FNSドキュメンタリー大賞
刑務所にいる父にあてた手紙が、県の公文書館で見つかった。
父とは、アメリカの占領統治下で、祖国復帰を夢見る県民の声を背負い、真っ直ぐに歩み続けた政治家、カメさんこと瀬長亀次郎。
「届かなかった手紙」が50年の時を経て発見された事実は何を意味するのか。
時代に翻弄された亀次郎一家の歩みを通し、依然として基地問題に揺れる沖縄の現状を考える。

第15回FNSドキュメンタリー大賞ノミネート作品

『カメさんの背中』

(制作:沖縄テレビ)

<12月4日(月)深夜2時29分〜3時24分>

 刑務所にいる父にあてた手紙が、県の公文書館で見つかった。父とは、アメリカの占領統治下で、祖国復帰を夢見る県民の声を背負い、真っ直ぐに歩み続けた政治家、カメさんこと瀬長亀次郎
 逮捕、投獄、市長追放と、数々の苦難を乗り越えてきた父・亀次郎と、それを支えた家族の深い絆。
 「届かなかった手紙」が50年の時を経て発見された事実は何を意味するのか。12月4日(月)放送の第15回FNSドキュメンタリー大賞ノミネート作品『カメさんの背中』(制作:沖縄テレビ)<深夜2時29分〜3時24分>では、「戦後」から「本土復帰」という激動の沖縄で、時代に翻弄された亀次郎一家の歩みを通し、依然として基地問題に揺れる沖縄の現状を投影する。

<番組の見どころ>

 アメリカの占領統治下に置かれた沖縄で、逮捕、投獄など数々の弾圧を受けながらも
占領政策に立ち向かった政治家、瀬長亀次郎。カメさんと親しまれ、絶大な人気を誇った。
「人民党事件」で逮捕・投獄された亀次郎は、家族とのやりとりを手紙で行っていた。
その手紙はアメリカに検閲され没収された。亀次郎、そして家族の元に届けられることはなかったという。
 その「届かなかった長女からの手紙」が去年、アメリカ公文書館で発見された。長女・瞳が、獄中の父の身体を気遣い、そして自身の近況をつづった愛情あふれる文章。そんな手紙さえもアメリカは没収し、家族の絆を奪っていたのだ。沖縄で暮らす人々の人権が無視された時代、それが占領統治下の沖縄だったのである。
 取材スタッフは、発見された手紙のコピーを手に、現在、沖縄から遠くカナダで暮らす、亀次郎の長女・瞳さんのもとへと向かう。瞳さんは、この新事実に何を思うのか。
 今もなお、沖縄には広大なアメリカ軍基地が残され、アメリカ軍の再編によって
新たな基地が建設されようとしている。昼夜を問わず航空機の爆音にさらされ、住宅地の目と鼻の先で実弾射撃訓練が行われている今の沖縄の現状は、亀次郎の生きた時代と変わりはない。
 政治家・亀次郎の生き方や、「届かなかった長女の手紙」が50年の時を経て、この世に出た意味を通し、今もなお、基地問題で揺れる沖縄の現状を浮き彫りにすると共に、若い世代に沖縄の将来像を問う。

<制作担当者のコメント>

 沖縄テレビ報道部記者 塩谷圭
 今の沖縄で生きる若い世代の中では、沖縄に基地問題があることは“知っている”が
“考えない”と答える人が大半です。
 私自身、2年間たずさわった基地問題の取材の中で、沖縄の米軍基地はなくなった方が
いいのか、果たしてすべてをなくすことができるのか、自分なりの答えを導き出すまでには至りませんでした。
 もちろん、2年余りのわずかな時間で答えを出せるような単純な問題ではないことは
分かっていました。だからこそ今、若い世代に、沖縄が置かれている現状について考え、自分たちの手で沖縄の方向性を決めていってほしい・・・そんなメッセージを込めました。


<スタッフ>

プロデューサー船越龍二(沖縄テレビ報道部)
ディレクター塩谷 圭(沖縄テレビ報道部)
構成山里孫存(沖縄テレビ制作部)
ナレーター藤木勇人
玉城 満
阿佐慶涼子(沖縄テレビ報道部)
撮影永山敏也(沖縄テレビ報道部)
編集喜友名朝之(沖縄テレビ開発)
音声津波 亮
制作著作沖縄テレビ放送

2006年11月24日発行「パブペパNo.06-411」 フジテレビ広報部