FNSドキュメンタリー大賞
『第10回FNSドキュメンタリー大賞』の各賞決まる!!

大賞はテレビ静岡の『こちら用務員室 〜教育現場の忘れ物』
準大賞はさくらんぼテレビの『炉は眠っていた 〜ゴミ対策 矛盾する二つの国策』

10回を記念して「審査員感動賞」新設!

<2002年1月27日(日)午後4:00〜5:25>
 「FNS各局がそれぞれの視点で切り取った28通りの日本の断面」
 21世紀最初の年の2002年に、節目の10回目を迎えたFNSドキュメンタリー大賞
は、参加全ノミネート作品28本の放送がフジテレビでは今月5日に終了、12日(水)に審査が行われ、大賞(賞金500万円)1作品、準大賞(賞金300万円)1作品、特別賞(賞金200万円)3作品のほか、10回を記念して設けられた「審査員感動賞」3作品が決定した。
 2002年1月25日(金)正午から帝国ホテルで贈賞式が行われる。
 また、大賞作品は2002年1月27日(日)午後4:00〜5:25の『決定!第10回FNSドキュメンタリー大賞(仮)』内で全編放送され、準大賞以下の作品はダイジェストでの放送となる。
 今回の受賞作品は以下の通り。


<大賞> 『こちら用務員室〜教育現場の忘れ物』(制作 テレビ静岡)
番組内容:
 無人の学校に入り、門や校舎のカギを開け、やかんで湯を沸かしゴミを回収する。剪定・ゴミ出し・机の修理…仕事は多種多様で、先生やこどもから依頼があればすぐに飛んで行く。本来、用務員は、「縁の下の力持ち」という存在だ。しかし静岡市立城北小学校の用務員、佐々木健治(ささき・けんじ)さん(54歳)と、杉山敏郎(すぎやま・としろう)さん(50歳)の2人のもとには、不登校気味のこども、転校してきたばかりでクラスになじめないこどもも来る。先生も、無理矢理クラスに帰そうとはせず、気分が落ち着いたら帰ってくればいいと考えている。「用務員室に来れば、本当のこどもの姿が分かる」と話す先生も多い。しかし、行政は財政難から、用務員を削減しつつあるのが現状だ。
 番組では、特に行動が多動な新1年生、不登校気味のこども、転入してきたばかりで友達ができないこどもを中心に、用務員がどう関わり、そして悩む先生をどう助け、ほっとさせていくのかを描く。そして学校には、先生ではない立場でこどもを見守る、第三者が必要な訳、そして、学校の中にも、逃げ場所が必要な訳を伝えていく。

<準大賞> 『炉は眠っていた〜ゴミ対策 矛盾する二つの国策』(制作 さくらんぼテレビ)
番組内容:
 4年前に厚生省(当時)が打出した「ゴミ焼却などで発生する猛毒ダイオキシン類の発生量を、一気に800分の1に減らす」というダイオキシン類の基準の抜本的見直しを受け、山形県内には4基の焼却炉が新設されることになった。旧式の焼却炉では新しい基準をクリアできないからだ。
 新庄市など8市町村で構成している「最上広域市町村圏事務組合」の建設計画に対し地域住民の反対運動が起きた。例によって迷惑施設に対する拒絶反応…と思われたのだが、騒動の裏側にあったのは、住民不在の密室での意思決定、国の方針と地方自治体の実情の乖離など様々な問題だった。中でも重大なのは、2010年までに焼却ゴミの量を15減らすという大目標を掲げたはずの国が、今回は一転してダイオキシン類の対策のために大型炉を作れとの矛盾した通達を発していることだ。これが問題を引き起こさないはずがない。
 相反する国策の狭間で、地方自治体はどう揺れ動いたのか。独自に入手した莫大な量の議事録をもとに、苦悩と混乱を描いた…。

<特別賞>
『電脳村の火星人〜山田村6年目の夏物語〜』(制作 富山テレビ)
『ボクらだって生きている〜小さな生命のS.O.S〜』(制作 テレビ宮崎)
『彼らの休日』(制作 福井テレビ)

<審査員感動賞>
『国際団地』(制作 東海テレビ)
『おじいちゃんがくれた私〜17歳 理絵ちゃんの看護日記〜』(制作 山陰中央テレビ)
『蛍ちゃんが行く!〜軟骨無形成症なんか、ぶっ飛ばせ〜』(制作 仙台放送)


※第10回FNSドキュメンタリー大賞審査員 (順不同、敬称略)
  荻野 祥三  (毎日新聞学芸部)
  深井 道雄  (東京新聞放送芸能部)
  隈元 信一  (朝日新聞学芸部)
  山根 聡   (産経新聞文化部)
  松崎 剛   (読売新聞文化部)
  沖永 利志子 (時事通信文化部)
  三好 典子  (共同通信文化部)

※「特別賞」は、番組としては荒削りで完成度は高くなくても、取材対象へのアプローチや構成・表現方法に独創性があり、制作者の今後に期待・可能性を感じさせる作品が対象。

※「審査員感動賞」は10回を記念して新設されたもので、審査員が「審査」から一歩離れ、純粋に感動させられた作品が対象。

2001年12月14日発行「パブペパNo.01-417」 フジテレビ広報部