あらすじ
<第10回> <第11回>

<第10回> 「破滅への遺伝子」
 クリスマス間近の「アンティーク」。橘圭一郎(椎名桔平)は、かきいれ時を目前にヒゲを剃って心機一転。と、思いきや、小早川千影(阿部寛)によると、どこかのお姉ちゃんにヒゲが無いほうがカッコイイと言われたから剃ったのだとか。神田エイジ(滝沢秀明)と小野裕介(藤木直人)は、さもありなんと納得。それでもめげない橘は、クリスマスツリーの調達に出かけていった。
 橘の留守にやってきた飯塚桃子(小雪)は、エイジと初めて会った時のことを小野に取材。彼にはケーキ作りの才能ありと話す小野に、エイジ大感激。そのエイジが、小野に何で「アンティーク」に来る前に、いろいろな店を転々としてたのかと聞いた。「まあ、いいじゃない」とはぐらかす小野。疑問は解けないエイジだったが、気を取り直して次の質問。「先生、女もうOKなんでしょ?」。すると小野は「恋はもういい」と言い出す。すると桃子が「恋のリハビリをしましょう」と、いきなりな提案。さらに手始めに私とデートしようと、大胆に言い放る。我に返った桃子は、自分の発言に困惑してしまう。
 橘が店に戻ってくると、宗像克雄(辻萬長)が来た。2人にとって、12月と言うのは特別な意味のある月。なぜなら橘が誘拐されたのが、この月だったからだ。感慨に浸る二人だったが、宗像がクリスマスケーキの注文をして場の雰囲気を変えた。
 その頃、白井富貴子(八千草薫)は、なぜかケーキを土産に神田源一(牟田悌三)のジムを訪ねていた。
 さて「アンティーク」のエイジの部屋では、吉永正太(えなりかずき)がトレーニング中。内野茜(西野妙子)もエイジと一緒に、正太を見守る。だが、強い男になろうとする正太が不安になるような言葉を連発。さすがに、エイジがたしなめると「うっそ〜」と、少し正太をからかっただけの様子。
 正太のトレーニングを終えたエイジは、小野に自分が作ったケーキの味見をしてもらう。「違うな」と言う小野にエイジはがっかり。エイジが橘に呼ばれてフロアに行くと、小野は密かにもう一口。エイジのケーキに複雑な表情を見せる。一方エイジは、橘が持ってきたクリスマスツリーを見ると、さっきまでの『がっかり』はどこへやら、すぐに元気を回復させた。
 いよいよ、クリスマスケーキの注文が入りだした。が、エイジは正太を特訓中。千影はハンガリーに住む秀子のために編み物と、忙しいばかりでもなさそう。橘に至っては、エイジたちを相手に自分の恋の遍歴を語り出すほど。しかし、橘の恋愛はいつも失敗に終わっていた。橘は誘拐された時の記憶を失っているために、つい人に合わせるようになり、人間関係をうまくつくれなくなったようだと言う。
 それを聞いたエイジは、橘と逆に、子供の頃の記憶でひとつだけ覚えていることがあると言い出す。ケーキを見ると、優しそうな男と女の姿を思い出すそうだ。多分父母だと思う、とエイジ。橘は、エイジに両親の死因を尋ねるが、エイジは「よくわからない」と答える。
 エイジが休憩に入ると、小野は厨房で橘に相談を持ちかけた。エイジのケーキを食べて
欲しいと言うのだ。先に食べた千影は、小野のケーキとはどこか違うが美味しいと感想を。小野は、いつかエイジを自分から離した方がいいと言う。一緒にいると、エイジの
ケーキは自分の真似で終わってしまうと心配する。うなずく橘が、エイジのケーキを口にした。その瞬間、凍り付く橘。いつもは、あまりケーキを食べない橘だが、真剣な表情でエイジのケーキを食べ続け・・・。

<第11回> 「終りなき旅」
 12月24日、クリスマス・イヴ。神田エイジ(滝沢秀明)、橘圭一郎(椎名桔平)、小野裕介(藤木直人)、小早川千影(阿部寛)が働く『アンティーク』は大忙し。フロアには、飯塚桃子(小雪)も手伝いに来ている。
 サンタクロースの服に着替えた橘は「お前も着るんだぞ」と、エイジに言い残して、一足先にケーキの配達へ。女性の注文分だけを持って行った橘に、エイジは少し不満そう。そこに、やって来た中野逸子(小西真奈美)や波子(今井恵理)、トオル(長塚圭史)らをエイジは歓迎する。厨房に入ったエイジは、小野が次々に作るブッシュ・ド・ノエルにため息。そんなエイジに小野は注文に行くようにうながす。
 サンタクロースの服に着替えたエイジは、次々に配達先を訪ねるが、どの家でもなぜか不評。それでも、緑が丘中央病院の内野茜(西野妙子)が勤める小児病棟ではサンタ姿のエイジに子供たちが群がるが・・・。子供たちの狙いは、ケーキよりプレゼント。がっかりのエイジだが、可愛く飾られたケーキを見て喜ぶ女の子に救われる。
『アンティーク』にエイジが帰ってくると、吉永正太(えなりかずき)が島崎珠美(眞鍋かをり)へ告白の真っ最中。エイジや橘らが固唾を飲んで見守る中、ついに正太は・・・。
 その夜、ようやく営業を終えた店内で互いの労をねぎらい合う、エイジ、橘、小野、千影、そして桃子。その時、小野が「お話があるんですが」と口を開いた。小野は、エイジにパティシエスクールのパンフレットを渡す。自分の下で働かせてエイジの才能を無くしたくない小野は、スクールでの修行を持ちかけてきたのだ。エイジは『アンティーク』や小野から離れるのはイヤだと、みんなの前で懇願するのだが・・・。


戻る

バックナンバー
[第1-3回] [第4-6回] [第7-9回] [第10-11回]