インタビュー

第2シーズンは2クールということで、撮影も長丁場です。その大変さを実感したことは?
実は、あまり長丁場という感覚はないんですよ。どうしてだろう……?撮影のペースが速いということもあるかもしれない。法医学教室での撮影が多いので、キャストのみなさん、スタッフのみなさんも勝手知ったる、という感じでとても良いチームワークで撮影もポンポン進むので。だから、気を付けているのは体調管理くらいです。いまはこういう時期ですから、なおさら気を付けないといけないですからね。
この作品のように、ひとつの役柄を長い間演じる、というのはいかがですか?
高橋というキャラクターは、研究室を明るくしたいという思いを持っているキャラクターですし、どこか僕自身にも高橋的な要素もあるので、全然……シーズン8くらいまでいけますよ(笑)。『24』くらいいけますね。来年も再来年も、僕は高橋を演じられます。(笑)。
役者さんによっては同じ役柄を演じ続けることに抵抗がある方もいるようですが……。
まあ、そういう方もいらっしゃるかもしれないですね。特に主役の方とかは、色がつくとか思うのかもしれないですけど……。朝顔先生役の上野さんもそうですけど、やっぱり主役の方は出るシーンも多いから大変だと思います。今回、朝顔先生は、万木家のみなさんと雪のシーンを撮るために2月くらいから撮影に入っていましたから。
この第2シーズンを見ていて改めて思ったのですが、高橋くんは法医学教室のムードメーカーですけど、同時にとても頼れる存在ですよね。
意外とそうなんです(笑)。みなさん、「何か、アイツ使えねぇ」みたいな空気感でいますけど、実は検査技師としては凄く優れているんですよ。第1話からもう一度、見直してほしいんですけど、大体、みなさんが「高橋くん、○○お願いします」って言ってますし、そもそも僕が何回あのドアから「検査結果、出ました!」って言って入ってくるか。第1シーズンから数えてみてほしいくらい(笑)。1日に3つくらいある時もあるんですよ。だから僕は、相当なやり手だと思っているんです。血液だとか、胃の内容物とか、DNA鑑定とか、検査に出すものは全部やってますからね。あ、あと電話!他の人、まったく電話出ないんですよ。結構な働き者ですよ、本当に。そこには、ちゃんとプライドを持ってやっているということだと思います。まあ、そんな感じで仕事に一生懸命だから彼女も出来ないんでしょうけどね(笑)。
特に第2シーズンは、その傾向が強いですね。
高橋、結構デキるんで(笑)。解剖室では、パソコンをカタカタやって、写真をパシャパシャやっているだけですけど、それ以外のところではずっと走り回っているんだと思います。
その検査結果こそが事件解決のカギですしね。
そうそう。何回あるかな?実は、あの「検査結果、出ました」って言いながら入ってくるシーン、結構緊張するんですよ。朝顔先生たちがシリアスなお芝居をしているシーンの真ん中くらいに入っていくことが多いから。「ここでNG出したら最悪だ」って(笑)。
高橋くんや光子先生(志田未来)の成長ぶりも感じます。
そこは、やはり第1シーズンから年数も経って経験も重ねているので、意識している部分ではあります。まあ、成長というより、もう少し落ち着いている、という方が近いかも。ほんの少しだけ、そういう余裕みたいな感じがあっても良いのかな、と思ったんです。その一方で、研究室のシーンはちょっとバタバタしている方が面白いと思うんです。だから、その辺のバランスは考えながら演じています。仕事は出来るんだけど、やっぱり忙しいからいつもバタバタしていて、でも全体の雰囲気は明るい……というのは常に心がけています。
研究室メンバーは、本当に良いバランスだと思います。
それももう、空気みたいに自然になってますよ。NG出す人も滅多にいないんですけど、たまに誰かがNGを出しても、「じゃ、もう1回行きましょう~!」みたいな感じですし。そういう空気感も、もしかしたらドラマに反映されているのかな、と思います。アドリブではないんですけど、よく見てみると、本当に楽しんでいるんじゃないかな、と感じるような瞬間もあるはずです(笑)。監督も「ちょっと遊んでもいいよ」っておっしゃってくれる時があるんです。そういうときの仕草とかリアクションとかは、本当に楽しんでいるところをみなさんに見てもらえているんです。
ただ、この第2シーズンは、なかなか辛いエピソードも多いですし、今後を予感させるようなセリフやナレーションもありますね。
さらに、ここからじゃないですか?さっきも監督と、「ここからどうなっていくんですか?」みたいな話をしていたんですけど、色々と衝撃的な展開が待っていそうですし。でも、シーズン8まで行くかもしれないですからね。そこまで行くなら、まだ延ばし延ばしいくかもしれない(笑)。8年後、もう“高橋くん”じゃない感じまで行きたいですからね。「高橋くん」って呼ばれているんだけど、もう結構なオジサンで(笑)。
でも、「検査結果、出ました」は……。
相変わらずやっている、という(笑)。45歳くらいになってもやっているんでしょうね。電話にも真っ先に出て……。
撮影はもう随分進んでいますね。
だから僕のおふくろが、めっちゃ聞いてくるんですよ。「この先、どうなるの?」って(笑)。「いや、聞かない方が良いよ。その方が楽しめるよ」って言うんですけど、「いいから、教えて」って。でも、言いふらしそうだから教えない(笑)。「あの家族に何があるの?」ってしつこくて……。あと、しばらく前に違う番組で離島に行ったんですけど、そこでは子どもたちがみんな見てくれていて人気だったんですよ。それがちょっと意外……ということではないですけど、僕自身がどこか“大人のドラマ”みたいに思っていたところもあったので、「『監察医 朝顔』、毎週見てます!」って子どもたちが言ってくれたのは本当に嬉しかったです。第2シーズンになって、高橋の知名度も上がって良かったです。ただ、こないだ撮影の帰り際、ロケ先の警備員の方には止められましたけど(笑)。「あ、学生証ピッってやってくれる?」って(笑)。
学生に見えたんですね。
だから、ロケは緊張するんですよ(笑)。
改めて、朝顔先生役の上野樹里さんとのお芝居はいかがですか?
僕はいつも完パケ(※完全パッケージの略称で、映像や音声の編集などが仕上がった状態のもの。毎回、出演者には放送前に手渡される)を見るんじゃなくて、オンエアを楽しみにしているんですけど、そこにいるのはやっぱり朝顔先生なんですよ。現場で見ていても、放送を見ていても、お芝居の瞬発力とか周りに与える力はやっぱり凄いと思います。
いまはもう、撮影の合間に話したりする機会も減りましたし、みなさんでお昼ご飯に行ったりする機会もなくなってしまったわけですが……。
そうなんですよね。普通だったら、2~3回くらいは飲みにいったりもしていると思うんですけど、そういうことも出来ないのはやっぱり寂しいです。スタッフのみなさんは、僕ら以上に気を遣わないといけないから、余計に負担も大きいはずですし。打ち上げも、いまはどこの現場もやってないですよね。僕、徐々に上げていって、打ち上げで本気出すタイプなのに(笑)。スタッフのみなさんとも「楽しくいきたいですねぇ」と話していて、「じゃあ、(スタジオ内の)食堂、行きます?」ってなるんですけど、食堂ももう席がひとりずつになっていますから(笑)。まあ、こればっかりは仕方ないことですけど、早く元の感じに戻ればいいなと。シーズン8まであれば、きっと戻っていると思うので、それまでは我慢します(笑)。

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