東京駅。ホームに滑り込んでくる新幹線。人待ち顔の学(小泉孝太郎)と町子(西田尚美)の前に、スーツケースを手にしたかえで(中山美穂)が降りてきた。何はともあれ、結婚式の前日、かえでは帰ってきたのだ。
学、町子と共にマンションにたどりついたかえでが部屋のカギを開けようとすると、呼び止める声がした。現れたのは刑事たち(河西健司・甲本雅裕)。訳もわからぬまま車に乗せられ、たどり着いたのは挙式を予定している教会だった。そして、そこでかえでを待っていたのは、婚約者の浜崎(アレキサンダー・マニング)が誘拐されたとの思いがけない知らせ。しかも、なんとりる(酒井若菜)も一緒だという。かえでのかわりに結婚式の打ち合わせに出ていて、かえでと間違われたのだ。
犯人の要求はドルで228万ドル。日本円にして約二億だ。
話を聞いた、浜崎が勤める法律事務所の社長、双葉(鹿内孝)は『逆恨みだ』ともらす。浜崎が担当し、勝訴を勝ち取った裁判での賠償金と、犯人が要求する額が、まるで同じだというのだ。
と、電話が鳴った。かえでは人質を釈放するように犯人を説得するが、これはビジネスなんだと突っぱねられる。そんな緊迫した出来事の中、りるは電話のかえでに「浜崎さんを愛してしまいそう」と突然の告白!それを聞いた学もりるに「好きだー!」と叫び・・・。
犯人の要求は、かえでがひとりで身代金を持ってくること。そしてドル札はひとつのかばんにまとめてあること。そんな大きなかばんは・・・あった!かえでのスーツケースだ。 中に無線が仕込まれ、警察官がかえでのふりをして現場に行くことになった。着々と物事は進行してゆく中、かすかな違和感を覚えるかえで。かえでの胸にはこれまでの旅の中で出会った多くの人との思い出がよみがえる。彼らは皆、自分の幸せを自らの手で切り開いていた、切り開こうとしていた・・・。
事件に巻き込まれた自分の婚約者と友人を、何もしないでただ見守っていることに疑問を感じたかえでは、自ら犯人の前に向ってゆくことを決意する。そして、その朝が来た。
はたして、浜崎とりるは無事救い出されるのか、かえでの運命は・・・。そして、3時間後と迫ったかえでの結婚式は無事行われるのか・・・。