2015.10.18

第24回FNSドキュメンタリー大賞ノミネート作品
『私がここに来た理由
“地方創生”の担い手たち』

(制作:福井テレビ)

福井県内で活動する3人の地域おこし協力隊員の姿を追い、
その活躍ぶりや苦悩などを紹介。
中央と地方との思いのずれや、理想と現実とのギャップなどを浮き彫りにする。

<10月23日(金)27時55分~28時50分>


地方創生の切り札?「地域おこし協力隊」

「人口減少時代」。全国の地方自治体は疲弊し、一部の大都市を除いて元気がない。そうした中、去年、元総務相で日本創生会議の増田寛也座長が、2040年には全国の896の地方自治体が消滅する恐れがあると発表したことで、この問題が一気に注目された。
 これを受けて、国は今年、「地方創生元年」をうたい対策に乗り出したが、その切り札となっているのが「地域おこし協力隊」。都会の若者に地方の活性化を担ってもらおうというものだ。協力隊員は最長3年間、地方に住んで、イベントの企画・運営、特産物の開発や販売、農林水産業に携わるなどしている。そして、その後、地域に定住することを期待されている。
 6年前に総務省が始めた事で、安倍総理は協力隊の数を「3倍にする」と意気込んでいるが、果たしてこの方法は地域おこしの対策として有効なのか? 本当に地方のためになっているのだろうか?

地方での実態は…

 番組では、福井県内で活動する3人の協力隊員を取材し、その活躍ぶりや隊員の苦悩する姿を紹介。都会から来た「若い力」が歓迎される時もあれば、気持ちがうまく伝わらず住民とぎくしゃくする場合もある。また、地元からは、当然のように定住することを求められているが、その気持ちがあっても、なかなかそうはいかない「ある理由」があった。
 一方で、そうした制度に頼らず、都会の若者を地域に呼び込むことに成功している自治体もある。福井県若狭町では農業研修施設を整備し、研修後の定住につなげている。過去10年間で卒業生40人のうち22人が町内に定住し就農している。成功の秘訣は二つ。都会から来た若者の「意志」と、若者と地元との「良好な関係」だ。

“地方創生元年”。今後、ますます東京の一極集中が進むことが懸念される中、「地域おこし協力隊」事業における中央と地方との思いのずれ、理想と現実とのギャップなどを浮き彫りにしながら、制度の問題点や本当の地方創生には何が必要なのかを考える。

ディレクター・林大文(福井テレビ報道部)コメント

「“地域おこし協力隊”…聞いたことはある。でも、どんな人が、何をしているのか?それを知る人は少ないのではないでしょうか。東京一極集中が進む中、“地方創生”は待ったなしです。しかし、地域おこし協力隊の事業 が、地方創生のための重要な施策の一つだと聞いて違和感を覚えました。協力隊の若者たちは懸命に頑張っていますが、国は無責任に“金は出すから、あとは頑張って…”と言っているように感じたのです。予算規模こそ違いますが、バブル期に全国の市町村に1億円を交付した“ふるさと創生”事業にどこか似ています。結果が出なければ地方創生という美名のもと行われた“ばらまき”とのそしりは免れないでしょう。国は今後さらに事業を拡大しようとしています。だからこそ、今、実態に目を向ける必要があると思っています」


番組概要

◆番組タイトル

第24回FNSドキュメンタリー大賞ノミネート作品
『私がここに来た理由“地方創生”の担い手たち』
(制作:福井テレビ)

◆放送日時

10月23日(金)27時55分~28時50分

◆スタッフ

プロデューサー
松枝隆一
ディレクター
林大文
アシスタントディレクター
海崎泰宏
取材
北島将志
撮影・編集
阿良直人
制作
福井テレビ
ナレーション
福田布貴子(福井テレビ)

2015年10月16日発行「パブペパNo.15-381」 フジテレビ広報部
※掲載情報は発行時のものです。放送日時や出演者等変更になる場合がありますので当日の番組表でご確認ください。