。紗江子と違い、面倒見もよく優しいあや子は自分を慕う2人を、馴染みの客・日本画伯の甘粕漣祥(片岡鶴太郎)の座敷に同行させ、店出ししたばかりの峰子の似顔絵を頼んでくれた。峰子は、その1枚の絵が宝物のようになった。
 その後、峰子の評判は次第に上がっていったが、それに反するように紗江子やよし乃(小沢真珠)ら先輩芸妓からの風当たりは強くなっていった。
 しかしそんな時、峰子は店の廊下で運命的な出会いをする。それは当時映画界のニューフェイスとして注目されていた俳優・高宮誠一郎(仲村トオル)だった。すれ違っただけだが、しょげていた峰子を和ませてくれたかのような高宮のおどけたしぐさに峰子は癒され、同時にそんなスターももてなす祇園という街で舞妓をやっていることに誇りを感じるのだった。
 一方、相変わらずわがままで奔放な紗江子のことを梅千代は一切コントロールすることができず、紗江子は15歳になる息子・弘樹(椿直)を男子禁制の置屋に住まわせ始め、御法度とされる人の客を横取り、その上峰子に手引きをさせて、客と遊びに行ってしまう。客を取られたよし乃は峰子を呼びつけ、紗江子の行方を詰問、ひどいいじめをしたのだ。
 それを知ったあや子は、ついに「岩崎」に乗り込み、紗江子と対峙。その素行をなじり始めると、そんなあや子に対し、芸妓としてストイックに生きすぎて男に縁がないと口汚くののしる紗江子。
 と、次の瞬間、いきなりあや子の平手が紗江子の頬に飛んだ。それから先は、誰も止めることのできない激しい取っ組みあいとなった。梅千代も峰子もただハラハラと、その様子を見守るしかない…。
 そして紗江子は、「あんたが峰子を可愛がるのは勝手や。けどな、この子のしつけまでとやかくいわれる筋合いはない。なんせこの子はな…」と、梅千代の必死の制止も聞かず、自分と峰子の秘密の関係を明かしてしまう…。
 みるみるこわばる峰子の表情…。大きなショックを受ける峰子。しかし同時に、自分は男に溺れたりしない、芸を極めて絶対に祇園一の芸妓になる!と決意を新たにするのだった。
 21歳の秋、峰子は舞妓から芸妓へ生まれ変わった。
そして、高宮誠一郎と再会したのは、廊下ですれ違ったあの日から6年たった頃だった…。
閉じる
もっと見る

出演者

岩崎峰子 … 井上真央

あや子 … 葉月里緒奈

紗江子 … 戸田菜穂

春婆 … 白川由美

よし乃 … 小沢真珠

甘粕連祥 … 片岡鶴太郎

佳枝 … 邑野みあ

初音 … 山村紅葉

徳次 … 田中 健

高宮誠一郎 … 仲村トオル

梅千代 … 名取裕子

スタッフ

■企画
 和田 行
 中村百合子

■原作
 岩崎峰子『芸妓峰子の花いくさ』講談社+α文庫刊

■脚本
 寺田敏雄

■プロデューサー
 鈴木伸太郎

■演出
 星田良子

■制作
 共同テレビ
 フジテレビ