だ。大石もまた21歳のときに交通事故にあい下半身麻痺となった。車椅子の生活を送りながら各地で講演を行い絶望から立ち上がる勇気と生きることの大切さを訴えている。大石は子供向けに野口の人生をつづった伝記も出版している。「平和な時代がいつまでも続くとは限らない。こころざしを高く持って生きることが重要だ。そして、その道しるべとなるのが野口だ」大石はそう話す…。
<制作者の思い:福島テレビディレクター 遠藤 衛>
2004年秋、野口英世博士をデザインした新しい千円札が発行されることとなりました。
そして「なぜ今野口なの?」そんな疑問からこの番組の取材が始まりました。
野口博士の人生といえば、「幼い頃に手に大やけどを負ったものの、ひたむきな努力で世界的な医学博士にまでのぼりつめた。しかし最後は自らが研究していた黄熱病にかかりアフリカで死亡した。」こんなストーリーを思い浮かべる人が大半ではないでしょうか?
しかし、野口は研究の過程で南米ペルーに足を運んでおり、驚くことに今も野口の名がついた学校まであることがわかりました。
取材で訪れたペルーで聞かれたのは、予想を越えた野口をたたえる数々の賞賛の声でした。
「野口はペルーの医学界に大きく貢献した」「私も野口の後に続いて医師になりたい」
ペルーの医師、そして子ども達が野口を誇りに思っていることがわかりました。
ペルーの人たちはなぜこうも野口を褒めたたえ、目標にしているのでしょうか?
それは野口の業績というより彼の生きざまに共感しているからにほかならないと思います。
手の障害にも屈せず、世界中を飛び回り真実を追い求めた彼の“探究心”“向上心”こそが
ペルーでの評価につながっているように思います。
一方日本では、野口のキーワードともいえる「努力」や「忍耐」といった精神が薄らいできています。「ひたむきに頑張ることは、かえって格好悪い」そんな風潮さえ広がりつつあります。この番組を見た方が発行された新札を手にした時に、野口の人生をふと振り返り、そこから何かを感じてもらえればと思います。
<番組タイトル> |
第13回FNSドキュメンタリー大賞ノミネート作品 |
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『不屈の魂ふたたび 〜ペルーの野口英世〜』 |
<放送日時> |
2004年9月30日(木)深夜26時40分〜27時35分放送 |
<プロデューサー> |
田村泰生(福島テレビ) |
<ディレクター> |
遠藤 衛(福島テレビ) |
<取材> |
浜中順子(福島テレビ) |
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鈴木宏昭(福島テレビ) |
<語り> |
金井淳郎(福島テレビ) |
<撮影> |
福島テレビ 映像部 |
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下野浩介(アンデス通信社) |
<コーディネーター> |
畠山えり子(株式会社 メディア・スタッフ) |
<MA> |
プロジェクト80 |
<編集> |
長瀬勝喜(福島テレビ) |
<制作著作> |
福島テレビ |
2004年11月1日発行「パブペパNo.04-346」 フジテレビ広報部