FNSドキュメンタリー大賞
設立から4年の熊本県立盲学校アンサンブル部が
最高峰といわれる「全日本アンサンブルコンテスト」に挑戦!!
楽譜も指揮者もない。
指導者と心を一つにして奏でる魂の演奏は聴く者にどう響いたのだろうか…。

第14回FNSドキュメンタリー大賞ノミネート作品
『僕らが見つけた音と光〜盲学校のアンサンブル〜』

(テレビ熊本)

<2005年12月13日(火)深夜2時43分〜3時38分放送>

 12月13日(火)深夜2時43分〜3時38分放送の第14回FNSドキュメンタリー大賞ノミネート作品『僕らが見つけた音と光〜盲学校のアンサンブル〜』(制作:テレビ熊本)では、熊本県立盲学校のアンサンブル部が目が不自由というハンディキャップを持ちながらも全日本アンサンブルコンテストへ挑戦する姿を通し、障害者と健常者の向き合い方を探る。

<企画概要>

 熊本市にある熊本県立盲学校。全盲や弱視など目に障害を抱える子どもたちが通っている。そんな盲学校に4年前、アンサンブル部が誕生した。彼らは見えないというハンディを抱えながらも、ひたむきに楽器と向き合ってきた。そしてひとりの指導者と出会い、彼らは大きな目標を掲げる。それは、アンサンブルコンテストの中でも最高峰といわれる「全日本アンサンブルコンテスト」への挑戦。去年12月の県大会、九州大会と予選を勝ち抜いた彼らは、九州代表として全国大会のステージに立つことに…。
 見えない楽器と向き合い、指導者と心を一つにして奏でる魂の演奏は聴く者にどう響いたのだろうか…。

<番組内容>

 熊本市にある熊本県立盲学校。全盲や弱視など目に障害を抱える子どもたちが通っている。そんな盲学校に4年前、アンサンブル部が誕生した。13人で構成されるこの部は中等部から専攻科の生徒まで年齢はさまざまで、全盲の生徒もいれば弱視の生徒もいる。そんな彼らには楽譜はなく、指揮者もいない。
 彼らを指導するのはプロの打楽器奏者・冨田篤さん。毎週火曜、盲学校に通いボランティアで指導している。発足当初は、各パートの音をテープに録音し、一人一人に渡して覚えさせたという。当初は1曲完成させるのに3ヵ月かかっていたが、今では2週間で、1曲を完成させることができるようになった。
 冨田さんは「僕はここに来ることをとても楽しみにしているんです。僕自身が元気をもらっています。皆に拍手をもらう感動を味わってほしい。音楽を通じて、彼らに外の世界を見せてあげたい」と語る。
 そして、アンサンブル部の部長を務めるのが水田秀一さん21歳。彼は身長や手足が異様に伸びるマルファン症候群という病気で、片方の目は視力を失った。また、心臓にも病気を持っているため、度々手術を繰り返しながらの学校生活。そんな彼が学生時代に打ち込んだのがアンサンブルだった。彼は高等部から盲学校に入学、発足当初から部に所属し、これまでのアンサンブル部の姿を見てきたのである。
 去年12月、アンサンブルコンテストの県大会に彼らの姿があった。演奏するのは冨田さんオリジナルの曲。他に出場した熊本大学など強者ぞろいの中で、彼らは金賞を受賞。九州大会へと駒を進め今年2月に熊本県代表として挑んだ九州大会で、楽譜もない、指揮者もいない彼らは、プレッシャーと戦いながら、自分たちの音を精一杯出し切った。その姿は圧巻で見る者を惹きつけた。盲学校のような特殊学校がコンテストに参加すること自体、前例の無いこと。しかし、九州大会の場でも彼らは周りの予想をはるかに超える演奏を披露し、九州代表の切符をつかみとったのだ。代表の切符を手にした例はこれまで全国的にも彼たち以外ない。
 「冨田先生に恩返しがしたい」、「僕らでもできるんだ」、「諦めずにいて良かった」。一人一人それぞれが、さまざまな思いを胸に、3月、全国大会のステージに立つ日が来た。そして、水田さんもアンサンブル部を去り、社会人となる。番組では目が不自由というハンディキャップを持ちながらも、指揮者のいない彼らが気持ちだけで音をそろえて演奏する姿を通して、障害者と健常者の向き合い方を冨田先生との交流を交えながら探っていく。

<制作者コメント>

「ハンディを感じさせない皆の演奏は、ただ単に感動という言葉では表現できない何かがあります。彼らの奏でる音楽が聞く人を惹きつけるその魅力は一体何なのか? 生きる証を全力で見せつけられているからのようにも思います。彼らの生きる力に触れて下さい」


<番組概要>

◆番組タイトル 『僕らが見つけた音と光〜盲学校のアンサンブル〜』
◆放送日時 12月13日(火)深夜2時43分〜3時38分放送
◆スタッフ プロデュ―サー 沼田健吉
    ディレクター 石橋益由規
    ナレーター 亀井美希
    編集 可児浩二
    制作 テレビ熊本

2005年12月7日発行「パブペパNo.05-425」 フジテレビ広報部