放送内容詳細 時は乱世、戦国の世。各地で日々戦が繰り返され多くの民の血が流れ、農地は荒され、農民が貧困に苦しんでいたこの時代、ようやく乱世統一のため一人の武将が立ちあがった。 永禄11年。織田信長(上川隆也)は、家臣の柴田勝家(隆大介)、丹羽長秀(本田博太郎)らを伴い京に上洛。朝廷より、足利幕府の後継者・義昭(谷原章介)が征夷大将軍の命を拝されることにより、信長こそ将軍一の家来としての絶対的立場を得ることに成功したのである。 義昭を信長に引き合わせ、京に無事入るまでの手筈を整えたのは、明智光秀(唐沢寿明)であった。しかし、京へ入った信長らを迎えた光秀の前にしゃしゃり出て、一行の長旅の労をいやしたのは、“猿”こと木下藤吉郎(柳葉敏郎)。のちの豊臣秀吉であった。ひょうきんにその場をなごませた秀吉の滑稽さは、信長らを大いに笑わせ、光秀は唖然。そして秀吉に怒りを覚えるのだった。光秀の婿養子・秀満(大泉洋)は、そんな様子を見ながら義父・光秀に、「生真面目なだけでは信長に気に入られない」と進言する。 それからしばらくして、石成友通と三好長逸挙兵の報に柴田勝家が立ちあがった。このときも秀吉は、先鋒の勝家を出し抜く活躍を見せ、信長の信頼を得るのに成功。信長は、秀吉に、光秀と共に京奉行を任命したのだった。心の中では軽蔑さえしている一家臣にすぎなかった秀吉と並べられたことに、光秀はやるせない思いを感じる。 宴の席でもお勤めの場でも陽気に振舞う秀吉と、真面目に役目をこなす光秀の姿は対照的に映り、ことごとく信長の目にとまる秀吉の姿に光秀は、口には出せぬ不満を募らせていくのだった。 そんな光秀の心の安らぎは、妻・ひろ子(長澤まさみ)と子供たちの存在であった。だがひろ子は、時折逢う光秀の眉間に、以前にはなかった深い皺を見つけるとき、夫の置かれた立場のつらさをおもんぱかるのだった。 一方、そんな光秀の苦悩など知るよしもない秀吉は、おね(小西真奈美)に、光秀が優れた武将であることを話し、信長様のもと、一日も早く戦のない世の中をつくりたいと話すのだった。 1571年。信長は越前の朝倉義景を討つため挙兵した。だが、この直後思いがけない知らせが信長を窮地に陥れることになった。近江の浅井長政が謀反をはたらいたのだ。信長の妹の婿である長政の謀反に信長勢は撤退を余儀なくされることになった。 だがここでも、秀吉は自らの命をなげうってでも信長を助けようと、まず助からないといわれるしんがり(軍の最後尾で敵の追撃を防ぐ)を進んで申し出て、信長を無事逃がすことに成功する。京の町は、秀吉のこの見事な働きでもちきりになった。しかし本当に信長の危機を救ったのは、実は途中でひき返して秀吉に加勢した光秀だった。 この直後、光秀が信長に義昭に不穏な動きがあることを知らせると、信長は先日の戦での労をねぎらう言葉を光秀にかけた。こうして、信長の自分に対する確かな信頼は得られたと光秀が確信した矢先のことだった。長浜攻めを控え琵琶湖で陣を張る信長が、光秀を密かに呼び出すと、比叡山攻めの総大将を申しつけたのだ。信長の首を狙う残党の巣窟となった寺を攻めよという。仏に弓を引くとは……と光秀は再考をうながすが、信長の決意は固かった。 家族の元に戻った光秀の表情に苦悶を感じとったひろ子は、以前光秀から贈られた小さな仏像を取り出して見せた。比叡山攻めを目前に、光秀は複雑な思いでその仏像を見つめた。 山焼き討ちを決行した光秀は、秀吉にだけはその作戦を伝えなかった。作戦を邪魔され手柄を取られたくなかったのだ。しかし、琵琶湖の対岸の長浜にいた秀吉は、比叡山に火がつくのを見るやいなや、遅れをとってはならぬと自らも出陣を決意する。陸を走ったのでは間に合わないと悟った秀吉は、漁師たちから舟を買い上げ琵琶湖を渡って進軍。見事比叡山に辿り着いた秀吉に驚愕する光秀。後ろめたさを覚える光秀に対し、とがめることをしない秀吉に、光秀は武将・秀吉の大きさを感じるのであった。 比叡山の功により、光秀は信長から近江坂本城を与えられた。ようやく家族一緒に暮らせる城を得たのである。しかし、これは束の間の幸福であった。 天下布武に突き進む信長の勢いは、止まるところを知らず加速度を増していく。それに伴い光秀の運命の歯車にも微妙な狂いが生じてゆくのであった。そして、織田家と日本の行く末を案じた光秀の脳裏に、一つの考えが浮かぶのであった……。 閉じる もっと見る 出演者 明智光秀 … 唐沢寿明木下藤吉郎 … 柳葉敏郎ひろ子 … 長澤まさみ明智秀満 … 大泉 洋おね … 小西真奈美堀 秀政 … 伊藤英明足利義昭 … 谷原章介織田信長 … 上川隆也ほか スタッフ ■脚本 十川誠志■企画 石原 隆■プロデュース 保原賢一郎 重岡由美子 西岡善信(映像京都) 西村維樹(映像京都)■演出 西谷 弘■音楽 菅野祐悟■制作協力 映像京都■制作 フジテレビドラマ制作センター■制作著作 フジテレビ