東京から山形県東沢地区へ山村留学してきた子供の
1年間の記録を通して、親や学校、地域の役割を考える。
第15回FNSドキュメンタリー大賞ノミネート作品
『やんちゃ学級 みんなが先生! 〜ある山村留学の1年〜』
(制作:さくらんぼテレビ)
<12月16日(土)深夜3:00〜3:55放送> |
12月16日(土)深夜3:00〜3:55放送の第15回FNSドキュメンタリー大賞ノミネート作品『やんちゃ学級 みんなが先生! 〜ある山村留学の1年〜』(制作:さくらんぼテレビ)は、東京から山形県東沢地区へ山村留学してきた子供の一年間の記録を通して、親や学校、地域の役割を考える。
<企画概要>
山形県川西町東沢地区。戸数およそ190戸のこの地区では地区民が協力して、15年前から東京都町田市の小学生を対象に山村留学を行っており、これまで短期、長期留学合わせて、およそ500人の都会の児童が東沢で学んだ。スタートから15年目となる2005年4月、始業式を迎えた町立東沢小学校にまた東京から二人の仲間が加わった。東沢小学校の全校児童は27人。三クラスの複式学級制を取っているが、子どもたちは豊かな自然と地域の人たちによって伸び伸びと育まれている。そんな山間の学校に仲間入りしたのは4年生になったばかりの周防大くんと小林雄太郎くん。二人は親元を離れ里親の元で、一年間の留学生活をスタートさせた。豊かな自然の中で今なお残る地域内の交流とつながり、そして代々受け継がれるしつけ。二人はさまざまな驚きと発見、出会いの中で成長していく。番組では、子どもを取り巻く環境が変わりつつある中で、子供たちの一年間の記録を通して親や学校、地域の役割を考える。
<番組内容>
山村留学制度は昭和51年、長野県大町市(旧八坂村)が全国に先駆けてスタートした。都会で育った小、中学生が一定期間、農山村の農家や寮で暮らしながら自然や地域社会、子どもたちとの交流を通じて心身の発育をめざすというものだが、過疎化で悩む地域の起爆剤ともとらえられた。それから30年の間、山村留学制度は全国に広がり、一時は約300の地域にまで拡大した。しかし現在もなお続けている市町村はおよそ半分。激減した理由は歯止めがきかない過疎化と少子化、学校の統廃合、そして里親たちの負担…。次々と姿を消していく中で、山形県川西町東沢地区の「みちのく東沢やんちゃ留学」は平成3年にスタートして以来、15年目を迎えた。長い間続いている理由…それは親、学校、地域が一体となった協力体制と育む熱意にほかならない。
東京からやってきた、幼さが残る4年生になったばかりの小林雄太郎くんと周防大(すほう・ひろし)くん。彼らは自ら一年間の長期留学を希望して東沢にやってきたという。理由は「ヘビや虫をつかまえたくて!」というなんとも純粋な興味から。
しかし二人は、内面にちょっとした問題を抱えていた。雄太郎くんは、引っ込み思案でなかなか友達の輪に入れない内気な性格。そして、大くんは勉強が嫌いで学校嫌いになりかけたことがある飽きっぽい性格。親の不安をよそにそんな二人の山村留学がスタートする。
それぞれの里親は二人を家族同然に迎え入れ、特別扱いなどしない。家事を含め日々の生活は里親家のルールに則って普段どおりに進められる。
里親の接し方はいたってノーマル。子どもたちと何気ない会話を多く交わし、子どもにできること、しなくてはならないことは必ずさせる。学校や地域も同じで、悪いことをすれば叱るし、子どもたちと積極的に接しようという気持ちを忘れない。
現代のこどもを取り巻く環境は、都市化や情報化の進展によって著しく変化した。それにともない物事に感動する心、忍耐の心、他人への思いやり、仲間と協調する心が希薄になりさまざまな社会問題を引き起こす要因となってきている。豊かな人間性と優れた創造性を備えた青少年の育成の指針を山間の里の日常生活から探りだす。
<制作者コメント:さくらんぼテレビディレクター 今野栄雄>
「地域の子どもは地域で育てる」。東沢地区民、皆が口にする言葉です。近年、子どもを巻き込む事件や、また子ども自身が加害者になるような事件が多発しています。でも東沢の子どもたちには、そんなこととは無縁です。それは取材を通して、子どもたちの表情からも感じ取ることができます。私たちは、取材を通してその子どもたちの無限の可能性と純粋さ、そして力に何度も驚かされました。
子どもを真ん中にして学校と親と地域が子どもの生活や教育についてスクラムを組んでいく…。この三位一体の教育が今、失われていないでしょうか? 山村留学というシステムを通して親、先生たち、そして、たくさんの人に「育み」とは何か。そして、みんなが子どもたちの教育者であることを考えてほしいと思い制作しました。
<番組概要>
◆番組タイトル |
第15回FNSドキュメンタリー大賞ノミネート作品 『やんちゃ学級 みんなが先生! 〜ある山村留学の一年〜』 |
◆放送日時 |
2006年12月16日(土)深夜3:00〜3:55放送 |
◆スタッフ |
プロデューサー |
: |
冨澤弘行 |
ディレクター |
: |
今野栄雄 |
構成 |
: |
高橋 修 |
撮影 |
: |
大友信之・川合 茜 |
編集 |
: |
長南亜希子 |
ナレーター |
: |
富沢美智恵 |
制作 |
: |
さくらんぼテレビ |
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2006年12月6日発行「パブペパNo.06-429」 フジテレビ広報部
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