アイ アム アトミックボム サバイバー ~小倉桂子が伝え続ける理由~
前回の放送日時 2023年8月11日(金) 27:55~28:50

被爆者の高齢化が進み、被爆者たちは自分に残された時間と対峙している。カメラが追いかけたのは小倉桂子さん。G7サミットで各国首脳との面会に臨み注目された。

放送内容詳細

<フジバラナイト FRI>
小倉桂子さんは、8歳のとき爆心地から2.4キロの牛田町で被爆。多くの被爆者もそうだったように彼女も長年、日本国内で自らの被爆体験については口を閉ざしてきた。過去を語ることは心をえぐられるような思いであり、家族への差別も恐れていたからだ。結婚し専業主婦として家族と幸せに暮らしていた。しかし広島平和記念資料館の館長も務めていた夫が、平和宣言の草稿執筆中に急死。夫の遺志を継いで被爆証言者の通訳をするようになる。独学で必死に英語を学び直す日々、彼女の暮らしは一変した。ある時広島を訪れた外国人から「通訳では時間がもったいない。質問をする時間がなくなるから、桂子の被爆体験を聞きたい」と懇願されたことをきっかけに重い口を開くことに。それからは、被爆体験を伝えるようになった。夫の死後、年間2000人のペースで約40年間、国内外へ発信を続けた。そして今年5月、G7広島サミットでの各国首脳への被爆証言、さらに電撃来日したウクライナのゼレンスキー大統領との面会が決まる。この歴史的瞬間に被爆者それぞれが強い思いを持つ中、彼女はこの大役を引き受けることに「荷が重すぎる」と葛藤した。それでも覚悟を決めてたったひとりで重責を担った3日間に密着。コロナ禍の2年半、被爆者・小倉桂子は何を思い伝えてきたのか、そして平和のバトンを渡された人たちは何を受け取ったのか。被爆者の今と継承を描く。

出演者

【ナレーション】
岡田将生

スタッフ

【プロデューサー】
黒川陽央

【ディレクター】
石井百恵