2010.11.26

第19回FNSドキュメンタリー大賞ノミネート作品
こころ視界良好~失明した二人に見える希望~
(制作:山陰中央テレビジョン放送)

島根県松江市に住む岩谷誠さん(35)一家。3人の子宝に恵まれ、仲のいい5人家族だ。夫婦は目が見えない。高校を卒業後突然、視野が狭くなる病気と宣告された誠さんは去年ほとんど目がみえなくなったが、経営する針とマッサージの店の拡充をめざしている。夫と支えあい子育てに励む全盲の妻、両親の手を引き弟や妹の面倒をみる8歳の長女。家族が支えあい前向きに生きている姿は、不況で沈みがちな現代に元気を与えてくれる。岩谷さん一家の10年をカメラが追った。

<2010年11月25日(木)26時55分~27時50分放送>


【不況で見えない明日】

 長引く不況でまだ不安定な地方の経済。山陰もその例にもれない。大型連休中にあった就職セミナーで学生たちからは悲観的な言葉も聞かれる。見えない明日に苦しむ人が世の中には大勢いる。第19回FNSドキュメンタリー大賞ノミネート作品『こころ視界良好~失明した二人に見える希望~』(制作:山陰中央テレビジョン放送)は不況で沈みがちな現代に元気を与えてくれる、目が見えない夫婦の10年を追ったドキュメンタリー。

【幸せいっぱいの家族】

 島根県松江市の公園で幸せそうに遊ぶ家族がいる。岩谷誠さん(35)一家。子供は8歳から0歳まで3人。子育てに奮闘中の夫婦は、目が見えない。誠さんは18歳の時、次第に視野が狭くなる病気と診断され、今はほとんど目が見えなくなった。妻のみどりさんは中枢神経が破壊される難病で18歳の時、全盲になった。2人は盲学校で出会い、そして結婚。その2年後、マッサージ師の誠さんは自分の店をもち、マンションも購入。今は自宅兼店舗の建設を計画している。バイタリティーあふれるその生き方…。ともすれば折れそうになる心を奮い立たせたのは家族の存在だった。

【支えあって生きる】

 結婚して間もなく誕生した長女の涼花ちゃん。2つ下の長男・晃佑くん。そして2009年に生まれた次女・美緒ちゃん。中でも頼りになるのが8歳の涼花ちゃんだ。涼花ちゃんは、物心ついたころからずっと両親の目となり、支えてきた。両親のできないところを助け、弟や妹の面倒もみる。時には仕事の手伝いもする。晃佑君も両親の手を引き、最近は料理の手伝いができるようになった。
 一家を支える誠さん、子育てに奮闘するみどりさん。目の見えない両親を支える子供たち。岩谷さん一家は当たり前のように互いを支えあって生きていた。

【こころ視界良好】

 「自分を追い込んでそれを乗り越えてきた。そのころから比べれば今は楽。マッサージ師は天職。目が悪くならなければこの仕事にも就けなかった」。目が見えないというハンデを抱えながらも明るく前向きな誠さん。「目が見えないからできない」ではなく「目が見えなくてもこれはできる」。誠さんは教えてくれた。考え方を変えてみれば、こころはいつも視界良好なのだと。

奥村亜希ディレクターコメント

 10年前のこと。私は一人の全盲の女性に出会いました。それがみどりさんでした。彼女はいつも笑っていました。みどりさんの笑顔の理由。その答えを求めて取材を始めました。その後、誠さんと結婚。3人の子供が生まれました。誠さんもみどりさんも次々と新しいことを始めます。店のオープン、マンションの購入、そして今度は店舗兼住宅の建築。取材をしていると2人が失明していることをつい忘れてしまうほどです。「字を読んでほしい」などといわれると「そういえば…」と思い出すのです。岩谷さん一家は幸せのオーラに満ちている。それはどうしてなのか…。この番組は10年かけて見つけたひとつの答えです。


<番組概要>

◆番組タイトル

第19回FNSドキュメンタリー大賞ノミネート作品
『こころ視界良好~失明した二人に見える希望~』
(制作:山陰中央テレビジョン放送)

◆放送日時

2010年11月25日(木)26時55分~27時50分

◆スタッフ

ナレーター
津野まさい
構成
関 盛秀
撮影
野田 貴
音響効果
関口政孔
MA
佐渡吉志広
ディレクター
奥村亜希
プロデューサー
澤田 陽

2010年11月24日発行「パブペパNo.10-229」 フジテレビ広報部
※掲載情報は発行時のものです。放送日時や出演者等変更になる場合がありますので当日の番組表でご確認ください。