![]() |
第92回 2004年4月18日 「闘いの雄牛・トロー」![]()
古くからカマルグ地方で飼育されてきた闘牛用の黒い牛。
野性的で去勢されていないこのトローという名の牛の肉を 使った料理はこの地方の名物料理になっている。 カマルグのカウボーイ達がこよなく愛してきたワイルドなトロー料理を紹介する。 |
![]() |
| ||||||
| ||||||
| ||||||
| ||||||
| ||||||
|
![]() ![]() 残念ながら、取材当日サント・マリー・ド・ラ・メールの闘牛場で開催される予定だった「闘牛」は、天候と人の集まりが悪いとの理由でなくなり、期待して訪れた私たちは肩すかしを食った形になってしまいました。ラングドック・ルシヨン地方の闘牛の開催日時は、かなり流動的なようで、牛を出す牧場の人が「今日はやめ」と言ったらなくなるようです。さすがラテンの血というか、ワイルドというか、アバウトというか…。しかし、数ある牧場の中には、個人で小さめの闘牛場をもっている牧場主の人もいて、闘牛に出すための気性の荒い雄牛をそこに入れ、闘牛の練習に余念がないというくらい闘牛好きの人たちなのです。 確かにこのトローという牛は、去勢されてないという理由だけでなく、もともと気性の荒い牛のようで、「絶対に餌やりの車からは降りないように」と、撮影前にかなり脅かされました。実際に餌の藁を積む大きな荷台を引っ張っている車の上から撮影していると、威嚇まではされませんでしたが、かなり興味深く彼らから注目され、ずっと車の後ろについてくる気の強い(?)牛もいました。でも、彼らの最終的な興味は、いつもの干し草とは違い、彼らにとってちょっとランクの低い食べ物・藁で、車から降りて撮影しても、私たちに向かって来る牛はおらず、一安心したスタッフでした。 食肉にするトローは、闘牛を終えた歳をとった牛というわけでなく、食肉用として最初から育てられているのです。普通なら雄牛は去勢しておとなしくし、飼育する側にとっての危険性を排除して育てるのですが、トローは去勢されてないだけに気を遣わなければならない牛ということになります。こうして去勢してない牛を育てている牧場のことを考えると、やはり彼らは闘牛好きなんだなと、改めて感じるのでした。 昔は闘牛に出場させる牛を、この地方にいる白い馬で囲みながら闘牛場に連れて行くということをしていたそうで、少なくなったとはいえ、今も牛と一緒に白い馬を飼育している牧場では、牛を追うのにカウボーイが活躍することもあるのだそうです。フランスでも唯一カウボーイの大勢いる街ということになるのです。 料理については、焼いただけというのが、彼らの持つ旨味が一番わかりやすい料理になります。何度もソースを塗りながら3時間かけて焼くさまは、アメリカの牧場にきているような錯覚をするくらい、実にワイルドな感じなのでした。紹介しているソースは、肉が固くなるのを防ぎ、さらにハーブの香りが肉自体に染みこんで美味しくしてくれるということなので、大きな肉のかたまりを手に入れ、アウトドアなどで調理するときには、このソースを塗りながら焼いてみたら、フランスのカウボーイたちの味が堪能できるかもしれません。 |
![]() |
「キュイズ・ドゥ・トロー」![]() |
<作り方> | ||
[1] | オリーブオイル、サラダオイル、ローズマリー、ブーケガルニ(月桂樹の葉が必ず入ったもの)、塩、コショウを適量。 | |
[2] | [1] を肉を焼く3日程前につくり、冷蔵庫に寝かせておく。 | |
[3] | [2] を塗りながら焼く |
![]() |
![]() Manade-Bilhau(トロー牧場) 住所:Domaine d'Estagel-30 800 Saint Gilles TEL:04 66 01 39 77 FAX:04 66 01 64 36 HP:http://www.manade-bilhau.fr/ |
![]() |
![]() 「ALL MY LIFE」 JESSE HARRIS & THE FERDINANDOS 作詞/作曲:JESSE HARRIS レコード会社/CD NO:BLUE THUMB RECORDS/UCCB-9009 |
![]() |