2008.12.3

第17回FNSドキュメンタリー大賞ノミネート作品
『年々歳々花同じうして』
(制作:福井テレビ)

限界集落となった村で30年にわたり花桃を植え続けている81歳の女性の生活を追うドキュメンタリー

<2008年12月6日深夜2時5分〜3時放送>


 2008年12月6日深夜2時5分〜3時放送の『年々歳々花同じうして』(制作:福井テレビ)は、限界集落となった村で、夫と捨て猫と共に静かに暮らしながら、30年にわたり花桃を植え続けている81歳の女性の生活を追い、その言葉に耳を傾ける。

(企画意図)

 全国に7,873ヵ所あるとされる限界集落。今後さらに増えるとされている。山村に生き、30年間にわたり花桃を植え続けている81歳の女性。彼女は、なぜ花桃を植え続けてきたのか、どんな思いを託してきたのか。限界集落となった村で、夫と捨て猫と共に静かに暮らす彼女の生活を追い、その言葉に耳を傾ける。

(番組内容)

 2007年、国土交通省が限界集落の実態を公表した。それによると全国に7,873ヵ所の限界集落が存在し、今後さらに増加するとしている。限界集落とは、住民の過半数が65歳以上の高齢になり、冠婚葬祭や生活道路の保持など集落としての共助がおぼつかなくなった状態をいう。過疎の問題が言われて久しいが、解決策を見いだせないまま少子高齢化社会が到来し、浮き彫りになってきた厳しい現実。一方で国や地方自治体の財政再建は待ったなしのところにきている。総論として都市と地方の格差是正は叫ばれるが、グローバル化の流れの中で市場原理は容赦なく地方の中山間地にまで押し寄せている。効率という観点では、まことに現代的ではない千年来続いてきた農地主体の日本人のライフスタイルは、今大きく崩壊しようとしている。
 福井県大野市の山間にある18戸の小さな集落、西勝原。高度経済成長の時代には、おりしも到来したレジャーブームの波に乗り、スキー場が造成され、多くのスキー客が訪れ民宿でにぎわった。しかし、今や静けさのみが残るだけとなった。この村に30年にわたり花桃を植え続けている女性がいる。林しのぶさん(81)。毎年のように数本ずつ植え続けてきた花桃は、すでに100本を超え、満開の季節には関西や中京からも観光客が訪れるようになった。既に子供たちは独立して村を出て行き、夫・義一さん(79)と捨て猫のジミーと静かな日々を送っている。西勝原は限界集落。彼女は、なぜ花桃を植え続けてきたのか、どんな思いを託してきたのか。私たちは、どのような未来を描けばよいのか…。

<ディレクター・松枝隆一コメント>

 今、この国の地方と呼ばれる地域では、田が消え、住む人が消え、集落が消えています。明治以来の中央集権の流れの中で労働力は地方から供給され、その見返りとして地方には、公共事業や公定米価などで富が還元されてきました。その循環は今、なくなっています。地方で生きるための働く場も少なくなり、現に福井県では、高校卒業者8,000人のうち半数の4,000人が県外に進学し、県内に戻ってくる若者は800人しかいない状態が毎年続いています。「限界集落」という言葉が登場。この国は、国民性を作り上げてきた原風景も含め周辺部から加速度的に崩壊しようとしているのではないでしょうか。地方に住む私たちが、地方の目線でこの問題をとらえました。この国のかたちを今後どうしていくのか都会に住むみなさんにも一緒に考えていただきたいと思います。


<番組概要>

◆番組タイトル

第17回FNSドキュメンタリー大賞ノミネート作品
『年々歳々花同じうして』

◆放送日時

2008年12月6日深夜2時5分〜3時放送

◆スタッフ

プロデューサー
江端重政(福井テレビ)
ディレクター
松枝隆一(福井テレビ)
耿 マ(福井テレビ)
取材
達川裕行(福井テレビ)
A・D
堂越花奈子(福井テレビ)
構成
高橋 修(フリー)
ナレーター
津賀有子(青二プロ)
MA
スタジオ ヴェルト
音効
大根田祐士(サウンド・バム)
撮影・編集
西村大輔(福井テレビ)
字幕
赤壁尚子(福井テレビ)

2008年12月3日発行「パブペパNo.08-347」 フジテレビ広報部
※掲載情報は発行時のものです。放送日時や出演者等変更になる場合がありますので当日の番組表でご確認ください。