FNSドキュメンタリー大賞
第16回FNSドキュメンタリー大賞ノミネート作品

『歌のチカラ ゴスペルで刻む絆』

(制作:サガテレビ)

<2007年12月8日(土)深夜2時45分〜3時40分放送>

 2007年12月8日(土)深夜2時45分〜3時40分放送の第16回FNSドキュメンタリー大賞ノミネート作品『歌のチカラ ゴスペルで刻む絆』(制作:サガテレビ)は、ゴスペルを学ぶ小学生と担任の先生、そして指導することになったゴスペル第一人者亀渕友香の心の交流を描く。

<企画概要>


 佐賀市立松梅小学校の6年生12人。彼らは担任の先生から、ゴスペルをただまっすぐに歌い続けること、そしてそのゴスペルの心を学んだ。そしてこれを手助けしたのは日本ゴスペル界の女王・亀渕友香。亀渕は「歌には人を変える力があること」「自分らしく歌うことの大切さ」を子どもたちに教えた。「卒業式にゴスペルで感謝の気持ちを伝える」と決めた12人の小さなゴスペラーと亀渕がたどった「歌のチカラ」を探す旅…90日に密着する。

<番組内容>


 2007年3月。佐賀市大和町の小さなチャペルから響くゴスペルの名曲「Oh! Happy Day」。歌っているのは、この町にある小さな小学校、松梅小学校の6年生、クラス替えもなく6年間共に学び、この日卒業式を終えたばかりの12人だ。
 同じステージに立つのは日本ゴスペル界の女王、亀渕友香。彼らはこの年、初めてゴスペルという音楽に出会い、亀渕と巡り会った。

 佐賀市大和町松梅地区は、住民1200人余りの小さな集落。住民の多くが農林業に従事する典型的な中山間地農業の町で、干し柿の里として知られている。地区にある唯一の小学校、松梅小学校は全校生徒54人、佐賀市では2番目に生徒数が少ない小学校だ。
 松梅小は2006年6月、地元のゴスペルグループ「フラッシュ」のコンサートを開き、子どもたちは、初めて「ゴスペル」という音楽を生で感じた。その後、「フラッシュ」のリーダー藤戸明子さんの指導を受けながら、11月に市内の小学校音楽祭でその歌声を披露。「アメージング・グレース」の2番と3番は自分たちで作詞した。

 ゴスペルとは17世紀後半、奴隷としてアメリカ大陸に連れて来られたアフリカの黒人たちが、過酷な労働といわれなき差別から、救いを求めて教会で歌った宗教歌。その歴史や日本では黒人霊歌と呼ばれていることなど、この時まだ、子どもたちは知らなかった。

 6年担任の近藤慎也先生、専門は社会。ゴスペルがアメリカの奴隷制度の下で生まれ、多くの黒人たちに生きる力を与えてきた歌だという知識はあったが、その“チカラ”を生で感じたことはなかった…。学校での「フラッシュ」のコンサート、そして音楽祭での子どもたちの歌声を聴き、その“チカラ”に感動した近藤は「ゴスペル」を教材に、これから思春期を迎える子どもたちに、苦難を乗り切る力を芽生えさせたいと思うようになる…。

 クリスマス、近藤は生徒を連れて「フラッシュ」のコンサートに出かけた。このコンサートで、涙する人々を目の当たりにし、子どもたちも“歌のチカラ”を感じ始めた。

 そして1月、「フラッシュ」の藤戸が再び学校に招かれる。6年生が卒業式でゴスペルを歌うことを決めたため、再びその歌唱指導をすることになったのだ。6年生が卒業に向けて掲げたテーマは「感謝」。藤戸は「絆」という歌を紹介する。

♪(きずな) ありがとう生まれてきたこと ありがとう絆に感謝!

 「とってもいい曲、歌ってみたい」という子どもたちの反応で「絆」は式の歌に決定!
そしてもう1曲、子どもたちからの要望が…。それは、藤戸がクリスマスコンサートで歌った「栄光の架橋」をゴスペルの心で歌いたいというものだった。「アメージング・グレース」「絆」そして「栄光の架橋」。式で歌う歌3曲が決まり、子どもたちは卒業というゴールに向けて一気に走り出す。

 そして近藤、藤戸と12人の子どもたちでスタートした「ゴスペルで、歌のチカラを探す旅」に、またひとり力強い同伴者が加わる。
 亀渕友香。いわずと知れた日本ゴスペル界の第一人者。藤戸も、亀渕からゴスペルを教わった生徒のひとり、近藤と相談し地元放送局の協力を得て、亀渕の特別レッスンを実現させたのだ。

 亀渕は3回のレッスンの中で、ゴスペルの心を説き、歌に命を吹き込む。子どもたちとの真剣勝負の中で、「歌には人を変える力があること」「自分らしく歌うことの大切さ」を何度も繰り返した…。

 卒業というゴールに向け、ただまっすぐに歌い続ける12人の小さなゴスペラーと亀渕たちがたどった「歌のチカラ」を探す旅。「絆とは…」「努力とは…」「感謝とは…」それを問い続けた90日…。

 12人の歌声が一つのコーラスになった時、その歌声には、大きな力が加わった…。

♪ありがとう生まれてきたこと ありがとう絆に感謝!


<プロデューサー・北村寛典コメント>


 絆…、愛…、そんなものが急速に失われつつある現代、報道現場にいる私は、日々むなしさを感じていました。そんな時私は、ゴスペルを教材として「感謝の心」と「生きる力」を学んでいる子供たちを知りました。
 それは静かな里山にある佐賀市立松梅小学校六年生の12人です。彼らは担任の先生を信じ、ゴスペルから何かを学びとろうと、ただまっすぐに歌い続けていました。そして、その歌声には心を揺さぶる大きな「チカラ」がありました。
 番組では、卒業式までの90日、亀渕友香と12人がたどった「歌のチカラを探す旅…」を描いていますが、亀渕の書簡を借り、その根底にあるメッセージをつづります。

<亀渕友香・コメント>


 「世界は今、どこの国も良い意味でも悪い意味でも、進み過ぎてしまった環境の中で混乱しています。こういう時にこそ、大人も子供も本来私たちが持つ直感や本能を大事にし、もう一度見直す心の空間こそが、健全な道であると私なりに信じております。」


<スタッフ>

 ◆番組タイトル   第16回FNSドキュメンタリー大賞ノミネート作品
『歌のチカラ ゴスペルで刻む絆』(制作:サガテレビ)
 ◆放送日時   2007年12月8日(土)深夜2時45分〜3時40分放送
 ◆出演 亀渕友香
 ◆ナレーター 児玉育則
 ◆スタッフ
  プロデューサー 北村寛典(サガテレビ)
  構成 皆田和行
  ディレクター 吉永啓一郎(エスプロジェクト)
  撮影 花森 勇(エスプロジェクト)
  音声 溝口勝秀(エスプロジェクト)
  編集 徳渕正樹(エスプロジェクト)
  音響効果 飯塚美隆
  録音 大川淳市(メディア21)
  題字 山口芳水
  CG 田中ちづる(エスプロジェクト)

  協力


タートルミュージックプラント
  制作著作 サガテレビ

2007年12月5日発行「パブペパNo.07-373」 フジテレビ広報部