2010.11.05

第19回FNSドキュメンタリー大賞ノミネート作品
愛はソーテ・サワサワ
(制作:長野放送)

「嫌いな人はいない。」「人を嫌いになることはできない。」「大変なことでも喜びが前にあれば、一生懸命になれる。」と語るのは小林フィデアさん(39歳)。アフリカ、タンザニアから長野県のリンゴ農家に嫁いで14年になる。夫の一成さん(49歳)とは、一成さんが青年海外協力隊員として、タンザニアで活動している時に知り合い結婚した。フィデアさんは一成さんの両親や勤務先の企業に支えられ、大きな夢に向かって、とにかく一生懸命だ。彼女の大きな夢―それは、故国タンザニアの子どもたち、親も家もない子どもたちにビジョンを与えること。将来の夢を持ってもらうことだ。フィデアさんは言う。「ソーテ・サワサワ、人は皆、同じ」「人を助けることは一番の幸せ。今は幸せ。」だと。 小林フィデアさんは、タンザニアの子どもたちのために、今日も元気だ。

<2010年11月10日(月)26時40分~27時35分放送>


 誰の中にも、何ページにも及ぶアルバムがある。生きてきた年数に応じて、体験してきたものに彩られて。第19回FNSドキュメンタリー大賞ノミネート作品『愛はソーテ・サワサワ』(制作:長野放送)はアフリカから日本に嫁いできた一人の女性の生き方を見つめたドキュメンタリー。

 長野県飯綱町には小林フィデアさんという一人の女性がいる。勤務先は地元の食品メーカー。太陽のように明るく輝いている彼女に魅了されて、何人ものお客さんが会いにやってくる。レストランやショップで、彼女との再会を喜ぶ声が響く。アフリカのタンザニアで青年海外協力隊員として赴任していた小林一成さんと彼女が出会い、結婚して、日本にやって来たのは1996年。フィデアさんは日本の豊かさを知るにつれ、祖国タンザニアのマラリヤやエイズなどで親を失った孤児たちの支援を志すようになる。1999年、タンザニアの母親、アメリカ在住の姉と、NGO「ソンゲア女性と子どもたちの支援団体」を立ち上げる。実家は親を亡くした子たちの孤児院となり、そこから学校にも通わせている。フィデアさんは食品メーカーで仕事をしながら、講演会や募金活動を行いタンザニアの子どもたちを支えてきた。ふるさとタンザニアの子どもたちのためにはどんな労も惜しまない。

 クリスチャンの彼女はいつも祈り続けている。そして2010年4月、祈りが12年かけて実を結び、夢の実現に一歩近づいた。フィデアさんと一成さんや友人たち、そして、彼女の勤務先のメンバーで、タンザニア孤児の支援を目的としたNPO法人「ムワンガザ・ファウンデーション」が設立されたのだ。ムワンガザとはスワヒリ語で光という意味。「子どもたちが、希望の光を見失うことなく生きていくことができますように」という願いが込められている。ムワンガザ・ファウンデーション設立後、まず初めに決めたことは現地を見に行くことだった。本当に必要なものは何か。フィデアさんは言う。「目で見たことはその人の中のアルバムの1ページになって、ずっとずっと心からなくならない。」 「生きるうえでは、どんなにつらく悲しい経験も必要なこと。助けられたら今度は誰かを助ける人になれるから。」フィデアさんはそう言って、子どもたちのことを思い、笑顔を見せる。

岩村陽一ディレクターコメント

 小林フィデアさんに初めて会ったのは、11年前、彼女が28歳のときでした。「私、1分あれば誰とでも友だちになれる。」と話す彼女。実際、その通りでした。コミュニケーション能力が抜群の彼女。日本語も短期間で習得。フィデアさんが勤務先のレストラン部門で働いていると、彼女目当てのお客さんが次々と現れます。聞くと、いつも明るいフィデアさんに元気をもらいにきた、とのこと。事実、彼女の周り、職場でも、地域でも、笑い声が絶えません。勤務先の社長もフィデアさんには教えられることが多い、と言います。彼女は、どんな時でも前向き。そして直向き。なぜなんだろう、と思いました。それを支えるものは? そんな彼女の最大の関心事は、ふるさとのタンザニアのこと。貧しく劣悪な環境にある子どもたちのために、住む家を作ってあげたい、それがフィデアさんの願いです。その夢を追いかけたいと思いました。


<番組概要>

◆番組タイトル

第19回FNSドキュメンタリー大賞ノミネート作品
『愛はソーテ・サワサワ』
(制作:長野放送)

◆放送日時

2010年11月10日(水)26時40分~27時35分

◆スタッフ

プロデューサー
南 直敏
ディレクター
岩村陽一
構成
岩村陽一
ナレーター
渡辺えり
撮影
吉川勝義
編集
岩村陽一

2010年11月4日発行「パブペパNo.10-210」 フジテレビ広報部
※掲載情報は発行時のものです。放送日時や出演者等変更になる場合がありますので当日の番組表でご確認ください。