2012.8.16

第21回FNSドキュメンタリー大賞ノミネート作品
『風は吹くのか
~落ちこぼれ芸人と大家族劇団~』

(制作:岡山放送)

仕事でも私生活でも全く“良い風”が吹かないお笑い芸人「やまおか」(岡山出身・芸歴2年)は、香川の田舎町・芸の聖地「こんぴらさん」のお膝元にやってきた。「追い風」を吹かせたい!と神にもすがる思いを胸に。そして家族18人が集まる大衆演劇の劇団との共同生活で彼の意識は少しずつ変わり始めていく。風は勝手に吹いてくれるのではなく、自分で吹かせるのだということに…。一方、座長と若座長はフランス・パリ公演という新たな挑戦をする。そして「やまおか」も大衆演劇の舞台に立つことに。果たして風は吹くのか?

<8月21日(火)26時50分~27時45分>


 不況や就職氷河期に加え、大震災の影響などにより、現代の若者が未来への希望を持てない時代が続いている。去年、この家族劇団をニュース企画として何回か取り上げるうち、家族の皆さんの人柄や、現代日本で失われている深い「家族愛」に感動したことが番組制作のきっかけとなった。そこには親への尊敬や兄弟を思いやる気持ち、核家族化で日本から姿を消しつつある大切なものがあふれていた。そんな大家族とは対峙する独り暮らしの孤独な駆け出しお笑い芸人が、共に暮らし、どう人間として変化して行くのかを取材班は追ってみた。人は人によって変わることができるのか?前向きな生き方をする人たちに接することで、生きる目標を見つけることができるのか?記録してみたかった。

 番組ではそんな若者の象徴として、お笑い芸人「やまおか」(21)にスポットを当てる。芸の聖地“こんぴらさん”のお膝元、香川の三世代大家族劇団での修行を通じ、成長して行く姿に密着した。普段は喫茶店のマスターやサラリーマン、学生などの本業を持つ三世代18人家族で構成されている「南ファミリー劇団」。そんな普通の人たちが毎週日曜日になると、自前の芝居小屋で全く別人のスターに変身する人気劇団である。南ファミリー劇団の演目のテーマは「家族愛」。日本人が忘れかけている人の情けや絆の大切さを込めた演目数は200にのぼる。1981年に香川・まんのう町で旗揚げ、今年結成31周年を迎える。座長は父の跡を継ぐ二代目山口英二朗。一家の大黒柱でもある。これまで2200回を超える公演のうち、1割を超える300回ほどが老人ホームなどのボランティア公演。そこには亡き祖父への祈りと思いがあった…。家族でも芸の妥協は許さない厳しいけいこ。それを目の当たりにして、びびりながらも成長して行く若手芸人。いろんなイベントを通し、次第に家族の一員のようになっていく姿を追った。

 家族との共同生活の中で自信のなかった青年が、笑いや涙、感動、喜びといった人間本来の感情を取り戻していく。ネット社会の中で人と人とのつながりやコミュニケーションが希薄になっている。そんな若者たちへの痛烈なメッセージとして、一歩前へ踏み出し、「人間」と交わることで得られる人の優しさ、絆の大切さを訴える。そして、かつてどこの家庭や町でも見かけられた“慈愛”の風景を目の当たりにすることで、若者だけでなく多くの人に、現代社会や日本が失いかけた何かを感じてもらいたい。

ディレクター 小郷勉コメント(岡山放送四国支社報道部)

「廃れつつある大衆演劇の世界で、旅芸人ではなく芝居小屋を持ち、しかも役者全員が18人大家族というユニークな劇団は、日本でいや世界でただ一つでしょう。そしてここには夫婦ゲンカも兄弟ゲンカもありません。みんな演劇を愛し、家族を愛し、ピュアな“心”あふれる愛が満ちあふれています。家族愛をこれでもかと感じてください!わが岡山が生んだ頼りないが憎めないお笑い芸人の卵・やまおか君と大家族が織りなす涙と笑いのひと春の物語は必見!そして見る人の想像を超えたラストシーンとはいかに??残念人生の彼に果たして"風"は吹くのか?うどん県・香川の県境の中心で愛を叫ぶ珠玉のストーリーをぜひ味わってください」


<番組概要>

◆番組タイトル

第21回FNSドキュメンタリー大賞ノミネート作品
『風は吹くのか
~落ちこぼれ芸人と大家族劇団~』
(制作:岡山放送)

◆放送日時

8月21日(火)26時50分~27時45分

◆スタッフ

プロデューサー
松元範夫
ディレクター・構成
小郷勉
構成
関盛秀
ナレーター
堀靖英
カメラ・編集
十川正訓

2012年8月15日発行「パブペパNo.12-295」 フジテレビ広報部
※掲載情報は発行時のものです。放送日時や出演者等変更になる場合がありますので当日の番組表でご確認ください。