姉のるみ子（大後寿々花）と弟の龍彦（澁谷武尊）が母・由季子（菊池桃子）に連れてこられたのは、山間の村にある祖父・三郎（笹野高史）の家。
「母さん、頑張ってあんたたちのこと引き取るから」そう告げると東京に戻る母。両親は離婚調停中で、子供2人の親権を巡り争っていた。
私たちバラバラになっちゃうかも…るみ子はそんな不安を抱えていた。そうとは知らぬ幼い龍彦は古い蔵で「福助」と書かれた小箱を発見する。開けると、奇妙な生き物がみるみる赤ん坊の姿に成長していく。
それが龍彦と孤独な福の神・福助（深澤嵐）の出会いだった。
るみ子は慣れない田舎で、1人懸命に頑張っていた。母のいない間、龍彦の面倒をみるために。しかし、次第にストレスを抱えていくようになる。
一方、龍彦の寂しい気持ちを福助は力を使って紛らわしてくれる。お腹がすいたと言えば、庭一面に野菜や果物がなり、遊びたいと言えば、動物たちを集めて一緒に遊んだり。そのたびに歳をとっていく福助。龍彦にしか見ることの出来ない福助。いつしか2人に友情が芽生える。
そんな時、ついに姉弟がバラバラにされる事態に発展し…。
福助は力を使うごとに歳をとる。願いを叶えることは福助の命を削る事。そのことに気付いた龍彦、そして福助を見ることの出来ないるみ子。やがて別れの時は近づく中、2人が選ぶ道は…。