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カンペルレー 第19回 2002年11月17日 「アンドゥイユ」

町中のビストロを訪ねると注文をしなくても出てくる付きだしのソーセージがある。
名前は「アンデゥイユ」。
これは豚の腸の中に何本もの腸を詰め燻製にして作られたもの。
もともと内臓料理の多いフランスの中で
豚肉が好きなこの地方の人が考え出した郷土の味です。
アンドゥイユ

清らかな川の流れる音が響く、ブルターニュ地方カンペルレー。
その街角にある一軒のビストロには注文をしなくても出されてくる突き出し代わりのソーセージがありました。




今や、レストランに入ると必ず出されるというこの町の習慣になっているアンドゥイユ。
それは、豚の腸で作るブルターニュ地方独特のソーセージです。


もともと豚肉が好まれて食べられてきたこの地方では、肉から内臓まで残さず料理に使う習慣があり、その中で、大腸に細い腸を詰めて作るのがこのアンドゥイユ。
燻製にし、更に6時間煮込む事で余分な脂と水分が抜け、その旨味だけを味わう事ができるようになるのです。

「Andouilles de Baye/アンドゥイユ・ドゥ・ベイ」
この日は、豚肉のソーセージと共にバターで炒め、メインディッシュとして料理する事に。
付け合せは、やはりこの地方の名産・ココ豆を野菜といっしょに炒め、トマト、白ワイン、ブイヨンで煮込みます。


「カスレ・ヴルトン・アンドゥイユ・ドゥ・ベイ」
好きなものへのこだわりで、この土地に生まれたアンドゥイユ。ちょっとクセのあるその味が人気の秘密なんです。


スタッフからのメッセージ
 フランス料理には内臓を使った料理が意外に多いようです、一般的に、牛、豚、羊など哺乳類の動物の内臓料理を「アバ料理」と言うのだそうです。レバー、心臓、腎臓、舌、頬肉などの事を赤いアバ、脚、胃、腸、耳などを白いアバというように分類し、それぞれの特長を生かして料理をするのだそうです。アバはビタミン、鉄分などの栄養がいっぱいで良質なたんぱく質も豊富。まだ冷蔵保管などの技術が発展していない時期などは、冬の時期に家畜から肉を取るのと同時に内臓類も大切に扱われ、こうしたアンドゥイユのような保存が利く食物も考え出されたというわけです。
 では、どうして、ブルターニュ地方の人たちは豚肉を好んで食べてきたのか?これに関しては、とうとう謎のままに終わってしまいました。現地の人に尋ねると、確かに豚肉を食べる事が多いらしく、皆、豚が好きだから、その内臓も使って何か作ろうと考え出されたもののひとつがアンドゥイユなんだ、という事は分かったのです。では、どうして豚が好きなのかを尋ねると皆首を傾げてしまい分からぬまま…ちょっと残念ではありますが、人間には趣味趣向というものがあって「じゃあ、何故これが好きなの?」と聞かれても答え様のない事もあるので、この件について今回はあきらめる事にしました。
 アンドゥイユについてですが、これは作られる地方によって微妙にその味も作り方も違うようです。今回紹介したのは「ベイ」という町で作られているもので、正式には「アンドゥイユ・ドゥ・ベイ」というのが商品名です。その他には「ゲメネ」という町のものが有名で、「ヴィール」「トロワ」という町でも作られています。ちなみに、アンドゥイユの小さいものは「アンドゥイエット」。内臓で作られているので、ちょっとクセのあるソーセージですが、フランスでは有名なものなので食べてみる価値はあると思います。


Societe DANIELOU ダニールー社(工場)
住所:180 rue Jean-Marle Carer-29300 Baye France
TEL:02 98 96 80 13/FAX:02 98 96 83 78

Brasserie de la Tour ブラッスリー ド ラ トゥール(レストラン)
住所:2,rue Domaine Maurice 29300 Quimperle France
TEL:02 98 39 29 58


「I Wish My Love Was A Red Red Rose」
アーティスト:ALTAN
作詞:作曲:Traditional
レコード会社/CD NO:東芝EMI/TOCP-65038
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