2010.10.20
<2010年10月30日(土)27時5分~28時放送>
米軍・普天間基地移設問題で今年一躍注目を集めた徳之島は、「日本一の子宝の島」。全国の出生率ランキング上位3位を島の3町が独占するほどだ。しかし、お産環境には恵まれていない。離島に赴任してくれる産科医の確保はままならずピンチの連続。病院の産科は休診を繰り返し、島で産める場所は1か所だけ…。第19回ドキュメンタリー大賞ノミネート作品『くゎど島ぬ宝~南の島の産声を守れ2~』(制作:鹿児島テレビ)は島の産声を守ろうと立ち上がった1人の助産師を通し、海を越え、同じ問題を抱える南の島々がつながっていく様子を追いかけたドキュメンタリー。
島外出産の危機といつも隣り合わせの現状に1人の助産師が立ち上がった。野中涼子さん(34)4人の子供の母親だ。「自分に何ができるのか?」勤務先の病院の産科が突然休診になったつらい経験が彼女を突き動かす。日本一の子宝の島を守れ!! 彼女は現状を訴え大きな挑戦を思い立つ。
そんな中、隣の沖永良部島の病院が「分娩休止」の事態。高齢の産科医に頼る「お産」はもう限界という。島の女性たちに降り掛かる突然の「お産難民」の危機。この島もまた「島外出産」になってしまうのか? 幼い子供を抱えた母親たちは「産声を守る会」を結成。女性たちは、海を越え、手をつなぎ訴える「くゎど島ぬ宝、島の産声を守れ!」
去年のKTSドキュメンタリー『それでも私たちは産みたい』の続編。南北600キロに広がる鹿児島県には28の有人離島があり、全国一の離島人口を抱えるが、 23の島で「島外出産」を余儀なくされている。種子島、喜界島、与論島など3年前から離島の出産を取材、今回は、さらに徳之島と沖永良部島の産声の行方を追いかけた。
猛毒のハブがいる島。それに衆院選1人区時代の激しい保徳戦争。選挙賭博…。正直、最初は徳之島についてはあまりいいイメージはありませんでした。だけど! とんでもない!! 私は大好き。とにかく「人が熱い」からです。徳之島の女性たちに会って、さらにファンになりました。男も熱いが女も熱い!! 野中涼子さんとの出会いは、去年のドキュメンタリー取材で各島を巡っていた最中です。私たちが3年半前から取材してきた、種子島の産声を守り続けるキーマンを紹介すると、彼女は4人目の出産を前に大きなおなかを抱え会いに行ったのです。その後「離島のお産を考えるシンポジウムを企画しました」とのメール。彼女の思いを全国の人に伝えたい。離島の出産の問題は、全国の問題の縮図です。「子は宝」と地域で育む島の豊かな精神風土など、忘れかけていた日本人の温かい心に番組を通して触れてもらえれば本望です。
第19回FNSドキュメンタリー大賞ノミネート作品
『くゎど島ぬ宝~南の島の産声を守れ2~』
(制作:鹿児島テレビ)
2010年10月30日(土)27時5分~28時
2010年10月19日発行「パブペパNo.10-195」 フジテレビ広報部
※掲載情報は発行時のものです。放送日時や出演者等変更になる場合がありますので当日の番組表でご確認ください。