2013.9.18

第22回FNSドキュメンタリー大賞ノミネート作品
『届かぬ声
~60年の歳月がもたらしたもの~』
(制作:山陰中央テレビ)

島根県隠岐の島町から北西約157キロに位置する竹島。江戸時代から戦前にかけ多くの日本人が島へ渡り漁をしてきた。しかし、突如として韓国に不法占拠されて約60年。日本人は竹島に近づくことさえできない。その竹島が大きな注目を浴びたのは去年8月。当時の韓国大統領・李明博が竹島に上陸したことだった。国際司法裁判所への単独提訴など問題解決に向けた動きも出たが、その後具体的な進展はなくなった。
こうした中、竹島の地元・隠岐ではあきらめにも似た言葉がこぼれ始めている。日韓外交のはざまで揺れ続けながら、いくら竹島の返還を求める声をあげても、届くことのない叫び。問題が解決されないまま60年の歳月を経た今、これまで続けてきたTSKの取材をもとにこの「竹島問題」をあらためて考える。

<9月30日(月)26時35分~27時30分>


 島根県隠岐の島町から北西約157キロに位置する竹島。江戸時代から戦前にかけ多くの日本人が島へ渡り漁をしてきた。しかし、突如として韓国に不法占拠されて約60年。日本人は竹島に近づくことさえできない。
 2005年3月に島根県が「竹島の日」条例を制定したことがきっかけに、この問題が大きくクローズアップされて以来、TSKは島根県の放送局として竹島問題の取材を積極的に続けている。そして、韓国による不法占拠が続く竹島が、あらためて大きく注目をされたのは去年8月。当時の韓国大統領・李明博が竹島に上陸したことだった。当時の政府は問題解決のため国際司法裁判所への単独提訴を提案したが、結局提訴は行われないまま。一方で、政権交代後の今年2月、島根県主催の「竹島の日」記念式典に初めて政府関係者が出席し、公式な立場で領有権を主張するなど問題解決に向けて前進したかと思えば、「外交的配慮」からかその後具体的な動きはなく、今では以前のような停滞感も漂っている。

 こうした中、竹島の地元・隠岐ではあきらめにも似た言葉がこぼれ始めている。隠岐の島町久見地区の住民で、竹島問題に長年取り組んでいる八幡昭三さんと竹島問題を幅広い世代に伝えるために絵本を製作した杉原由美子さんだ。彼らの先祖は竹島へ渡り漁をしており、過去どのような経緯で先祖が竹島を開拓し、豊かな漁場として利用してきたを後世に伝えようとしている。こうした活動を通じて竹島問題の解決へ声を上げ続けているが、その声が政府へ届くことは未だない。
 この問題が解決されないまま過ぎた60年の歳月がどのような状況を生み出しているのか、そして今後地元の人たちの叫びが国へ届くことはあるのか。
 これまで続けてきたTSKの取材をもとに、この「竹島問題」をあらためて考える。

ディレクター・平井謙太(山陰中央テレビ報道部)コメント

「私は島根県出身ですが、学校教育で竹島について学ぶ機会はなく、竹島問題については深く知りませんでした。しかし竹島問題を取材するにつれて、この問題を取り巻く日韓の温度差、そして国民全体の認知度、理解度不足を感じるようになりました。さらに一刻も早い問題の解決を望む竹島の地元、隠岐の島町久見地区の住民たちの切実な声を直接聞くことで、この問題を広く伝えなければいけないのではないかと考えるようになりました。竹島という難しいテーマですが、約1時間に集約された隠岐の人たちの竹島に対する思いが多くの人に伝わり、この問題について考えてもらうきっかけになれば良いと思います」


<番組概要>

◆番組タイトル

第22回FNSドキュメンタリー大賞ノミネート作品
『届かぬ声 ~60年の歳月がもたらしたもの~』
(制作:山陰中央テレビ)

◆放送日時

9月30日(月)26時35分~27時30分

◆スタッフ

統括
小原千明
プロデューサー
山根収
ディレクター
平井謙太
ナレーション
槇大輔
取材・撮影
山陰中央テレビ報道部
編集
野田貴
音効
金子寛史
MA
小嶋雄介

2013年9月18日発行「パブペパNo.13-370」 フジテレビ広報部
※掲載情報は発行時のものです。放送日時や出演者等変更になる場合がありますので当日の番組表でご確認ください。