2012.9.7
<9月16日(日)26時20分~27時15分>
鹿児島県徳之島は、3つの町が全国の出生率トップ3を独占する「子宝日本一の島」。しかし島のお産を守り続けた産科医は去り、リスクのある妊婦は鹿児島市で出産する。「このままいけば普通のお産も島外になる日がくるかも…」そんな危機感が島民によぎる。しかし、島の助産師・野中涼子さんの表情は4年前とは違っていた。彼女は「いま自分たちにできること」を考え挑戦を続けてきた。結果、海を越え、県域を越え、他の離島やへき地と“南の島の結の精神”で手をつないで走り始めたのだ。
最初の挑戦は、NPOの仲間たちと開いた2009年の「お産シンポジウム」。参加者でありバトンを渡された種子島の医師は、離島やへき地でのあらゆる周産期医療の可能性を探ろうと、2011年、全国の医師や助産師らに声をかけ「フォーラム」へと発展させる。この中で、島根県・隠岐の島の事例に大きなヒントが!また、冬のある日、野中さんの姿は岩手県・遠野市にあった。産科医不在のこの町では、2007年に医療ICTを活用した市立助産院「ねっと・ゆりかご」を設立、徳之島にも導入できないかと考えたからだ…。
KTSが5年をかけ、離島の産科医療の行方を追い続けたドキュメンタリー『南の島の産声を守れ』の第3弾。徳之島や種子島など鹿児島県内の離島が、海を越え、全国の離島やへき地と手をつなぎ奮闘する様子を追いかけた番組だが、実は、今回の制作は、島根県の隠岐の島でBLSOという取り組みとの出会いが弾みをつけてくれた。BLSOとは、言わば「お産の救急講習」。救急救命士や研修医らが、難産の応急処置などを必死に学ぶ姿。隠岐、金沢や群馬から駆け付けた産科医たちの「熱さ」。みんな輝いていた。元々、アメリカで始まった取り組みの基礎編として日本独自に考案されたという。今、その取り組みが鹿児島県の離島にも…。大変な面ばかりがクローズアップされる産科医療だが、立ち向かう人々はいる!!
鹿児島だけでなく、同じ悩みを抱える全国の離島や山間部にエールを贈りたい。
「取材のきっかけは5年前、種子島で唯一の産科医が休診を公表したときでした。“どこで産めばいい?”のどかな島の女性たちの、妊娠の喜びが一転、不安に変わった様子を目の当たりにしたのです。全国一の離島人口を抱える鹿児島県。さらに南の島々の“お産事情”を探っていくと深刻な状況が分かり、地方のテレビ局として取材を続けローカルニュースで特集してきました。そして…。気が付くと、いつしか私たちは島民と一緒にスクラムを組んで走っていたのです。2007年に第1弾のドキュメンタリーを放送以来、今回で第3弾。系列局の協力を得て、島根や岩手の様子も盛り込むこともできました。南の島の“絆=結”のスピリットを、より強力なものに育ててくれた気がします。心から感謝です。ぜひ全国の方々に、他人任せにしないで“自ら旗を振る”各地のたくましい人々の姿をご覧いただきたいと思っています」
第21回FNSドキュメンタリー大賞ノミネート作品
『結(ゆい)・思いは海を越えて
~南の島の産声を守れ 3』
(制作:鹿児島テレビ)
9月16日(日)26時20分~27時15分
2012年9月6日発行「パブペパNo.12-328」 フジテレビ広報部
※掲載情報は発行時のものです。放送日時や出演者等変更になる場合がありますので当日の番組表でご確認ください。