2014.10.7

第23回FNSドキュメンタリー大賞ノミネート作品
『脱藩、巡礼、負けないチカラ
~たとえば あるご当地アイドルのかたち~』

(制作:高知さんさんテレビ)

高知のご当地アイドル「はちきんガールズ」は10代の女の子4人のグループ。
ユズや米豚など地元の特産品を歌ったユニークな楽曲と、本格的な歌と踊りで、地元を中心に人気を獲得してきた。しかし、彼女たちは2014年春、数多くのアイドルがひしめく東京に本拠地を移し、全国に挑戦することを決めた。アイドル戦国時代に、あえて“脱藩”を決意した背景にはどんな思いがあったのか。決断が招いたメンバーの脱退、ふるさとに一人別れを告げる少女の姿など、彼女たちの挑戦の足跡と青春のワンシーンを描く。

<11月5日(水)26時20分~27時15分>


 AKB48やももクロを筆頭に、数多くのアイドルがしのぎを削り、戦国時代ともいわれる今。“ご当地アイドル”である「はちきんガールズ」が、あえて活動拠点を東京に移すという。地元高知でおいてさえ、だれもが知っているというわけではない「はちきんガールズ」。全員、10代の学生だ。家族と離れ、東京の学校に通わなければならない。この話だけを聞けば、多くの人は「少し無謀では?」「どうしてそんな決断を?」と思うのではないだろうか。

 番組では、彼女たちがライブで見せる華やかなパフォーマンスだけでなく、毎日のレッスンにも密着。プロデューサーとともに即興で振り付けを作っていく様子など、「アイドルの舞台裏」を紹介しながら、「世界に通用するアーティスト」を目指して、“脱藩”を決意した彼女たちの胸の内に迫る。

 さらに、芸能活動以外に「はちきんガールズ」として行っているユニークな活動も取材。彼女たちは、開創1200年を迎える四国霊場88カ所を歩いて巡る「歩き遍路」を続けているのだ。白装束に身を包み、険しい山道を黙々と歩くうら若き乙女たち。来し方行く末に思いを致しながら、静かに自分を見つめる巡礼の旅か、それとも…?

 また、アイドルにとって一番大切な要素とも言えるのが人を引き付ける“個性”。半年にわたる密着取材の中で、カメラは4人それぞれの魅力を捉えていた。

 メンバー最年長で、みんなから頼られるしっかり者のリーダー・伊梨亜には意外な過去が。友達に誘われて、「ただ何となく」始めたはずの歌と踊りを、生涯の仕事として選ぶことに決めたその理由とは?そして、東京で始まる4人の共同生活に向けて、“お姉さん”として、なによりも心がけていることとは?

 人一倍、積極的に練習に取り組み、歌ならだれにも負けないという自負を持つ彩楓には、厳しい試練が待っていた。ある意味、人生を賭けた挑戦として上京する事になった彼女。胸にあふれるのは、愛情を注いでくれた両親に対する感謝の思いだった。

 また、グループのムードメーカーで、“天然おバカキャラ”の妃菜子は、その内に、誰よりも熱い思いを秘めていた。「はちきんガールズ」の一員である事に強いプライドを持ちながらも、東京行きを「不安でたまらない」という彼女。勇気を与えたのは、ある少女と交わした一つの約束だった。

 夜行バスに乗り、たった一人で東京へと旅立つのは、両親共働きで“カギっ子”のあやの。たそがれ時のバスターミナルにたたずむメンバー最年少・中学生の彼女が、故郷高知で最後に口にする飾りのない正直な言葉は、見る人の心をざわつかせる。

 困難に直面し不安にかられながらも、夢を追いかけて地道な努力を重ね続ける彼女たちの姿は、多くの共感を呼ぶだろう。

 また「はちきんガールズ」をゼロから育て上げたのが、メンバーから「幸(サチ)先生」と慕われるプロデューサーの門脇幸さんだ。「はちきんガールズ」と同じように、高知で子役として活動したあと上京し、劇団四季の舞台に立った門脇さん。しかし、志半ばで故郷に戻り芸能スクールを経営することに。「はちきんガールズ」は、その生徒たちの中から選抜されたのだ。女優の道をあきらめ「幸先生」となる事を選んだ門脇さん。東京進出は、彼女にとっても大きな賭けだった。高知でのラストライブで「幸先生」が流す熱い涙の裏には、「はちきんガールズ」の4人に対する、彼女の深い思いがあった。

 あえて厳しい道を歩むことを選び続ける「幸先生」と4人の少女たちの「負けないチカラ」とは一体何なのか?番組ラストで流れる彼女たちの魂の歌声と、決意の言葉を聞いてほしい。また、アイドル好きとして名高い、南海キャンディーズ・山里亮太さんの温もりあふれる語りにも注目だ。

ディレクター・藤林宏行(高知さんさんテレビ報道部)コメント

「この番組は、アイドルのドキュメンタリーだ。でも、“はちきんガールズ”は自分たちのことをアイドルとは呼ばない。鍛錬を重ねた歌や踊りを、アーティストのパフォーマンスとして楽しんでもらえることをめざしているからだ。一方、私にとって番組制作は今回がはじめて。取材は悩むことばかりだった。それでも彼女たちに会うと、理由もなくいい番組ができそうな気がしてくるのだ。いや、理由はあった。いつの間にか、私が彼女たちのファンになっていたのだ。4人に魅せられてしまったファンとして、“はちきん”を少しでも多くの人に知ってもらいたい。振り返れば、その一念に突き動かされた取材期間だった。1ファンとして見ると、この番組が“はちきんガールズ”の魅力を全て伝えているとは到底言えない。それでも、制作者の未熟さを補って余りある魅力が、この4人の少女たちにあることは断言できる。これは、そんなドキュメンタリーだ」


<番組概要>

◆番組タイトル

第23回FNSドキュメンタリー大賞ノミネート作品
『脱藩、巡礼、負けないチカラ
~たとえば あるご当地アイドルのかたち~』
(制作:高知さんさんテレビ)

◆放送日時

11月5日(水)26時20分~27時15分

◆スタッフ

語り
山里亮太(南海キャンディーズ)
プロデューサー
明神康喜
ディレクター・構成
藤林宏行

2014年10月7日発行「パブペパNo.14-414」 フジテレビ広報部
※掲載情報は発行時のものです。放送日時や出演者等変更になる場合がありますので当日の番組表でご確認ください。