FNSドキュメンタリー大賞
今年3月に起きた福岡県西方沖地震。
最も大きな被害を受けた玄海島に暮らす親子の姿を通し、
「故郷のかけがえのなさ」を描いていく。

第14回FNSドキュメンタリー大賞ノミネート作品
『父と子の島・玄海福岡沖地震からの復興』

(テレビ西日本)

<10月19日(水)2時33分〜3時28分【10月18日(火)26時33分〜27時28分】放送>

10月19日(水)2時33分〜3時28分【10月28日(火)26時33分〜27時28分】放送の第14回FNSドキュメンタリー大賞ノミネート作品『父と子の島・玄海福岡沖地震からの復興』(制作:テレビ西日本)では、今年の3月20日に起きた福岡県西方沖地震で最も大きな被害を受けた玄海島に暮らす親子の姿を通し、「故郷のかけがえのなさ」を描いていく。


<企画意図>

 3月20日の福岡県西方沖地震を題材にしたドキュメンタリーを制作することが決まったのが4月上旬。既にこの頃には、被害の小さかった都心部ではほとんどの人々が地震を忘れかけていた。番組を放送する頃には、地震は完全に「過去の出来事」になっているかもしれない。それでもこの時期に放送する意義は何だろうか。番組のテーマを模索する出発点になった。
 最も大きな被害を受けた玄界島では、住宅の7割が集まる傾斜地を行政の力で一帯的に整備する復興計画が協議されるようになった。傾斜地のあちこちが土砂崩れを起こしてしまったため、島民たちは自主再建をあきらめざるを得なかったのだ。
 しかし、一帯を整備するためには、被害のなかった家屋も取り壊す必要があるのだ。今後、島民たちが住み慣れた家、先祖代々受け継いできた土地を手放して行政に委ねるという苦渋の選択を、島民たちが今後迫られると考えたとき、地震による本当の苦痛がこれから始まるのだと感じた。そこで、地震を忘れてしまった人たちに、「まだ終わっていない」ということを認識してもらいたいという強い思いが湧いてきたのだった。

<番組内容>

 番組では被害の最も大きかった玄界島に住むある少年と父親、その家族の姿を通して、「故郷のかけがえのなさ」を描いていく。
 玄界島は復興のために、これから姿を一変させる。奥尻島の変貌ぶりを地元の人々がどう受け止めているのか。番組では元漁師の男性の証言をもとに、島の人々の心情を描く。玄界島ではこれから、復興に向けた大規模な工事が進められることになっており、島の少年と父親は故郷の景観が失われる現実をどのように受け止めていくのか。ひたむきなまでに島を愛する少年と、彼を見守る父親の姿が地震を忘れた人たちに「故郷のかけがえのなさ」と、今も続く玄界島の島民たちの苦しみを伝える。
 変貌を遂げた故郷は人々の目にどう映るのか。取材班は北海道奥尻島にも取材。12年前の北海道南西沖地震の大津波で壊滅的な被害を受けた奥尻島は、昔とはまったく別の姿に変わってしまっている。沿岸には島を襲った津波と同じ高さほど(10メートル前後)の防潮堤が14キロ、要塞のようにそびえたつ。また、河口には津波を食い止めるための巨大な水門が造られ、いたるところをコンクリートで固められた島となっている。スマトラ沖地震の大津波時には海外メディアからも取材を受け、先進的な津波対策が高い評価を得た。しかし、一方で大事な何かが失われたようにも感じる。
 たった一つしかない故郷が変わってしまうことの“痛み”と、島の人々が向き合っている現実を映し出していく。


<ディレクターコメント>

 「玄界島の復興計画で示された未来予想図は、まるでニュータウンのような画一的な町並みでした。玄界島らしい、美しい自然ができる限り残されることを希望しながら、復興の行方を見守っています。」


<番組概要>

◆番組タイトル 第14回FNSドキュメンタリー大賞ノミネート作品
『父と子の島・玄海福岡沖地震からの復興』(制作:テレビ西日本)
◆放送日時 10月19日(水) 2時33分〜3時28分【10月18日(火)26時33分〜27時28分】放送
◆スタッフ
制作 坂田正彦
プロデューサー 小島 洋
ディレクター 調 崇史・島生 敦
構成 徳丸 望
ナレーション 田久保尚英
撮影 清水一郎
鬼丸浩喜
音声 姫野賢信
編集 馬場尚秀
横光史嗣
選曲・MA 前田博文
制作 テレビ西日本

2005年10月13日発行「パブペパNo.05-343」 フジテレビ広報部