2005年12月25日、クリスマスに行われた聖なる戦い…。
トリノ冬季五輪の出場権をめぐり女子では荒川静香、安藤美姫、村主章枝、中野友加里、恩田美栄らがそれぞれに最高の演技を見せ、オリンピックへの熱い想いを表現した壮絶な決戦が繰り広げられた。
今も“史上最高の最終グループ”として語り草となっているあの戦いから4年。
バンクーバー冬季五輪への代表枠がかかっている最後の大会。グランプリファイナル終了時点で安藤がまずは代表に内定した。残る代表枠2つを巡り、今回の全日本フィギュアは例年以上に氷上で熱い戦いが繰り広げられることが必至だ。
今大会は間違いなく大会4連覇、そして初の五輪出場を目指す浅田真央が中心となる。
今期グランプリシリーズ、ロシア杯で自己ワースト得点を記録してしまうなど極度ともいえるスランプ状態にある浅田だが、全日本選手権は現在3連覇中。フリーで2度のトリプル・アクセルを成功させたのも4年前のこの大会だったように相性は良い。(※国際大会では去年のグランプリファイナルで初めて2度のトリプル・アクセルに成功している)
優勝、もしくは今大会で好成績を残さないことには五輪の道は閉ざされてしまう追い込まれた浅田のほか、トリノ冬季五輪出場をあと一歩で逃した中野、3大会連続の五輪出場に執念を燃やすベテラン村主、去年一躍代表候補に名乗りをあげた鈴木明子らがバンクーバーへの切符を賭けて氷上の熱い戦いを繰り広げる。
ここ数年、世界選手権よりレベルが高いのでは? と言われるようになった本大会であるが、今大会はまさに世界一厳しい代表選考になることは必至。前回以上の戦いが繰り広げられることは間違い無い。
また新たなスター・ヒロインが現れるのも、全日本フィギュアの魅力の1つ。
去年は女子で村上佳菜子という将来性豊かな選手がセンセーショナルにデビューした。
し烈な五輪代表選考とともに、次代を担うフレッシュな若手選手の演技もタップリと伝える。