2009.11.9

第18回FNSドキュメンタリー大賞ノミネート作品
未来の子どもたちへ
  〜みやざきecoリレー〜

(制作:テレビ宮崎

今回の番組は『UMKスーパーニュース』の中で放送してきたシリーズ 「みやざきecoリレー」の集大成として放送。
番組では宮崎にも忍び寄る自然環境の異変とともに黄色い油田・「菜の花プロジェクト」や「どんぐり1000年の森」など
市民グループの活動を未来へのエコリレーとしてリレー形式で紹介、 その活動を通じて環境ついて考えるとともに、
市民グループの活動の最前線へ「ライフスタイルの見直しを」と各地を飛び回る「エコの種まき人」が出向き、
その活動の大切さを訴えるという構成で番組化しました。

<2009年10月7日(水)深夜2時55分〜3時50分>


 台風の大型化・ゲリラ豪雨、猛暑・干ばつなどの異常気象と自然界の異変、今、地球温暖化の影が忍び寄っている。「未来のこどもたちに素晴らしい環境を」とテレビ宮崎では2008年1月から2009年3月まで 夕方のスーパーニュースで「みやざきecoリレー」を毎月、最終週にマンスリー形式でシリーズで放送、放送回数は49回に及ぶ。今回、1年3カ月にわたる取材活動の集大成として特別番組での放送となった。
 番組では宮崎に忍び寄る温暖化の影、自然・環境の異変と併せて未来の子どもたちのために活動する人たちを未来へのエコリレーとしてリレー形式で紹介、地球にやさしい暮らしをと世界各地を回っている「エコの種まき人」が現地へ出向き、その活動の大切さを訴えるという手法をとった。
 まず、ライフスタイルの見直しを訴えて世界各地を飛び回る 「エコの種まき人」宮崎在住の男性のエコライフを紹介、家族もそのエコライフに協力、地球にやさしい暮らしが求められる中、家庭でもできる身近な節電や節水などを提言。 また未来へのリレー、「豊かな自然を子どもたちに」と活動を続ける市民グループの取り組みにスポットをあてた。エネルギーの地産地消を目指す菜の花プロジェクト「黄色い油田構想」もその一つ。菜の花プロジェクトは春を彩る菜の花に着目、花を楽しんだ後は菜の花から油を採り、使い終わった油は回収して再生処理し、石油に代わるエネルギーとして利用しようというもので、全国に市民グループのネットワークがあり、宮崎でも市民グループが活動を続けてきた。
 エコへの意識の高まり、原油高騰の中で、市民グループの取り組みは行政をも動かし、宮崎では黄色油田の可能性をさぐるため試験栽培のモデル事業がスタートした。テレビ宮崎ではこの黄色油田をテーマに市民グループに密着取材、その活動を追った。この黄色い油田は食糧生産にとどまらず、農業自ら地域のエネルギーを生み出すという、農業の新たな方向をも示していると言える。
 また、番組では黄色い油田とあわせて、小さなドングリに夢を託す市民グループの取り組みも取材。かつてはドングリがなる豊かな自然林が広がっていた宮崎、しかし、いつしか山は杉などの人工林に姿を変え、木材価格の低迷とともに伐採後はそのまま放置される未植栽地が増えている。宮崎でも未植栽地はおよそ2000ヘクタールにも及び、このままでは土砂崩れなどの災害も危惧される。
 緑豊かな山は、清流をはぐくむ「緑のダム」と言われる。宮崎と鹿児島の境に源を発し、ゆったりと宮崎を流れる母なる川「大淀川」。この大淀川上流域で 「緑豊かな水源の森を」と国有林伐採地にどんぐりから育てた苗木を植え始めたのは今から12年前のこと。どんぐり1000年の森づくりである。 テレビ宮崎ではこの壮大な森づくりを取材。市民グループの活動あわせて森の大切さを訴える。
 このドングリの森づくり、毎年1回、春先に市民ボランティアによって植樹活動が行われている。
 これまでに植えた木々は10万本を超え、市民グループの取り組みは着実に根付いている。12年前に最初に植樹をした1号地が今どうなっているか現地も訪ねた。そこに、広がっていた光景は私たちを驚かせた。10数年であの荒れた山肌がこんなに・・  そこには緑豊かな森が・・沢には、山が再生した証しも…自然の再生力のすごさを感じ取った取材となった。
 エネルギーの飽くなき消費、モノがあふれる大量消費の使い捨て社会、便利さを追い求めてきた私たちの暮らしが温暖化を招いたとされる。21世紀のキーワードは「温暖化防止と持続可能な社会」。番組が身の周りの自然・環境の大切さ、これまでの暮らしの足元を見直すきっかけとなればと思う。また地球にやさしい暮らしとは何か? 今こそ行動の時、やれることから、できることから一つでもアクションを起こす人が出てきてくれればと思う。

<制作担当者コメント> ディレクター : 石川有希子

 身近なエコから太陽光などの自然エネルギーまで、今回の番組制作にあたっては何をテーマにどのように伝えていくか、200本を超える取材テープの掘り起こしから始まりました。
 宮崎での自然環境の異変、市民グループの取り組みなど番組で取り上げた関連項目の取材テーは実に150本を超え取捨選択の絞り込みが迫られました。
 番組では未来の子どもたちのために活動する人たちを未来へのエコリレーとしてリレー形式で紹介、その最前線へ「エコの種まき人」が出向き、その大切さを訴えるという手法をとりました。
 特に「黄色い油田」については、菜の花に夢を託して動き回る男性の思い、その活動の原点は何か、その思いをどのように盛り込んでいくか、また黄色い油田を訪ねる「エコの種まき人」とどうつなげていくか、編集段階で練り直しを迫られるなど苦労も多く、今回の番組構成となりました。


<番組概要>

◆番組タイトル

第18回FNSドキュメンタリー大賞ノミネート作品
『未来の子どもたちへ 〜みやざきecoリレー〜』
(制作:テレビ宮崎)

◆放送日時

2009年10月7日(水)深夜2時55分〜3時50分

◆スタッフ

プロデューサー
田中実郎
ディレクター
田中秀典
構成
田中秀典
高橋巨典
ナレーター
高橋巨典
撮影・編集
飯干祐介

2009年11月6日発行「パブペパNo.09-270」 フジテレビ広報部
※掲載情報は発行時のものです。放送日時や出演者等変更になる場合がありますので当日の番組表でご確認ください。