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第43回 2003年5月4日 「コクトーが愛した町」![]() 作家や画家、映画監督として多くの作品を残したフランスの芸術家・コクトー。 ![]() 彼が「人生で一番素晴らしい時間を過ごした場所」 と語ったホテル・ウェルカムを訪ね、 当時コクトーを喜ばせた風景とお気に入りの料理を紹介する。 |
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![]() ![]() 詩人であり小説家であり、戯曲家、画家、映画監督としても多彩な才能振りを発揮し、数々の作品を残してこの世を去ったジャン・コクトー。同性愛者で阿片中毒にも陥った事があったという刺激的な人生を送った彼が晩年を過ごした場所が、今回の取材地ヴィルフランシュ・シュール・メールでした。 実際に訪れてみると、小さく静かな町で、湾の奥に位置する港は波が無く穏やか。海は山の上から町を見下ろした時にも海底が見えるほど青く透き通っていました。彼が泊まっていた港のすぐ目の前にあるホテルの部屋からは、そんな風景が一望でき、リラックスして作品作りに没頭するコクトーの姿を窺い知ることができます。 「人生で一番素晴らしい時を過ごした場所」 こんな言葉を残した町で、今のホテルオーナーが言った「部屋の内装は変わっても、窓から見える景色は変わってませんよ」という言葉が非常に印象に残っています。 そしてもうひとつ、今回の取材で非常に貴重な体験をさせてもらったこと。それは、コクトーがこの町を訪れてこの場所を気に入り、その後創作活動に打ち込むために住んでいたという別荘を拝見できたことでした。番組の中でインタビューさせていただいた女性は、コクトーが最初に町を訪れた時に泊まった、当時のホテルのオーナーの娘さんです。彼は、この町に来てホテルに宿泊している間にオーナーと親しくなり、その後、近くにあるホテルオーナーの別荘で暮らしていたというのです。 インタビューの際に伺ったその家は、海に面してテラスが突き出し、穏やかな海が一望できる場所。ちょうどこのお宅に伺った日は真正面に夕陽が沈むのが見え、ついその様子に見入ってしまうしまうほどきれいな景色でした。そして案内されて見せて頂いた数々の部屋や廊下には、コクトーが描いたというあの独特の絵が壁一面に描かれていたのです。娘さんのお話では、ある日、「コクトーが壁に絵を描いても良いか?」と聞いてきたので「どうぞ」と答えると自分の部屋ばかりか廊下や他の部屋まで何日にも渡って絵を描いていたという事でした。 今もそのままの姿で残っている絵を見ていると、実際にこの場所で生活し、そして様々な作品を生み出してきたコクトーの姿が実感できます。コクトーの博物館に行って知る事のできない彼の生活を目の当たりにした。それが、この日の出来事でした。 番組で紹介した料理は、この娘さんが「そういえばシャポン(かさご)が好きだったわ」と教えてくれたもの。それをホテル近くのレストランにお願いして作って頂きました。 コクトーは漁師さんとも仲が良かったらしく、この町には彼が漁師や町の人のためにデザインした教会が建てられています。その教会の屋根の上にある十字架がいかにもコクトーらしく魚の形でデザインされていました。そんな事からも、彼はきっと、この海そしてこの町が大好きだったんだろうなと感じさせてくれました。 |
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![]() HOTEL WELCOME(ホテル・ウェルカム) 住所:BP 108 QUAI AMIRAL COURBET(BORD DE MER)06231 F VILLEFRANCHE SUR MER TEL:04 93 762 762 FAX:04 93 762 766 |
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![]() 「Green Lane」 mazarin 作詞/作曲:Quentin Stltzfus レコード会社/CD NO:69 records/No:SNR-2003 |
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