これまで『わ・す・れ・な・い』では、宮古市、釜石市、多賀城市の3市を襲った津波の詳細を、膨大な視聴者映像やさまざまな証言をもとに時系列に沿って検証することで、その実態を明らかにしてきた。そこで得られた最大の発見、それは「ひとつとして同じ津波はない」ということ。ひとつの地震が引き起こしたひとつの津波が、場所によって地形によって、大きく姿を変える。津波に遭遇した“その瞬間”、人によって“見たもの”が全く違う。だからこそ、被害のありようもまるで違うのだ。
しかし、その戦慄の全貌は、まだまだ明らかになっていない。そこで、今回の『わ・す・れ・な・い』では、東日本大震災で、最大の犠牲者を出すことになってしまった宮城・石巻圏に焦点を当てる。
当日の悪天候の影響もあって、これまであまり目にすることのなかった石巻圏の映像を数多く入手し、証言とあわせて精緻に検証することを縦軸にこれまでの放送で見えてきた“津波の姿”や、最新の科学的知見も交えてその全貌に迫る。見えてくるのは、忘れてはならないたったひとつの教訓。誰にも共通する“命を守るすべなどない”ということ。震災から2年…これは本当に必要な、災害への“備え”を考えるための映像検証の集大成だ。
語りは小倉智昭が担当、被災地からは安藤優子が生中継を行う。